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初めての編曲 [音楽の勉強]

趣味の尺八サークルで週一回合奏練習をしていますが、本年度中に数回舞台に立つ機会があり曲目も決まっています。
その中の1曲、「花(滝廉太郎作曲)」は素敵なアレンジですが演奏時間が1分しかありません。

そこで暇なreizanが、春に相応しい曲2曲を足して「春のメドレー」と題してメドレーにすることになりました。曲数を増やして時間を稼ごうということです。

初めてのアレンジですから思った以上に時間がかかりましたがようやく五線譜とMIDI音源が出来上がりました。 

アレンジにあたって注意したのは次の点です。

  • 最後まで伴奏だけというパートを作らないように、各パートに旋律を振り分ける。
  • 伴奏のパートもできるだけ旋律のように吹きやすくする。
五線譜はこんな感じです。

春のメドレー_0001 パノラマ写真.jpg
《写真クリックで拡大、「←」クリックで戻る》

これをMIDIで演奏すると次のようになります。



あとは、これを琴古流と都山流の縦譜に書き直す作業が残っていますがそれは簡単です。出来上がったらブログにアップしようと思います。

 
なお、編曲にあたって「やさしく歌える無伴奏コーラス・セレクション」(大田桜子編曲、ヤマハミュージックメディア)を参考にさせていただきました。目次はここ



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不思議なリズム [音楽の勉強]

reizanが所属している趣味の尺八サークルには正規の師匠に付いたことのない人がほとんどです。その為、リズムが取れない、音程が取れないという方がおられますので、今年度から、4名の方がreizanと一緒にリズムのとり方の勉強をしています。

一応、テキストは琴古流でも都山流でも対応できる「尺八入門」(田嶋直士著)を使っていますが、

尺八入門.jpg

時々、手作りの簡単な譜を作ることがあります。(タテ線は1拍を表します。タテ線のみの箇所は前の音をその拍分だけ延ばします。)

不思議なリズム.jpg

「A」と「B」の譜はそれぞれ9小節のまとまりになっています。初心者の人には難しいかもしれませんが5年後、10年後にでも理解できれば良いかなと思って、こういうのもありますという例示のつもりで取り上げています。

「A」は、四分の三拍子ですが、5小節目からは吹いていると自然に四分の二拍子のように聞こえてきます。
「B」は、四分の四拍子ですが、5小節目からは吹いていると自然に四分の三拍子のように聞こえてきます。

ところが、各小節の一拍目の音を強拍と意識して、その音にアクセントを付けて吹くとまったく違う印象になります。

どちらが正しいかというと、楽理的には後者のほうでしょうが、実際には、3/4だと思って聴いていたらいつの間にか2/4になっていたとか、4/4だと思って聴いていたらいつの間にか3/4になっていたという不思議さを作曲者がねらっていることが多いので、前者の吹き方の方が無難なようです。

それに、後者の吹き方をすると吹いている本人も居心地の悪さを感じます。
本当は5小節目から拍子の書き方を改めるべきなのでしょうけど、そういう書き方をしていない例は市販の音譜の中にもあります。


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合唱も合奏も上手い人に合わせるのがコツ [音楽の勉強]

ネットサーフィンをしていたら「CANTUS ANIMAE(カントゥス アニメ)」という合唱団の動画がありました。
曲は谷川俊太郎作詞、堀内貴晃作曲の「混声合唱と打楽器のための みみをすます」です。
reizanは2004年11月28日に生初演を聴きました。純正律のハーモニーとパーカッションが印象的な曲でした。
その後も2回、同じ合唱団で聴いています。動画が何回目の演奏会かはわかりません。

http://www.dailymotion.com/video/x9gfc9_yyyyyy-cantus-animae_music#.UMvwKeR1GSp みみをすます CUNTUS ANIMAE

この合唱を聴いたときに、ソプラノの一人とバスの一人の声が目立って聞こえていたので、よく知っている団員の人に訊いたらこんな答えが返ってきました。
「お二人はダントツに上手い人で、周りの人はこの二人に音程、声質を合わせるようにしていて、しかも声量は二人を超えないように注意している。」
パートごとに一人の人が歌っているように聞こえるのが理想だそうです。

動画に写っている当時のCANTUS ANKMAEの団員は28名ですので全日本合唱コンクールでは32名以下の一般Aグループに出場していましたが、現在の団員数は50名以上になって一般Bグループだそうです。

少人数の時は声が揃っていたのに増員に伴って一旦レベルが落ちましたが、2012年11月25日に富山市で開催された第65回全日本合唱コンクール全国大会一般Bグループでは金賞・富山県知事賞を受賞しましたのでレベルが戻ったようです。
知っている人がいるので応援していきたい合唱団です。

そういえば尺八の演奏でも1本に聞こえるようにということを念頭に演奏していました。
大勢で箏・三絃・尺八の三曲演奏をするときには尺八も複数になります。そのときに10人が吹いたとして10人が吹いているように聞こえるではダメです。箏・三絃・尺八をそれぞれ一人ずつで演奏しているように揃っていて音量だけが10人分に聞こえるのが良いとされています。

次の音源の尺八は何本に聞こえますか。多分、2本に聞こえると思います。
実際の尺八は3名です。1本に聞こえるようにまとまるのはなかなか大変です。お互いの気心がしれているというのも大切な要素みたいです。





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改めて、スーザン・ボイルさんは凄い [音楽の勉強]

reizanは歌唱力を見抜く能力に長けていませんので歌手の方の歌を別々に聴くと優劣が判然としません。
だから、それぞれの歌手の方のCDの中から同じ曲を集めてオムニバスのプライベートCDを作り、それを聴いてだれが本物かを見極めています。姑息な手段ではありますがこうすると本当によくわかります。

最近、ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」の予告編がテレビから流れていますが、そこで歌われている曲は、あの人がイギリスの才能発掘番組で歌ってスーザンボイルさんが有名になる切っ掛けとなった曲です。曲名は「夢やぶれて」です。

そうなると比較したくなるのが凡人のサガです。

映画のアン・ハサウェイさんの歌唱はこの予告編のものが録音が良いようです。(ページの中ほどに動画があります。)

http://www.tvgroove.com/news/article/ctg/5/nid/7372.html 「レ・ミゼラブル」予告篇

そして、スーザン・ボイルさんのはこれが完全版と謳われています。

https://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0 スーザン・ボイル【完全版】

アンさんのは映画の場面の感情がこもっているので歌唱だけを聴くと力んでいるような気がします。スーザンさんの方は深刻さは控えめにして歌の上手さを前面に出しているようです。本当に良い声だなと思います。

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「木曽節」のピアノ譜を箏譜に直しています [音楽の勉強]

