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唄口の改造 [尺八改造]
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愛管のこと [尺八改造]
尺八の大敵 [尺八改造]
愛管の唄口 [尺八改造]
すべり止め [尺八改造]
唄口の幅を狭くしました [尺八改造]
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顎当たりを削りすぎたみたい [尺八改造]
尺八の唄口寸法考 [尺八改造]
微妙な唄口の寸法 [尺八改造]
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アイデアの宝庫のようなサイト [尺八改造]
横浜能楽堂での演奏会 [尺八改造]
尺八と篠笛、それぞれの特徴を持つ楽器たち [尺八改造]
塩ビ管尺八の音量アップ [尺八改造]
最初は、少しだけ差し込んでラッパ状にしてみました。乙のツ(F音)から上の音は問題なく良く鳴るのですが乙ロの音が詰まったような感じでうまくありません。何もしないときよりも悪くなりました。
そこで、いろいろな位置で試してみて最終的に落ち着いたのが上の写真です。ちょと分かりにくいですが管尻と容器の縁がほぼ同じ位置になっています。これだと乙ロの音も響いてくれます。お風呂場効果みたいな感じになっているのではないかと思います。
取り外し可能ですから持ち運びにも気を使いませんし、差した状態で尺八スタンドの代わりにもなります。
塩ビ管尺八の改造 [尺八改造]
前に、綿棒の容器を使って塩ビ管尺八の音量を改善したことを報告しましたが、見た目に違和感(塩ビ管と透明容器の質感の違い)がありますので改善策を考えてみました。
今回使ったのは、50×20のTS径違い継手です。
完成したものを吹いてみましたが予想通りお風呂場のエコー効果がかかってよい感じです。ただし、甲のピが正しく出ません。原因は不明です。演奏できる曲がかなり限定されますので改善が必要です。
唄口サンプルにするための真竹を沢山いただきました [尺八改造]
吹きやすい尺八に関して、reizanの持論は「唄口から顎当たりまでの寸法がポイント」です。
それを実感してもらえる方法はないものかとずっと考えていましたが、アイデアが浮かんだので、尺八サークルの仲間にサンプル用の真竹の確保をお願いしておりました。
そうしたら2か月も経たないうちに27個も持ってきてくださいました。
- 外径の違う真竹をできるだけたくさん
- 必ず、ふた節を残す
- 唄口の傾斜は23°、顎当たりは5°下がり
その使い方はどうするかというと、クライアントに太さの違う竹を一つずつ当てて吹いてもらって、どのサイズが一番フィットするかを探るというものです。
音を鳴らすのが目的ではありませんので顎当たりの位置は変えません。顎当たりを当てる位置さえ変えればほとんどのサイズで音が鳴りますがそういうことではありません。
誰でも尺八の顎当たりを当てるのに一番収まりの良い位置があるはずですから、どのサイズの竹でもそのポイントに顎当たりを当てて吹いてもらいます。
そうすると全く音の鳴らないものやかすれた様になるもの、そしてよく鳴るものなどの違いが明確になります。当然のことですが、よく鳴る竹のサイズが自分にとって相応しい太さということになります。
左上:外径は大きいが肉厚がなく、内径も大きい。(尺八を吹くとき顎で開口部を塞ぐのですが、reizanの場合は隙間ができて塞げませんでした。)
左下:普通の尺八では使わないぐらいの細身です。極端に唇寄りに当てると吹けますが自分のベストポイントでは吹くことができません。
右上:これも細身の部類に入ります。ベストポイントに当てるとかすれた音が鳴りました。
