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「歌い手のキーに最適な尺八を選ぶための一覧表」を作ってみました [音楽理論]

人の歌声のキーは半音を含む「ド」から「シ」までのどれかに区分できますから、歌うときのキーの数は全部で12です。この12のキーに対応して尺八伴奏をするとき、一番単純な方法はそれぞれのキーに合う長さの違う尺八を12本持つことです。例えば、正律管で1尺2寸管から2尺3寸管まで1寸きざみの尺八を持つと12のキーに完全に対応できます。

しかし、実際にこんなことをしている人はほとんどいません。楽譜のほうを移調して合わせます。では、1本の尺八ですべてのキーに対応できるかというと、運指のやりにくさが伴うのでそれは無理です。(詳細は後述します。興味のある方はご覧ください。)

一般的なのは、尺八の筒音を主音とする「ロ調子」と、その5律下(7律上)の「チ調子」で対応する方法です。二つの調子の差が6律だったら最低の6本で全てのキーをカバーできますが、5(7)律差では2本の尺八で「ロ調子」と「チ調子」が同じ高さの音になるケースがでてきますから7本の尺八が必要になります。

saiteki shakuhachi.jpg

それを一覧できるようにしたのが上の表(クリックで拡大)です。表の見方は、例えば、歌い手のキーが六本(D音)の場合、「六本」の行を右に見ていき、一番吹きやすい「ロ調子」を表す「ロ」から上にたどって「1尺8寸」管が良いというふうに見ます。

本数の「一本」の下は「水一本(みずいっぽん)」から順に数が増えていきます。負の数字の表し方と同じです。なお、キーの数は12ですから男性の低い声の「水一本」と女性の高い声の「十二本」はオクターブ違いの同じ音になります。

7本の尺八と言いながら表は8本の尺八になっています。両端のどちらか片方は無視していただいて結構です。2尺1寸から7本を揃えると、現代曲に多い2尺1寸管と1尺8寸管の合奏曲が楽しめますので三曲系の人はこちらが良いと思います。一方、指の短い人は1尺4寸管から7本を揃えたほうが運指が楽です。そういうことも考えて表を作りました。

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ここからは日本民謡の音階に関する話です。ネタ元として「演奏家のための 日本音楽の理論と実践」を参考にさせていただきました。これはNHK邦楽技能者育成会で使われていたテキストをまとめたものでA4版400ページもあります。市販はされていないようです。発行されたときに、ある団体を通じて有償で入手したと記憶しています。

003.JPG

日本音楽の音階は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7音音階ではなく、5音音階です。そのパターンはいくつかありますが共通する特徴は、オクターブを見るとその中に、完全四度が2つあってその間に長2度を挟んでいることです。これを律差で書くと「5・2・5」です。

律(半音)の差が5になっている場合が完全四度で、律差が2のときが長2度です。日本音楽の音階は、1音目と3音目の間が完全四度で、3音目と4音目の間が長2度、4音目と1音目のオクターブ上の間が完全四度になっています。これは日本音楽全体に共通です。

しかし、沖縄民謡とそれ以外の民謡はちょっと聴いただけで違うことが分かります。それは2音目と5音目の位置がそれぞれ異なっているのです。

沖縄民謡では1音目と2音目と3音目の律差が「4・1」、4音目と5音目と1音目のオクターブ上の律差も同じく「4・1」です。あいだに長2度を挟むと「4・1・2・4・1」になります。この律差の一例を挙げてみますと、「ド・ミ・ファ・ソ・シ」の音だけを使って曲を作ると沖縄っぽくなります。

沖縄以外の民謡音階は律差でいうと「3・2・2・3・2」です。これを尺八のロツレチで表すと五音音階は、

「ロ」が主音のとき、「ロ・ツ・レ・チ・ハ」(特殊音符なし)

「チ」が主音のとき、「チ・ハ・ロ・ツ・レ」(半音下げの特殊音符が一つ)

「レ」が主音のとき、「レ・・ハ・ロ・ツ」(一音下げの特殊音符が一つ)

「ハ」が主音のとき、「ハ・・ツ・レ・」(特殊音符が二つ)

ツ」が主音のとき、「ツ・レ・チ・ハ・ロ」(特殊音符が二つ)

「ツ」が主音のとき、「ツ・・ハ・」(特殊音符が三つ)

演奏しやすい順はというと、「1.ロ調子、2.チ調子、3.レ調子、4.ハ調子、5.ツ調子、6.ツ調子」になります。なかでもロ調子、チ調子の運指が特に楽です。逆にツ調子では絶対にやりたくないです。

だから上の一覧表では、「ロ調子」と「チ調子」だけで何本の尺八がいるかということを考えましたが、「レ調子」や「ハ調子」も使うようにすればもっと本数を減らすことができます。



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