趣味の民謡尺八サークルでは、次年度に取り上げる曲の検討に入っています。

今わかっている2013年度の予定は次のとおりです。
  •  6月 : 特養施設訪問ボランティア
  •  9月 : 市民センター芸能大会、某地区の敬老会
  • 11月 : 文化祭吟詠発表会、某寺院のお会式、某詩吟団体の30周年記念の集い
  •  2月 : 吟詠発表会、市民センターふれあい祭り
民謡尺八のグループですから全ての曲に尺八が関わるのですが、箏で加入している女性がおられて箏と合奏できる曲も準備しなければなりません。

reizanの手持ちの五線楽譜(主にフルートとピアノの合奏曲)から100曲ほどリストアップして選んでもらった結果、「木曽節」のリクエストがありました。それでピアノ譜を箏譜に直す作業をしています。

木曽節4.jpg
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フルートの譜を尺八譜に直すのは簡単なことですが、ピアノ譜を箏譜に直すのはちょっと手間がかかります。
箏は調絃(13本の絃の音の高さを決める)をしなければなりません。それに音数が多くなりますから大変です。

先ずは、音高のチェック表を作り、ピアノ譜の全ての音符を順に書き出していきます。(要領は、昔の小学校の級長選挙の票読みの要領です。)

木曽節.jpg
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最低音から最高音までの音名を縦に並べて書き、写し間違いを防止するため、その左にはト音記号とヘ音記号の五線の位置がわかるようにしています。

あとは五線譜の最初から見ていき、一音ずつ該当する欄に線を引いて正の字を書いていきます。
正の字が多い順に出現頻度が高いわけですからこの音が弾けるように調絃していきます。

しかし、ここで問題が起こりました。箏の絃は13本ですが正の字の多いところはそれ以上にあります。
1音半までの高さは押手(おして)という手法を使えば必要な音の高さを得られますので、これが使えるところは使います。
ただし、一絃や二絃の押手は膝立ちをして遠くを押さえなければなりませんから頻繁には使えません。

そういうことを踏まえて、一応の調絃案を作ってみました。

木曽節2.jpg
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○印が調絃する音です。×印はあきらめます。△印は押手で対応します。

ここまでで五線譜から箏譜への書き換えはできますが、更に、こういうメモを作ります。

木曽節3.jpg

 

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五線譜と、このメモを見ながら絃の番号を確認して縦譜の該当箇所に書いていきます。

木曽節5.jpg
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今まさにこの作業をしているところですが、作業が終わったら譜のとおりに音を出してみます。(reizanは、パソコンの楽譜ソフトを使って打ち込みをして、それを再生して確認します。)

さらにその後の作業としては、音楽として聴けるかどうかの確認・調整と、ひとの手で弾けるかどうか(例えば、七が押手で、一・七・巾を同時に弾くというのは絶対に不可能です。指が届きません。)のチェックなどがあります。 

 




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箏の「平調子」と詩吟の音階が同じという不思議 [音楽の勉強]

趣味の民謡尺八サークルの方針に沿って詩吟伴奏の勉強をしていますが、先ずは実際に使われる音と使われない音を区別しようと思って自分のために「詩吟伴奏尺八音階表」(琴古流)を作りました。

詩吟音階表1 パノラマ写真.jpg
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詩吟はいわゆる五音音階ですから、この表の縦一列に書かれている音符だけが使われます。
本数(声の高さ)と調子さえ決まれば使われている音が決まります。

例えば、声の高さが6本の人の伴奏をするときは、宮音が「D」になりますから、1尺8寸管の尺八でロ調子で伴奏すれば合います。(1尺6寸管のリ調子でも合いますが、ロ調子で吹ける尺八があるのにわざわざ他の長さを選ぶというそんな面倒な選択をする人はほとんどいません。)

(声の本数と宮音の関係:「水4本=F」「水3本=F#・G♭」「水2本=G」「水1本=G#・A♭」「1本=A」「2本=A#・B♭」「3本=B」「4本=C」「5本=C#・D♭」「6本=D」「7本=D#・E♭」「8本=E」「9本=F」「10本=F#・G♭」です。)

声の高さが1本の人の伴奏は宮音が「A」になります。表の中で宮音が「A」というのが二つあります。1尺6寸管のレ調子と1尺8寸管のチ調子です。どちらでも合わせられますが、一般的にはチ調子の方を優先します。なぜなら、レ調子の場合は、低音部の角音がロの大メリになるからです。

尺八の指孔を全部塞いだら「ロ」(=D音)ですが、ロの大メリ(=C音)は、顎を引いて歌口と唇を近づけて「ロ」よりも更に2律(1音)低い音を出さなければなりません。実際に吹いた音はほとんど聞こえません。はっきり聞こえたとすればそれは正しいところまで律が下がっていません。

ところで、この表を作っていて気がついたのですが、箏の「平調子」と詩吟で使われる音階は同じでした。一つだけ抜けている商音のところも同じというのは何という偶然でしょう。これを見つけたときは本当に嬉しかったですが三曲関係者以外にはちんぷんかんぷんの話かもしれません。

そこのところツボをできるだけわかりやすく説明させていただきますのでよかったらお付き合いください。

日本の音階は五音音階と言われています。これには陰と陽の二つの旋法(短調と長調みたいなもの)があって、陽旋法は民謡などに多く使われています。三曲の場合は陰旋法が使われます。

陰旋法は、宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・緻(ち)・羽(う)、の五音から成っています。それぞれの律差は、宮・(1律差)・商・(4律差)・角・(2律差)・緻・(1律差)・羽、です。

箏の「平調子」の音の並びをドレミの階名で言い表すときは、「ミ・ラ・シ・ド・ミ・ファ・ラ・シ・ド・ミ・ファ・ラ・シ」の間隔で並んでいます。一の絃を「E」でとれば13本の絃の階名はそのままですが、「D」を一の絃に取れば「レ・ソ・ラ・シ♭・レ・ミ♭・レ・ラ・シ♭・レ・ミ♭・レ・ラ」となります。半音が入ると覚えにくいし説明しにくいので、代表例としては半音を含まない「ミ・ラ・シ・・・」と表現します。

ところで、「ミ・ラ・シ・・・」の最初のところで「ミ」と「ラ」の間の「ファ」が抜けています。ずっと不思議に思っていましたが未だに理由はわかりません。
ただ、今回、詩吟の各調子で使われている音を調べていたら、箏の平調子の一絃から十絃までと全く同じだということがわかりました。

上の表で、箏の平調子と1尺6寸管のロ調子を比較していただくのが一番わかりやすいと思います。箏の一絃から十絃までと完全に対応しています。低音部にあるはずの商音の「ファ」が抜けているのも同じです。

ということは、箏の一絃を吟者の声の本数に合わせて平調子に調絃すれば詩吟の伴奏ができるはずです。「詩吟伴奏尺八音階表」を作っていたらそんなことがわかりました。


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甘い玉子焼きに「青のり」が合う [音楽の勉強]