右下:外径は一般的なサイズですが、肉厚があってその分内径が小さいため息が漏れません。reizanにはこれが一番フィットしていました。管径のサイズがもっと増えてくるとベストフィットのサイズがつかみやすくなると思います。
それぞれに特徴がありますが、このなかでどれが一番ということは一概に言えません。吹く人の顎にフィットしているものが一番良いわけですから、一人ひとり相性が違ってきます。
これからさらに削りをかけてよく鳴るように仕上げをします。それから唄口の寸法を測ってそれぞれ本体に書きつけます。
唄口の寸法を測るときに問題になるのは二点の決め方です。唄口のエッジの方はポイントがはっきりしていますが、顎当たりの方はRがありますから測るたびに場所が違ってしまう恐れがあります。
そこで、reizanが採用したのは、顎当たり側は管の外側をとることです。こうすれば何回測っても同じ結果になるはずです。
不思議な尺八 [尺八改造]
普通、尺八の孔は表に四つ、裏に一つの5孔です。 しかし、現代曲を演奏する際の運指を楽にしたり、楽して古曲を演奏したい人のために、表側に小さな補助穴を二つ追加した7孔尺八というのがあります。(裏孔はひとつのままです。)
7孔にすると、5孔では出しにくい、ツの半音(琴古流ではツの大メリ、1尺8寸管の場合D♯・E♭)と、ハの半音(琴古流ではリ・ヒの大メリ、1尺8寸管の場合A♯・B♭)の音程が簡単に吹けるようになります。
reizanも曲によって7孔尺八を使うことがあります。左から二つ目と右端が補助穴です。ちなみに、これを5孔として使うときは補助孔にテープを貼って塞ぎます。
左端の孔がずれているように見えるのは単に差込みの際のズレですから修正可能で問題ありません。
気になるのは右から二つ目の補助穴です。reizanのと比べてみてください。
この尺八ではツの半音を簡単に出すのは困難です。5孔と同じ操作をしなければ出せませんから初心者向きとは言えません。
では、右から二つ目の補助孔は何に使うのでしょうか。ちょっと推理してみました。
すべての孔を塞ぐとロ(D音)です。そして右寄りの二つの孔を開けるとツの全音(F音)になります。
D音とF音の間には、D#・E♭音とE音がありますが、D#・E♭音は出しにくい構造ですから残るはE音ということになります。
右端の孔だけを開けたらE音になるのか、右から二番目だけを開けたらE音になるのか、わかりません。一度聞いてみたい気もしますが、買う気にはならないと思います。
だってE音(ツのメリ、琴古流ではツの中メリ)は特殊音符の中では比較的出しやすい音ですから補助穴の必要性を感じません。
珍品尺八 [尺八改造]
ネットサーフィンをしていたらtamaさんのホームページに行き当たりまして、そこの「尺八と音楽と絵」というサイトに珍しい形の尺八が紹介されていました。
http://www.geocities.jp/shaku8tm/sakuhin.html 珍品 作品 第2弾
内訳は
・木管尺八(木を刳り貫いたもの)
・古管尺八(古民家から出てきた煤竹で作った尺八)
・布袋竹尺八(布袋竹は高級和釣竿の材料にも使われる)
・漆塗り尺八
・四角い尺八
・プラスチック尺八「悠」のカラーリング
・孟宗竹の看板
などです。
reizanが特に興味を持ったのは、「木をくり貫いた木管尺八」 と「四角い尺八」です。
竹の場合は節を貫いてやれば縦穴が通りますが、木の場合はドリルで穴を作っていかなければならないので結構難しいと思います。穴の開け始めは簡単ですが、ねらい通りの位置をドリルが貫通してくれるとは限りません。
出来上がりの写真を見ると、本来、竹で作るものを木で作っただけのように見えますが、かなり難易度は高いと見受けました。
四角い尺八というのは四角いスイカのような作り方でしょうか。竹が若い時から四角い金枠で囲んでおき、十分に成長したら金枠をばらして四角い竹を得る、という方法が考えられます。
この場合に竹の縦穴は丸になるのでしょうか、四角になるのでしょうか。
この二つはどちらもreizanの浅知恵では作り方がわからないだけにたいへん興味を惹かれました。
「オークラウロ」という楽器 [尺八改造]
「オークラウロ」の構造は、唄口が尺八で指孔の部分はフルートのキーメカニズムというものです。
http://www.shukokan.org/collection/index.html#link02 大倉集古館
この音色をお聴かせしたいと思って検索したらYouTubeにありました。
http://www.youtube.com/watch?v=3QD-AXRRWUE 「ろまん灯篭」(オークラウロ+ピアノ)
フルートよりも野太い音(フルートの管径19mm、オークラウロは21mm)と息によるビブラートでなく首振りによるユリが聴けます。この楽器はフルートのキー操作では難しいポルタメントも尺八のメリ・カリの技法で簡単にできます。
reizanも吹いてみたい気がしますが、金属製の特注品でとても高価なものだそうです。
尺八改造にプラリペア [尺八改造]
そして演奏に一番影響がある違いが太さと形状です。フルートはメーカーやシリーズによって若干の違いはあっても尺八に比べたらほとんど同じに見えます。
尺八の場合は天然の真竹を使っていますから、太さも同じ楽器と思えないぐらい違いがあります。さらに、唄口の深さや角度、それから顎当たりという演奏に大きく影響する部分は製管師と呼ばれる製作者の方の考えで違っています。
だから自分に合う尺八を見つけるのは大変なことです。大抵はそこそこ合うものを見つけたら、吹き込んで吹き込んで自分を尺八に合わせていくケースが多いようです。
でも一部にはreizanのように、そんなことをしていたら死ぬまでに間に合わないと思う人は尺八を改造しています。
改造といっても内部には手を出しません。内部は同じ直径ではなく、砥の粉と漆で管内の径が微妙に調整されています。
だから尺八らしい倍音をたくさん含んだ音が出せるのです。(上から下まで直径が同じ塩ビ管の場合はリコーダーのような音になります。reizanは塩ビ管でも倍音を出せる技(途中をつぶすのではありません)を見つけましたが内緒です。)
唄口もさわりません。調整するのは指孔の表面に近いところと顎当たりです。
顎当たりを削る場合は削る道具があればよいのですが、盛り上げる場合はそのための部材が必要になります。
良く使われているのは、瞬間接着剤を塗ってその上から柘植の粉や竹の粉を振りかけるという方法です。
他に、建築関係に使われている穴埋め用のコーキング材を使うこともあります。コーキング剤が固まったら余分なところを削ってニスを塗るというやり方です。
しかし、コーキング剤は竹に強力に固定されている訳ではありませんので長年使っているとポロッと取れてしまうことがあります。
これに変わる良いものがないかと気にかけていたのですが、ありました。
それが「プラリペア」です。
例えば、冷蔵庫の棚板が割れたり欠けたりしたときに使えるのがプラリペアです。
アクリルの粉と接着剤を混ぜて硬化させるもので、固まるとアクリルになります。
http://www.plarepair.net/kihon-01.htm プラリペアの基本的な使い方
これを、知り合いのアマチュア製管師の方に紹介したら、早速購入して試してくれました。
しっかり固着して取れないし加工も可能なので木工用コーキング剤よりも良いとのことでした。
ただ一つの欠点は値段が高いことです。アクリルの粉と接着剤のセットで千数百円のものでアクリルの粉が5gしか入っていません。木工用コーキング剤と比べると宝石のように高いです。
reizanの尺八は満身創痍 [尺八改造]
最初は洋楽の方で440よりも442の方が音に輝きが出るというので442派が増えてきましたが、今では箏の先生も442で合わせる先生が多くなってきました。
440の竹でも浮り吹きをすればA=442にすることはできるのですが音程を安定させるのが大変難しくなります。
だから最近は442の竹を使うことが多いのですが、これが最初買ったときはすべての指孔の位置が悪くて音程が違っていました。