ちょと前まで、だし巻き玉子にナンプラーを入れていましたが、これがなくなってから秘密の調味料を「しょっつる」に切り替えました。

しょっつる以外は前のとおりに作ったらちょっと甘ったるい味になりました。それで、ケチャップをなくし、砂糖の量を半分にしてみましたが、味が落ちたような気がします。

そこで、ケチャップと砂糖の量は元に戻し、もう一味加えてみることにしました。それが「青のり」です。
青のりを載せただけですが見違えるように美味しくなりました。

foodpic3327383.jpg

材料は次のようになります。
  • 卵       2個
  • しょっつる  小さじ0.5
  • 白だし    小さじ1
  • 本味醂    小さじ1
  • 日本酒    小さじ1
  • ケチャップ  小さじ1
  • 砂糖     小さじ2
  • 片栗粉    小さじ1
  • 水       大さじ4
  • 青のり    少々


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三連符は均等割のはずですが [音楽の勉強]

趣味の民謡尺八サークルでの話です。

箏との合奏曲をやることになりましたが琴古流の譜がないので、いつものとおりreizanが都山譜から琴古譜への書き直しを引き受けました。

この曲は四分の二拍子で始まって途中に八分の六拍子があって、また四分の二拍子に戻ります。八分の六拍子は四分の二拍子から派生した変拍子ですから八分の六拍子の部分を四分の三のワルツのように吹かれると曲想が違ってしまいます。だから敢えてこの部分も四分の二拍子にして、1小節に三連符二つの表記にしました。 

「ズンチャッチャッ・ズンチャッチャッ」ではなく、1小節を「ズウン・チャアア」というリズムで演奏して欲しいためです。
本当は八分の六拍子の強弱弱弱弱弱のリズムで吹くべきなのですが、約分をして四分の三拍子で良いんだと誤解する人もありますので、それだけは避けたいと思っての苦肉の策です。


三連符3.jpg

ところが、この三連符の音譜に対してブラスバンドで何十年もクラリネットを吹いている人からも異が唱えられました。「三連符は均等ではありませんよ。三つ目が短いから八分の六拍子とは違う演奏になります。」とのことです。

reizanの知らない理論です。それで、家に帰ってからよく知っている作・編曲家の先生にメールでお尋ねをしました。

 

「八分音符3個の三連符は3個の音を一拍の中で均等に「タタタ」と演奏するものと思っていました。3個目の音だけ短く「タ--タ」と演奏するという方がいます。三連符の演奏法はそういうものでしょうか。」

回答はこうでした。
さんれんぷは均等よ。」
reizanの知っている通りでした。

それで、改めてクラリネットのベテランの方にお尋ねしたら、「三連符は均等割ですよ。でも、三連符がいくつも続いた時に三連符の頭がわからなくなることがあるので、三つ目を短く演奏して次の三連符の頭を意識しやすくしています。」とのことでした。

それはこの方の所属しているバンドだけでなく、たいていそうらしいです。
ひとつ勉強になりましたが、reizanが演奏するときは
三連符の頭を意識せずあくまでも均等割で演奏しています。今までどおりの演奏法でも特に問題はなさそうなので安心しました。



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ロツレチリの練習譜 [音楽の勉強]

尺八の二大流派は都山流と琴古流です。この二つの違いが端的なのが音符です。
どちらもカタカナをベースにしたタブラチュア譜という共通点はあるのですが、同じ符で音の高さが異なるから厄介です。

1尺8寸の尺八の場合、都山流の「ハ」(C音)は琴古流では「リ」(乙音)・「ヒ」(甲音)と書きます。逆に、都山流では「リ」はC#・D♭音ですし、「ヒ」はD音です。もうこのあたりで混乱されているかもしれませんが、更に続きがありまして、「ハ」は琴古流では「五のハ」の省略表記でD音(甲音のみ)を表すことがあります。

上のややこしい文章を図解するとこういうことです。

同名異音.jpg

このようなケースがほかにもいくつかあります。音符(カタカナ)が同じでありながら音高が違うということは、当然、運指も異なります。
だから、琴古流の音譜を見ながら吹いているのに、ふとそのことを忘れて都山流の運指をしてしまうと大変なことになってしまいます。

reizanが所属している趣味の民謡尺八サークルはreizanだけが都山流で、ほかの皆さんは琴古流ですから使用する音譜は琴古流です。だから演奏する曲が決まって音譜が配布されたら自分用に書き直しをしています。

そしてたまに都山譜しかない曲の場合はreizanが琴古譜に書き直して上げています。

ところが、ほとんどの曲が民謡のように単純ではないためリズムが取れない方がいらっしゃいます。
みんなで一緒に楽しむための会ですから一人でもついていけない人がいると切なくなります。

そこで、練習日の開始前にreizanの指導でリズムの苦手な方だけを対象にリズム感強化練習をさせていただくことになりました。

そのために運指の練習譜を自作していくことにしていますが、第一弾の「ロツレチリの練習譜」(乙音のみ)ができました。

ロツレチリの練習.jpg

だいたい練習譜の最初に出てくるのは簡単なものと相場が決まっています。簡単に吹けるからおろそかにしてしまいがちです。
  • 拍の頭を意識して音を出す
  • 譜で指定された長さの間は音を出し続ける
  • 息ぬすみ記号のところで息を継ぎ、それ以外では息継ぎしない
  • ○は確実に1拍休む
以上のことを守りながら吹くのは結構難しく馬鹿にできません。そういうことを狙いながら練習譜を作りました。

なお、最後の列は練習の記録用です。1回通しで練習する毎にマスにチェックを入れていきます。全部で40マスあります。
そのぐらい練習すれば次の段階に移っても良いだろうという目安です。


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ブレスのとり方で曲の雰囲気が変わる [音楽の勉強]

小学校の邦楽体験学習ボランティアをされている尺八の先生が体調不良ということで、昨シーズンはreizanがピンチヒッターを務めさせていただきました。

今シーズンはその先生が復帰されたのですが、reizanにも助演をとのありがたいお誘いをいただき喜んでお受けいたしました。本番は12月と1月です。

プログラムは、「生演奏の鑑賞」と「楽器演奏体験」となっています。
鑑賞曲は次のとおりです。
  • 六段(古曲)
  • 春の海(新曲)
  • 花は咲く(東日本大震災復興支援ソング)
「春の海」はreizanの尺八と箏、「花は咲く」は尺八2管+三絃+箏+十七弦です。この2曲は問題ないのですが、ちょっと気になるのが「六段」です。もう一人の尺八の先生が他流派のため音譜が違います。