それをプロの製管師の方に頼んで直してもらったのですが、
《プロ》
《アマチュア》
二つの修理後を見比べますと、プロは樹脂で孔を埋めていますが、知り合いは竹の駒(円盤)を埋めています。
樹脂の場合は、竹の中に樹脂とくっつかない材質の芯材を入れて指孔に樹脂を充填するから、適切な材質さえ間違えなければ簡単です。
ところが、竹の駒(円盤)作ってを指孔に埋め込むというのは結構難しいと思います。駒の厚みは竹の厚みと同じでなければなりません。そうしないと内部に突起や窪みができてしまいます。
内部を覗いたらフラットになっていたので先ずそのことに感心しました。
次に、丸い駒を作るのが大変だということに気づきました。
考えてみてください。竹にドリルで孔を開けるのは工具さえあれば簡単です。でも、竹からφ10の駒(円盤)を作り出すのて相当難しそうです。どんな工具でどうやったのか謎です。
尺八アダプター [尺八改造]
その尺八が吹く人の顎・唇の形にフィットしていれば薄く息を吐くだけで鳴るというのがreizanの持論です。でも、実際にフィットする尺八と出会うこと自体が砂浜で胡麻粒を探すぐらい難しいことです。
それで気の短い人は自分を竹に合わせるのではなく、尺八を加工して自分に合わせます。reizanは尺八を加工するタイプです。
だから尺八の加工に関しては常に意識の底にアンテナをはっているのですが、今月受け取った所属流派の会報に、東京に居た時にお世話になった先輩の先生が尺八アダプターに関する投稿をされていました。
学校ボランティアで尺八吹奏の体験をしてもらったときに必ず音が出ない人がいます。それがかわいそうだからアダプターを使って取りあえず音が出せるようにしましょうというアイデアです。
市販品にこんな尺八アダプターがありますが、これだとメリもカリもできないリコーダーになってしまいます。
アダプターの材料は牛乳パックの紙で、型紙も紹介されていました。
こういうのはすぐにやってみる派ですから、資源ごみに出すために溜まっている牛乳パックでチャレンジしてみました。
紙面が限られているため詳細の説明はなく、紙を切った後の組み立て方に不明なところがありましたが、ここはこうかなと思うとおりに組み立ててみました。だから原作者のアイデアとは別物になっているかもしれません。
尺八「唄口」考 [尺八改造]
どんな会になるのか誰も分からない状態でとにかくスタートしたというのが実情です。
他人の勧める音源は大概聴きたくないものが多いからつまらないだろうと思って、reizanは尺八の唄口について研究したことを喋らせていただきました。
尺八演奏において先ず音が鳴らなくては話になりません。尺八は鳴らしにくい楽器だというのが世間の評価です。
でもその世界に入ってみると尺八ほど鳴らしやすい楽器はないこと気づきました。
それは何故かというと尺八の太さがまちまちだからです。これはデメリットでもありますが大きなメリットでもあります。
自然の竹(真竹)を使っていますから一本いっぽんの太さが違うのは当然です。それがフルートの場合ですと、同じ品番の物は頭部管やリッププレートのサイズが全く同じです。
人の唇や顎の形が千差万別なのに楽器の形が選べないとなると、あとは人の方が合わせていくしかありません。
ところが尺八の場合はいろんな太さの尺八がありますから、その中から自分に合うのを選べばいい訳です。自分にぴったりの楽器が選べる余地があるのはフルートではなく尺八の方なのです。
自分なりに良い尺八の定義を考えてみました。
良い尺八とは、自分の腕力にあった重さで、自然に構えて息を吐いたらそれだけで芯のある音が鳴ってくれて、特別な動作(息の方向を変えるとか、唄口の位置を変えるなど)をしなくても息の速度を変えるだけでスムーズに甲乙(オクターブ)の切り替えができるもので、且、音程が正しいもの
ただし、尺八を売っている店は少なくなりましたし、一度にたくさんの尺八と接することができるのは製管師が開催する展示即売会の時ぐらいです。