でも、この集まりではその先生がメインですからそちらの音譜で演奏するのが筋です。元々、都山系の流派なので音譜の書き方は同じですからそのままでも吹けます。甲乙が逆転しているところや音価が違うところ(四分音符が八分音符ふたつ等)はそれほど気になりません。

ただ一つ気になったのが息ぬすみ(ブレス)の位置が違うところです。特に気になったのが赤丸で囲んだ部分です。これと同じパターンが結構出てきます。

六段 比較譜.jpg
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左右の音譜を比較すると都山流の方が洒落れ吹きをしていることがわかります。でも、この違いにはそれほど違和感は感じません。ところが、息ぬすみの位置が違うのは、一瞬、別の曲を吹いているような気になってしまいます。

ちょっと専門的な内容になってしまいましたが、息ぬすみと次の息ぬすみの間にスラーがかかっていると考えると、五線譜になれた方にもその意味がお分かりいただけるかもしれません。

本番の時は左の譜で演奏しますが、少なくとも最初の赤丸の息ぬすみは無いことにして演奏させてもらうつもりです。


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フレージングを考慮した作譜 [音楽の勉強]

Excelで尺八譜を作ることを作譜と言います。曲を作るのは作曲ですから作譜は作曲ではありません。作曲されたものを音譜(楽譜)にすることです。

reizanがExcelで尺八譜を作譜するようになったのには訳があります。
歳をとって老眼が進み視力も下がってくると公刊譜の細かい音符が見えにくくなって、早い演奏の時は目がついていけません。

だから、年寄りでも見やすくするのが第一の目的です。

さらに、公刊譜の表記は、原則、拍に合わせられているので、裏拍から次の表拍まででひとつのフレーズになる場合は分割されてしまいます。五線譜だったらスラーの括弧が付くところですが、そこまで親切にはしてくれていません。

今作譜している「松竹梅」を例に取ると、例えばこんな感じです。1小節3拍目「レチチ」から「タンタタ」「タンタタ」のリズムで書かれていますが、実際の演奏は「レ」までは前のフレーズで、3拍目の裏拍から「チチレ」「チレツ」と「タタタン」「タタタン」のリズムで演奏します。

松竹梅.jpg

 

松竹梅 五線譜.jpg
《上の尺八譜を五線譜に直したもの》

これをreizanはExcelを使って次のように小節線なしの譜に書き直しています。見た瞬間に「チチレ」「チレツ」が一つずつの塊まりだとわかります。

松竹梅.jpg        松竹梅2.jpg
  《元の譜》      《reizan作譜》 

小節線をなくすことによって、3小節4拍目裏拍の「レツ」と4小節1拍目表拍の「ロハ」を続けることができます。ここは「レツロハチ」でひとつのフレーズですから小節線がない方が見やすくなります。

reizan作譜の最後の「ロ」は元の譜にはありませんが、次の行の先頭に書かれているものです。フレーズとしては「ハハロ」でひと塊まりですから、前の行に移しました。小節線がないお陰でこういうこともできます。

元もと、古曲に洋楽のような四分の四拍子の「強・弱・中強・弱」の概念はありませんから小節線がなくても構わないのです。

ところで、今、「松竹梅」の作譜をしているのにはわけがあります。
ビクターからCDも出されている箏曲家の先生の社中と尺八2名で、12月28日(2013年)に「松竹梅」の下合わせをすることが決まっているのですが、公刊譜では音符の密集したところが見にくく速い演奏についていけません。
そこで得意のExcel尺八譜で自分の見やすい音譜を作っています。

下合わせまで約10日ですから泥縄の感は否めませんが、作譜しながら吹奏もしていて、自分の作った譜で吹くと公刊譜の時よりも確実に吹きやすいので、演奏の邪魔にならない程度には仕上がるものと思っています。

そんな時に、NHK Eテレの「古典芸能鑑賞会」という番組で「松竹梅」が放送されることが分かりました。同じ流派の人間国宝山本邦山師の尺八ですので大いに参考になると思います。(ただし、演奏時間20分ぐらいになると思いますが、reizanの腕ではそのままのスピードにはついていけません。)

第40回NHK古典芸能鑑賞会 Eテレ
2013年12月21日(土) 14時~
「松竹梅」米川文子、山勢松韻、富山清琴、山本邦山

http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2013-12-21&ch=31&eid=3707&f=120 NHK番組表 第40回NHK古典芸能鑑賞会


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気になる北海道民謡「保線音頭」 [音楽の勉強]

JR北海道で脱線事故があって原因が保線管理の問題らしいということになったら、その後、堰を切ったように他にも保線管理の問題が続出して大きなニュースになりました。

原因の究明と対策は専門家にお任せするとして、reizanの場合は保線に関する民謡のことを書いておきたいと思います。

それは、「保線音頭」という北海道の民謡です。かなり珍しい曲みたいで「保線音頭」で検索してもGoogleでもYahooでもYouTubeでもヒットしませんでした。

国会図書館の在庫検索をしたら、「保線音頭」というタイトルの音源がありました。

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008736831-00 保線音頭(国会図書館在庫検索結果)

1900年にクラウンという会社から出ているようです。(1900年(明治33年)に45回転のシングル盤レコードがあるはずがないのでどこか間違っているかもしれません。)

どの地方の歌か書かれていませんので、reizanが持っている北海道民謡の音源と同じものかどうかは聴いてみないとわかりません。

北海道民謡の「保線音頭」の歌詞が素晴らしいので、備忘のためここに記録しておきます。
作詞田原賢声、補作詞緒方義幸、作曲田原賢声という方々の新民謡と呼ばれるものだというところまでわかりました。

「保線音頭」(北海道)

1.ハア われらの鉄道 われらの腕で 力を合わせて
  守ろじゃないか (コイショット)

  トコ 始まる コイショット (コイショット)
  ヤレコラショット (コイショット)

  コラ 朝から (コラ 朝から) 
  コラ 晩まで (コラ 晩まで)

  保線のたましい ヨイトコナ
  (コイショット コイショット)

2.ハア われらの線路を みんなの腕で タンパ突いて

  直そじゃないか (コイショット)

  トコ 始まる コイショット (コイショット)

  ヤレコラショット (コイショット)

  コラ 汗水 (コラ 汗水) 
  コラ 夢とは (コラ 夢とは)

  保線のちから ヨイトコナ
  (コイショット コイショット)

3.ハア われらの線路を おいらの腕で マルタイ突いて
  揚げよじゃないか (コイショット)

  トコ 始まる コイショット (コイショット)
  ヤレコラショット (コイショット)

  コラ 突きこめ (コラ 突きこめ) 
  コラ 力は (コラ 力は)

  保線の若さよ ヨイトコナ
  (コイショット コイショット)

※ 発音は合っているはずですが、聴き書きのため文字が正確でない可能性があります。
※ タンパ=接地箇所が平面になっている締固め用機械。
※ マルタイ=タイタンパーの略。歌詞の意味は、列車の走行で下がった砂利をタイタンパーで突いて元の高さまで揚げようと歌っています。

この民謡の精神がJR北海道のなかで生きていたら、今回のような不祥事は起こらなかったような気がします。
「お客の命より大切なものが、自分の権利」では寂しい気がします。

長崎自動車の鬼塚車掌さんの話は逆に哀れをさそいますが、気持ちだけはそのぐらいであってほしいものです。

ネット検索したらこんなのがありました。

http://dd51.heidiexpress.jp/blog/2011/04/25/ 線路工手の唄

http://www.jcca.or.jp/kyokai/kyushu/dream/list/pdf/B1-1015.pdf 鉄道の「仕事歌」が消える

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「保線音頭」を耳コピしました [音楽の勉強]

最近気になっている「保線音頭」の尺八譜を探してみましたが扱っているところがなく入手できませんでした。そもそも尺八譜が出ているかどうかも不明です。

そこで一念発起、手持ちの音源から耳コピしました。集中力がなくて途中休憩が多いものですからまる一日かかりましたが、多分、ほぼ間違いなく(写真には一箇所間違いがあります。)拾えていると思います。

保線音頭 改.jpg

尺八譜にしてみたら、思ったとおり尺八吹きが好みそうな民謡でした。

良かった点は、
  • すべてが全音で、特書音符が出てこないので吹きやすい
  • 複符運指が多く、運指の練習になる
  • 甲乙のあいだで音の跳躍が面白い
曲の印象も、歌と掛け声の掛け合いが良い感じです。

北海道の保線音頭というとJR北海道の保線管理の問題を想像してしまいますが、reizanとしては後世に残したい名曲の一つだと思います。


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合唱の音域は人によって違うらしいです [音楽の勉強]

最近知り合った合唱指揮者の先生に、よく知っている人の曲を紹介するため楽譜を見てもらったら、「うちの団ではムリ。」とつれない返事をいただきました。

尺八の場合ですと、琴古流の方に都山流の楽譜で吹いてくださいとか、その逆のケースは大概の場合吹けないということは承知していますが、それは楽譜の書き方が全く違うからです。

合唱の場合は五線譜ですから万国共通なはずなのになぜかなと思ったら、ソプラノのパートを指さしながらこの音が出ないから、と仰います。上第一間のGの音です。

reizanが知っている音域は、ソプラノでは上第二線のCまでと思っておりましたので意外でした。

帰宅してネットで調べてみたら次のようになっていて、やはりソプラノは上のCまででした。

音域.png

ところが、さらに検索を続けていたらようやくことの真相がわかりました。
上の図は、プロなどレベルの高い人の場合で、一般にはソプラノでは上のAが出れば優秀な部類に入るそうです。

だから指揮者の先生としては、上のAは無理でもGまでは出してほしいと思っているけれど、それができていないというお話だったようです。

尺八でも似たようなことがあります。

1尺8寸管の場合、「ロ」(D)から2オクターブよりちょっと上の「四」(E)までは普通に出せます。ところが、現代曲ではその上のGやAまで求められるケースが出てきているのです。

reizanでもGまでは出せるのですがAは無理です。しかし、プロの演奏家の方はAぐらい普通に吹きますし、中にはさらに上のCぐらいまで出せる方もいらっしゃるようです。ほぼ3オクターブですからすごいです。

確かに、民謡や詩吟でも歌い手さんのキーはCからBまでの12音のどれかにばらけますので、そもそも人の声を四つだけに括ってしまえるものではないようです。

その後、よく知っている作・編曲家の方と渋谷でお目にかかる機会があったのでそのことをお話したら、reizanが紹介した曲は難しい方だと作曲者の方も承知しておられました。

上のGだけでなく低い方も相当低いところを求めているそうです。

高校のコーラス部だったら上のFがやっとだそうです。そのまま大人になったらGが出ないのも不思議ではありません。
でも、福島県郡山(コーラスの盛んな都市)のコーラス部の高校生は上のGが出るのが普通だそうです。
育った環境て大切なんですね。 


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あなどれない楽器、「パンデイロ」 [音楽の勉強]

「パンデイロ」てたかがタンバリンと思ったのですが、その実力はドラムセットに匹敵するぐらい凄いです。それでいて場所をとらないから日本の家屋内でも邪魔にならないと思います。1万円前後で買えますから楽器の価格としては安い方です。

構造は、タンバリンを6等分した箇所の縁にチューニング用のネジがあり、ネジとネジの間の5か所にジングル(鈴)があります。ジングルのないところが手で持つところです。

普通のタンバリンではお椀の高台を合わせるようにジングルがセットされていますが、パンデイロの場合はお椀の縁を合わせるようにセットされています。

チューニング用のネジを締めたところは音が高くなり、緩めたところは音が低くなります。これによって数種類のドラムユニットを揃えているのと同じ効果が出せます。

どのように使われているか例がありましたのでご覧ください。動画の三角マークをクリックすると再生されます。

http://drum-percussion.info/category7/category132/ パーカッションライブラリー

YouTubeで検索したら無料のレッスン動画がありました。これで勉強すれば結構遊べそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=ihUmXQsfbTk&list=PLpqkqrPB34Rmdr7Co8iyu3J5c4m_t-VF-&index=1 小澤敏也 パンデイロ ウェブ レッスン

尺八とパンデイロの組み合わせも楽しそうです。


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最適楽器 [音楽の勉強]

reizanがメインで親しんでいるのは純邦楽の中でも「三曲」と言われるものです。

現代の三曲は、「箏」、「三絃(三味線)」、「尺八」の合奏をいいますが、当初は尺八は無くて、「胡弓」(三味線の竿を短くしたような形で、馬毛の弓でこすって音を出す)だったのですが尺八が割り込んで今の形になったそうです。

普通だとそこで軋轢が生じますが、実は三曲を演奏する人は一人で三つの楽器をこなせたのです(雅楽でも全員がすべての楽器をこなせるというのと似ています。)。だから、胡弓に代わって尺八が入り込んでも胡弓弾きの人があぶれてしまうという不都合はなかったようです。

たまに胡弓が入った三曲を聴くと、メロディー担当が胡弓では音量がなくて引き立たないように思います。
でも民謡の世界では、この曲だけは三味線と胡弓と太鼓しかあり得ない曲があります。胡弓の旋律を尺八で吹くことはできますが、その味を出すことまではできそうにありません。