だから自分にぴったりフィットする尺八は世の中にあるはずだけど、それに出会う確率となるとすごく低くなるはずです。
若しかしたら砂場で胡麻の一粒を探すぐらいかもしれません。それも胡麻粒があるのはまだ見ていない隣の砂場だったりということもあるわけです。
そんな数少ない展示即売会等の機会でも、自分に合う尺八の判断基準を持って臨めば、自分に最適な尺八があったときにそれを見つけることができます。
そういうときに役立ててもらえればと思って臆面もなくつたない発表をさせてもらいました。(実は、40年ぐらい尺八製管をされている尺八の大先輩も来ておられたので冷や汗ものでした。)
次の配布資料は自分で作りました。これまでの研究成果がほぼ網羅されています。
指孔の位置を変えます [尺八改造]
乾燥で割れた時は湿度の高いところに置いておくと竹が水分を吸収して膨れます。やがて傷口が密着しますのでまわりを籐で縛ってやるのが一般的です。
尺八のなかには管尻に根の付いているものがありますが、自然の竹ですから必ずしも美的に付いているとは限りません。そういう時には適当なサイズの根を接着剤で貼り付けたりします。
指孔も、一度開けたらどうしようもないということはありません。孔の位置が悪かったと思えば一度埋め戻して新たな孔を開ければよいのです。
埋め戻しの材料としては樹脂や竹が使われます。
reizanの愛管は満身創痍で五つの指孔の位置を全部修整しています。理由は音程が狂っていたからです。
ところが、最近、問題はそれだけでないことに気づきました。歌口のセンターから管尻向かって真っ直ぐに糸を張ったら指孔が芯からかなりずれていたのです。
表の四つの孔は、幸いなことにreizanの唇の傾きに対応する結果になっていたので良かったのですが、五孔(裏孔)だけが運指し辛い位置になっていました。
「ハハハハ」とか「チチチチ」が人並みに切れよく演奏できず誤魔化して吹いていたのですが、五孔の位置が少し変われば指の動きが軽くなることを発見しました。
その設計図がこれです。右に3mm、上に2mm移動させます。
やっぱり指孔の位置がおかしかった [尺八改造]
一か月ほど前に「指孔の位置を変えます」と記事を投稿しました。尺八を演奏するときに速い運指が出来なかったのは指孔の位置が悪かったからで、指孔の位置を変えれば速くできることがわかったので変えますという内容でした。
いつも修理をお願いしている方が陶芸のほうで忙しくてまだお目にかかれていないため尺八は現状のままです。
仕方なくそのまま練習していますが、ある日、尺八の管内を覗いたら光線の加減が良くて、指孔から内部に光が射しこんでいました。
歌口(管頭のエッジの部分)に対してどういう位置で孔が開けられているか、外側から見ていてはわからなかったことがはっきり見えました。
指孔の直径 [尺八改造]
キーを使うと普通では届かないような位置の孔まで開閉できて便利ですがその分構造が複雑になります。その点尺八は真竹の節を抜いて表に四つ、裏に一つの孔をあけているだけですから構造は至ってシンプルです。
ところで、伝統芸能の稽古を始める時期について「6歳の6月6日から始めると上達する」というのがあります。ピアノやヴァイオリンの場合はもっと早くて3歳ぐらいから始められているようです。
尺八の場合はそういう人はいません。尺八演奏家の藤原道山さんは小学4年のころから稽古されていたと聞きますが例外中の例外です。
プロの尺八演奏家のなかには大学に入ってクラブやサークルで始めましたという方が何人もいらっしゃいます。
数年或いは10数年でプロになってしまえるのですから、案外効率の良い楽器といえます。
なぜ稽古を始める年齢が遅いかというと、それは指孔を完全に塞げるようにならないと演奏できないからです。
指孔の間隔は長管ほど広く、単管ほど狭くなります。1尺8寸管よりも1尺6寸管の方が指孔の間隔が短くなるということです。