それが「越中おわら節」です。胡弓の哀調を帯びた感じが好きです。

https://www.youtube.com/watch?v=JvE1i_3FR48 おわら風の盆 あいの風

女性は編み笠を目深にかぶっているので、みんなきれいに見えるそうです。

9月1日、2日、3日発で、東京のはとバスで「おはら風の盆」のツアーも組まれているようです。

http://www.hatobus.co.jp/feature/kazebon/index.html おはら風の盆2014ツアー

死ぬまでに一度は訪ねてみたい場所の一つです。
ほかに郡上踊りを徹夜で観てみたいというのもありますし、秋田の西馬音内盆踊りも観てみたいし、体を鍛えないといけません。

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異楽器交流 [音楽の勉強]

reizanが所属している趣味の民謡尺八サークルが練習で使わせていただいている施設では、半年に一度、サークルの発表の機会が設けられています。

今度は、9月14日(2014年)に開催されます。
各サークルがそれぞれの発表をするのは例年通りですが、今回初めて、歌と楽器のサークルが合同で「花は咲く」を演奏して会場のお客様にも歌っていただこう話が持ち上がりました。

楽器は、尺八サークルと篠笛サークルとハーモニカサークルで、これにカラオケサークルが加わります。

下合わせの前に笛とハーモニカの楽譜を借りてチェックさせていただいたら、笛の譜は五線譜で、ハーモニカは算用数字のタブ譜でした。

チェック結果
  • 歌の出だしはすべてのサークルが「G」の音から始まっているので、キーはOK。
  • 笛の譜はメロディーのみで前奏・間奏・後奏がありません。その間は待っていただくか、ほかの楽器の譜を追加してもらう。
  • ハーモニカの出だしは歌の出だし4小節をそのまま持ってきていて、前奏なのか歌が始まっているのかわりにくいので、できれば尺八の方に合わせていただく。(それ以外の尺は同じだった。)
  • ハーモニカ譜では、「いつかは生まれる君に」の「き」の部分で半拍のタメを作ってあったが、みんなで歌うには不向きなので訂正をお願いする。
という情報を持って下合わせに臨み、他サークルの皆さんにも賛同をいただきました。

その後、楽器と歌の4組で演奏してみました。
ハーモニカはC調、篠笛は8本(C管)ですが尺八は1尺8寸管(D管)です。でも、尺八譜を移調してハ長調にしていますから問題はないはずです。

ところが一通り演奏してみたら、全員が笛のキーがおかしいと指摘しました。
8本(C管)の篠笛は最低音は1尺8寸の尺八の乙のハと同音程(C)ですから、それで合わせていただいたら問題ありませんでした。

それでもう一度やったらやっぱり変だということになりました。
今度は1オクターブ上の音(尺八では甲の「ハ」)を出してもらったらこれが原因でした。はっきり唸り音が生じています。

篠笛は同じアンブシュアでオクターブ違う音を出すと高い方が狂うことがわかりました。これは息の流速を増す以外に何らかの要因がプラスされているためと思います。

取りあえずの対策として、甲音のときは篠笛を手前に少し回して(メッて)いただいたら、高音もほぼ同音程になりました。
これで本番も上手くいきそうです。

これを切っ掛けに異楽器の交流が盛んになって共同で施設訪問するようになれば、プログラムの内容が今以上にバラエティーに富むようになり素敵だと思います。 


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追分考 [音楽の勉強]

尺八を習い始めたころに指導を受けたなかで印象深いことが二つあります。

一つは、タンギングをしてはいけないということです。小学校の音楽の授業でリコーダーの吹き方を習ったときにはタンギングをするものだと教えられたのですが、正反対ですから最初は戸惑いました。

意識しているときは良いのですが運指に気を取られたりしていると、ついタンギングを使っていることがありました。

尺八でも現代曲を演奏するときはタンギングを使うこともあるのですが、古曲を演奏するときにタンギングを使うのは×です。

ではどうするかというと、運指で音を切っていきます。
指孔を開けて塞ぐような感じですが、実際には指孔を押しなおすというイメージで音を切ります。指孔を開けてしまうと一音上とか一音半上の音がはっきり出て曲にならなくなりますので良くありません。

もう一つは、追分(おいわけ)の手を使ってはいけないということです。
都山流本曲と外曲と呼ばれる箏・三絃との合奏曲に追分の手を入れてはいけないということです。

そういうわけで師の言いつけを守ってきたのですが、歳をとって趣味の民謡尺八サークルで遊ぶようになったら追分が吹けないのが弱点になっています。

幸いなことに生涯大学校の尺八クラブに民謡尺八の得意な方がいらっしゃいますので、その方に教えていただこうと思っています。

追分と言えば「江差追分」が有名ですが一曲が長いので、先ずは「最上川舟歌」で教えていただこうと思って、自分がわかる琴古譜に書き直してみました。

最上川舟歌.png
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(一・三)とか(二・三)と書かれているところで追分の手を使います。そういう理屈は分かっているのですが実際の指運びについては全くわかりませんから習うのが楽しみです。

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「アコーディオンの本」で学んだこと [音楽の勉強]

図書館で「まるごとアコーディオンの本」というのを見かけたので借りて読みました。

アコーディオン_2.jpg

尺八以外のことに手を出すとそれに時間を取られて、本来のことが疎かになりますから面白そうなことでも極力近づかないようにしているのですが、昔から鍵盤楽器は苦手なので読んでも大丈夫だろうと考えて借りました。

興味本位の斜め読みですから15分もかからずに読み終えました。

そんな半端な読み方でも印象に残るところはありました。

それは、アコーディオンの鍵盤は奏者から見えないということです。ピアノの場合は下を向けば見えますがアコーディオンの場合は鍵盤が腹の前にせり出していますから下を向いたぐらいでは良く見えません。

ではどうするかというと手探りしかありません。

その時に役立つのが黒鍵です。ピアノと同じように黒鍵は2つと3つのところがあります。これに触れたら白鍵の位置もわかります。だからアコーディオンを弾く人は、白鍵を弾くときに黒鍵の間の狭いところを弾くのだそうです。そうすると鍵盤が見えなくても位置を間違えることはないそうです。

そういえば、尺八の孔も奏者から見えません
尺八は孔が5つしかないから簡単だと思われたらそれはハズレです。

5つの孔に対して、それぞれに「全開」「半開」「微開」「全閉」「かざし」などの指使いをします。
「全開」ぐらい簡単だろうと思われるかもしれませんが、動かしにくい指が弱いかざしになってしまうことがあります。そうするとその音は本来よりも若干低くなります。

「半開」や「微開」や「かざし」は物差しで測って決めることはできませんので、何回も吹いて正しい音程の時の指の感触を覚えていきます。

「全閉」は普通に構えて吹けば乙と甲の「ロ」(1尺8寸管でD音)になります。5つの孔を全部塞げばよいだけですから簡単そうですが少しでも隙間があるといけません。
1、2、3孔のどれかに隙間ができて「微開」状態になっていると噪音しか出ません。
4孔の下寄りが「微開」になっていると乙音が出せません。必ず甲音になります。(逆に言えば、甲のロを吹くときは4孔を「微開」にすれば確実に甲音が鳴るという裏ワザになります。)

尺八の場合でアコーディオンの黒鍵のようなガイドの役割りを果たすものは何かと考えたら、それは孔の縁だと思います。
指の腹で孔の円を感じながら押さえる位置や押さえ加減を決めるのです。

こうやって考えると尺八もアコーディオンに負けないぐらい難しいことをしているのですね。
いつも何気なくやっているので特に難しいとも思っていなかったのですが、初心者の人にとっては案外大変なことかもしれません。

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音譜を読む [音楽の勉強]

reizanは都山流という流派の尺八を勉強していますが、祖父の形見の尺八と音譜を譲り受けていてそちらは琴古流です。
ロツレチは同じですが、それ以外の音符は異なるものが多く、なかには同名異音というものもあって厄介です。

でも、祖父が親しんだものを再現してみるのも先祖孝行かなと思って勉強しています。
テキストは菅原久仁義さんの「尺八入門(琴古系)」です。

尺八入門.jpg

ほぼ同じ内容で都山系も出ていて中を見たら結構良く書かれていたので琴古系も大丈夫だろうと思って購入しました。(都山系は「都山流音譜解説」というバイブルが所属する団体から出ていますので流人としてはそちらを拠り所にしています。) 

このテキストの練習譜の中に次のような一節がありました。拍子は四分の四で、大間で書かれています。

五のハの練習.png
琴古流の大間の譜を見たことがない(見たけどその違いがわかっていなかったかもしれません。)ので、これはどういうリズムだろうと迷ってしまいました。

と△と〇は拍頭の位置を示します。最初のが1拍目、左の△が2拍目、右の〇が3拍目、最後のが4拍目の拍頭を表しています。
△と〇は空位といって前の音が続いているので、ここでは拍頭からの吹き始めはありません。

ということで、reizanが解釈したのがこれです。1拍目と4拍目は吹き始めがあって、2拍目と3拍目の拍頭は前の音が続いています。

五線.png

これで良いかどうか確かめるには、大間を小間に書き直すのが手っ取り早いと思います。ということでやってみました。

小間.png

通常、右側の〇は省略されますので、1拍の音価を白抜きの胡麻点で表す方法がわかりやすいと思います。

 小野式.png

ここまで検証してとreizanの考えた五線譜で間違っていないことがわかりました。

では次のはどうでしょうか。祖父の形見の音譜の中から「船の夢」という曲の一部(小間)です。考えていただくため当分のあいだ五線譜は書かないことにします。

舟の夢.jpg

 



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曲づくりの手伝い [音楽の勉強]

趣味の尺八サークルが本年度最後のイベント出演を終え、恒例の飲み会に出席しました。

学生さんがクラブ合宿で使う宿泊施設を毎年利用させてもらっています。

演奏は午後3時ごろに終わるのですが、以前、夕方の時間に予約していて時間を持て余して予定よりも早く送迎バスで迎えに来てもらったら、食事の準備ができていなくて出てくるのが遅い懐石料理のような感じないなったことがありましたので、今回は早めのスタートで予約して午後3時半ぐらいから飲み会です。

テーブルには料理がたくさん並んでいて、これを完食すると体重が増えると思って警戒していたのですが、どれも美味しくて結果はほぼ完食し、翌朝の体重計測では200gほど増えていました。
このぐらいだったら何回かの食事の中で取り消せます。

楽しく歓談をしていたら、メンバーの一人の方が尺八譜を出してほかの方と話をされていました。reizanが興味を示したら、簡単に詩ができたので作曲してみたのだと教えてくれました。

reizanは作詞も作曲もしたことがありませんので、補作の勉強させてくださいとお願いしてその音譜をいただいて帰りました。

そして、半日ぐらいで補作を終えました。メロディーは最初のものとは別物のようになってしまいました。
元の作詞・作曲をした方もreizanも初めての経験ですから未熟ですが、それらしくできましたので恥を覚悟でアップしてみます。

埴生音頭4.png

 

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なんとなく民謡らしくなっているのではないかと思います。

尺八譜がわからない方のために五線譜も作ってみました。

埴生音頭五線.png
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マニアックな曲集 [音楽の勉強]

reizanが演奏する尺八曲は、都山流から音譜が公刊されている本曲(尺八独奏曲や尺八合奏曲で流の本曲と定められた曲)や外曲(箏との合奏曲など本曲以外の曲)?が中心ですが、息抜きに民謡を演奏したり、たまには歌謡曲やフォークソングを演奏したりすることもあります。

そのために五線譜も集めるようにしているのですが、この度見つけた曲集は随分マニアックです。
本のタイトルは「魂のフォークソング大全集」(自由国民社刊、2600円+税)です。

フォークソング_0001.jpg

目次の一部を見てみると、

目次_0001.jpg
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歌手別にまとめられていて、井上陽水さんだけで26曲もあります。
井上陽水さんの曲集だったらもっと曲数が多いと思いますが、大勢の歌手の曲を取り上げている曲集では、陽水さんのような有名歌手でもせいぜい「傘がない」「心もよう」「夢の中へ」ぐらいですから、「魂のフォークソング大全集」のマニアックぶりがわかると思います。

加川良さんの「教訓Ⅰ」も載っています。

目次_0003.jpg
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『命はひとつ 人生は一回 だから命を捨てないようにネ』という歌詞に随分影響を受けた気がします。歌詞全体は反戦歌みたいなものですが、reizanはそれほど大げさな捉え方はしませんでした。死なないようにケガをしないように臆病に生きても良いんだと気付かされた曲でした。 

https://www.youtube.com/watch?v=FSaMY7TRgFI 教訓Ⅰ

reizanの場合、たまたま聞いた曲がいくつかあるぐらいで、タイトルだけ見てもどんな曲かわからないものが多いです。

ときどき尺八で吹いてみてどんな曲か知ろうと思います。

 



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演奏時間の試算 [音楽の勉強]

演奏会にかける曲を選ぶときにはいくつかの条件があります。

一番は面白いことです。滑稽ということではなくて、演奏していて自分が楽しい曲という意味です。

二番目は難易度です。易しすぎても面白くないし難しすぎるのは恥をさらすだけです。実力よりもちょっと上だけど半年練習すればこなせるぐらいがちょうど良いです。

あとは楽器の編成もネックになります。箏・三絃・尺八の曲で楽器が揃わないときは三絃抜きということもありますし、尺八抜きというケースもあります。れぞれの楽器がメロディーを担当していないときはこの方法が取れます。

しかし、「春の海」の尺八抜きというのは聴いていてつまらないと思います。 

「チャンチャラチャラチャラチャー チャンチャラチャラチャラチャー」と2小節8拍の箏の前奏があって、そのあとから尺八が入って合奏となるのですが、箏だけだとぜんぜん盛り上がりません。