reizanは1尺4寸管から2尺1寸管まで(1尺5寸管だけ塩ビ管)持っていますが、2尺1寸管は表の孔を直線上に配置すると第1孔が塞げないため少しずらしています。
短ければ指孔に届きやすいのですが、行き過ぎると指同士が干渉して操作できなくなるため短管は1尺3寸管が限度と言われています。
reizanがアドバイスしている方の中に手のサイズが小学生並みの高齢者の方がいらっしゃいます。指の長さが短いreizanよりもさらに中指で1㎝ぐらい短いからかなり厳しい状況です。
さらに指の可動範囲が狭くて、特に第3孔の下にすき間ができやすく、そうなると甲高い異音が出てまともな音程で鳴らすことができません。
苦肉の策として第3孔の孔位置をずらして練習していただいていましたが、だんだん慣れてきて最初の位置でもいけそうになったので孔位置を元に戻していただきました。
しかし完全に塞ぐ動作はちょっと無理をしている状態なので、気を抜くとすぐに第3孔の下にすき間が出来てしまいます。
また、孔位置をずらすのもどうかなと思ったのでずっと考えていました。そして閃いたのが孔の径を小さくするということです。
尺八の標準的な指孔径は10ミリです。指孔径が大きくなるほど音の抜けが良く鳴りますから、音量重視の人は穴径を11ミリにすることがあります。
ということは、逆に孔径を小さくずれば音の抜けは悪くなるけど孔の下の方が塞がれます。
10ミリを9ミリにした場合、下の方が1ミリ塞がれます。(孔の中心を変えなければ周囲の0.5ミリが塞がれる計算になりますが、それでは音程が変わってしまうから孔の頂点の位置は変えません。)
その理屈をご説明して、ご本人が納得の上で孔径を変えていただきました。(下の孔)
尺八の指孔 [尺八改造]
その指孔はどれも同じように見えますが、作った年代や流派の違いで指孔の位置が微妙に違っていることがあります。それだと各々が出す音の音程が違いそうですが、尺八というのは同じ運指をしていても歌口(エアリード)と唇の間の開口面積を変えることで半音ぐらいはアナログで楽に変えることができる(ちょっと頑張れば1音から1音半までかえられる)ので、自分で音程を作りながら合わせます。
だから、一人で尺八を吹いている分には何も問題はないのですが、合奏するようになると正しい音程で吹けない人は辛くなります。
頻繁に出てくる音で音程が取りにくいのはツの半音(琴古流ではツの大メリ)です。尺八を習い始めてツの半音が出てきたころはいつも音程が高過ぎると注意されていました。
その時は師匠が吹く音と自分の音の高さの違いがよくわかりませんでした。しかし、長年吹き続けているとツの半音が正しく出ているかどうかを聴き分けられるようになりました。(reizanの場合は何年もかかりましたが音感の良い人だったら半年で理解できるだろうと思います。)
ところで尺八の指孔の径にもいろいろあるということをご存知ですか。
現在の標準は直径10ミリですが、11ミリというのもあります。指孔を大きくするメリットは音の抜けが良くなるという点です。
反対に1ミリ小さくした9ミリというのもあります。当然音の抜けは悪くなりますから少しこもったような音になります。どういうときに使うかというと指が細くて標準の指孔が塞げない時に使います。(古い琴古流の竹の場合に、第三孔だけ9ミリにするというのもありました。)
reizanが所属する民謡尺八サークルのメンバーに、指が短くて・細くて・肉付きの少ない方がいらっしゃいます。
この方の尺八は琴古流で10ミリの指孔です。ご本人はちゃんと指孔を閉じているつもりでも第三孔の下部にすき間ができてしまいます。
この状態でロ(D音)やツ(F音)吹こうとするとキーンとするような噪音になってしまいます。
レ(G音)の場合ですと噪音にはなりませんがチの半音(G#・A♭)とレのあいだの音になってしまいます。
苦肉の策として、尺八製管のできる方に10ミリの孔を9ミリに変えていただきました。結果、大分良くなったのですが、ちょっと気を抜くとすき間ができてしまいます。
そこで、自作の塩ビ管尺八を使って、もっと指孔を小さくしたらどうかという実験をしてみました。
養生テープに2穴パンチで穴を開けて、尺八の指孔の上に貼るという方法です。
貼る位置は指孔の上端とパンチ穴の上端を合わせるようにしました。(音程は指孔の面積ではなく、歌口から指孔の上端までの長さで決まるから。)
今度お会いした時にこの方法を試していただこうと思います。
歌口の保護 [尺八改造]
サイズは、4.5とか5のように番号で表示され数種類があるのですが、竹のサイズはまちまちですからピッタリといかずに少しゆるいけど我慢しなければならないということもあります。
それよりもっと大きな問題は、店に尺八を持っていって合せないといけないということです。東京の「目白」(尺八・篠笛などの専門店)まで往復すると数千円の交通費がかかってしまいます。キャップ1個入手するのに凄いコストがかかってしまいます。
こちらは形が変わるので合わせやすいかもしれませんがreizanは持っていません。
また、管頭の内径が2㎝ぐらいということに着目して、まったく別のもので代用することができます。
材料は、電工用の「ツバ管」と「糊付のコルク板」です。
吹きにくそうな尺八 [尺八改造]
どこが不思議かというと、歌口(エア・リード)が向こう側にあります。
これを吹こうとすると6つの指孔が身体の腹側になるため、手のひらを裏返して変な体勢で持たなければなりません。(実際にできるかどうか想像もつきません。)
尺八のことをよく知らない人が中継ぎのところを180度間違えて差し込むとこんな形になります。
ほかの写真を見ていたら原因がわかりました。
ここからはreizanの想像ですが、この尺八には兄弟がいると思います。
何人(本)兄弟かは分かりませんが頭(頭部管)のない兄弟がいるはずです。
reizanのように三曲の尺八を吹く人は1尺8寸管と1尺6寸管を持つのが普通ですし、民謡や詩吟の伴奏をする人は長さ違いで最低5本以上の尺八を持っています。
尺八は真竹という自然のもので作られていますから一本一本の太さや節の形が違います。
だから、自分の口や顎の形に合う尺八を見つけるのはなかなか大変です。
それが中継ぎを二か所にした理由だろうと思います。
竹製リーフレック風 [尺八改造]
最も安定するのは、留め具の玉を真裏にしてリーフレックを手とは反対の側面に固定することです。これで支障なく演奏できるのですが、側面のリーフレックは客席からまる見えですからよろしくありません。
そこで、竹でリーフレックもどきを作ってみたらどうだろうかと考えました。
使う材料は、吹く人に合う管頭の径を調べるために作ってもらった管頭サンプルの中から、ほとんど使うことのない太いものを流用しました。
鑿で適当な幅に割って、中継ぎの籐を巻いた部分をかわすために長さ30㎜の窪みを削りました。(写真は2個分です。滅多に使うことのない一分鑿が役に立ちました。)
そして、左右に15㎜ずつの接触部を確保して切り分けました。
塩ビ管と尺八の太さ [尺八改造]
最終的には尺八に紙ヤスリか布やすりを当て、そこで補助具の接触面をこすって形を合わせるのですが、大切な尺八の上でそんな作業をする時間はできるだけ短くしたいと思って、円柱形の形をしたもので他に代用できるものがないか探してみました。
そして見つけたのが塩ビ管です。
一つはVP25です。内径が25㎜の塩ビ管ということです。これに塩ビの厚み3㎜×2が加わって外径は31㎜になります。
もう一つは片側がVP25用の異形ソケットです。こちらは内径が31㎜ですから外径は37㎜になります。
写真の尺八の場合、上管の外径が33~34㎜、下管が35~36㎜ですから、塩ビ管を使って接触面を下削りして、最後に尺八に合わせて仕上げの削りをすれば良いことを見つけました。
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