選曲で欠かせない重要な要件がもう一つあります。それが演奏時間です。

アマチュアの演奏会では大抵時間制限があります。ほとんどが出入り込み10分とか15分という制約を受けます。

参考音源があればそれで時間がわかりますが、無いときは取りあえず演奏してみます。簡単な曲ならそれでわかりますが、難しい手の入っている曲の場合はそうもいきません。

そういう時は音譜から計算しておよその時間を求めます。

尺八譜では説明しにくいので五線譜に置き換えて説明したいと思います。

楽譜の最初にテンポ表示があります。「四分音符(実際は図形)=70」というような表示です。
これは、四分音符を1拍として1分間に70拍演奏する速さ、といことでテンポを示しています。

また、拍子記号で1小節の中の拍数も示されています。3/4だったら四分音符を1拍として1小節に3拍、4/4だったら4拍ということになります。

小節の数がわかれば、それに拍子記号の分子の数字を掛けたら総拍数になります。総拍数をテンポの数字で割ったら分単位の所要時間が計算できます。

例えば、「四分音符=80」、「4/4拍子」、「1行当たり5小節」、「総行数50行」だとすると、
総拍数は、4拍×5小節×50行で1000拍となります。これをテンポの80で割ると12.5になりますから、楽譜通りに演奏したら12分30秒かかることが計算できます。

実際には12分間テンポ80のままでは演奏する方も聴く方も飽きてしまいますから、途中でテンポが変化しているのが普通です。
その場合は、それぞれのテンポごとに拍数を求め、それをそれぞれのテンポの数字で割って所要時間を求め、すべての所要時間を足し合わせた合計時間がその曲の演奏時間となります。

出入り込み15分のところに15分の曲を入れるのは無理です。その場合は一部をカットして12分ぐらいに収めます。
箏の先生から、「運指上、ここからここへは跳びにくい。」と言われたらおしまいです。どこをカットするかというのも腕の見せ所ですから必死で考えます。

 



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無駄な努力 [音楽の勉強]

人生を振り返ってみると無駄な努力が多かったreizanですが、今でも時々そういうことをしてしまいます。

一番最近のは尺八譜づくりの無駄です。生涯大学校の同級生の方からいただいた三重奏の五線譜を尺八譜に直したら自分ではとても吹けそうにないアレンジだったというお粗末な話です。

曲はビートルズの「イエスタデー」です。有名な曲ですしクラシカルなバラードなので尺八にも馴染むかなと思ったのです。

イエスタデー.jpg
《五線譜の一部》

こういう書き方をしたものは尺八譜付き五線譜ということになるのですが、音価や甲乙は書かれていないので尺八音符と同時に五線譜のオタマジャクシや休符を見て判断しなさいということになっています。

とてもじゃないけどreizanにはいっぺんにあっちもこっちも見て瞬時に判断するというのは無理です。
ただ、イエスタデーの尺八三重奏だったら、生涯大学校の学園祭の演奏の時に尺八クラブの演奏で使えるかもしれないと思って五線譜からExcelの尺八譜に直しました。

途中、1ページ分の作業をしたところで保存しようとしたら、予期せぬエラーで復旧できなくなるようなアクシデントもあって相当苦労しましたが、なんとか変換ができました。

イエスタデー尺八.png
《3小節目まで》

全部出来上がったところで各パートを自分で吹いてみました。メロディーの部分は馴染みがありますから特に難しくはなかったのですが、伴奏の方は上手く吹けませんでした。(上に出ている部分は難しくありません。)

伴奏譜を良く見たら、音の並びがすぐ隣に移り次は1音跳びさらに次はその隣というような難しい配列になっていました。
尺八という楽器は指孔が5つしかありませんから、指孔の全開と全閉の組み合わせで出せる標準音符の間に半音が一つあったり二つあったりします。

指孔を微開したり半開したりの押さえ方と唄口部の開口面積の調整との組み合わせで途中の音を作っていきます。だからそういう音ばっかりが続くと演奏しづらくなるのです。

尺八の曲で半音隣に移るという流れがないわけではありませんが、それが連続するの(例えばDからGまでの音を半音ずつ上がっていくようなフレーズ)は苦手です。

3本の尺八の音が重なったときの響きは、計算上ではきれいにハモって美しいのだと思いますが、半音ずつ移る音形が連続すると正しい音程が掴みにくくなってきれいなハーモニーをつくるのが難しくなります。
というか、吹いている本人が合っているのかどうかわからない状態で演奏する可能性が高く、聴く方からしたらガチャガチャバンドを聴いているようになってしまうと思います。

何日もかけて苦労して五線譜から直しましたが、今回のこの尺八譜はボツにしました、無駄な努力でした。

ところで、五線譜に尺八譜を併記してくださる場合は音譜を90°右回りにして、五線の右側に縦書きにしていただいた方が見やすいです。

記譜サンプル.png
《尺八譜併記の例 尺八1 1小節目》

この方法が定着すれば助かる尺八愛好家は多いと思います。


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筝曲譜のアルペジオ [音楽の勉強]

「アルペジオ」とは3音以上からなる和音を同時に演奏しないで少しずらせて演奏する奏法です。分散和音という言い方もします。

家庭式の箏譜でアルペジオを表わすのに、和音の上に波線を横書きに書く方法と、和音の最初の音の左側に波線を縦書きに書く方法があって,、どちらでも良いことになっています。


今、ある曲(編成は一箏、二箏、十七絃)の箏譜を浄書しているのですが、そのなかに二箏から一箏にかかるアルペジオが出てきます。

reizanはExcelで譜面を作っていますが、Excelには波線が準備されていません。この問題を解決しないと先に進めません。

検討の結果、図形の曲線を使えばそれらしく出来ることがわかりましたのでそれでやってみました。

下図がその部分の完成形です。波線のところがその部分になります。このぐらいの出来栄えであれば箏を弾く人に違和感なく見ていただけると思います。(右から一箏、二箏、十七絃です。)
二箏が六八九と順に弾いたら一箏が続けて八九巾と順に弾きます。この小節では十七絃は4拍すべて休みです。

アルペジオ.png

(余談ですが、音譜は何行も続きますから行の見間違いを防ぐため書体に工夫をしています。一箏は有澤太楷書、二箏はMS明朝太字、十七絃はMSゴシック太字にしています。)

Excelで波線を書く方法は次のようにします。
  1. セルの幅と高さをピクセル単位で合わせる。(100ピクセルぐらい大きい方が作業しやすいです。)
  2. [挿入]‐[図形]で曲線(赤矢印で示したところ)選ぶ。
    図形の挿入.png
  3. 4つのセルの交点に+の中心を当ててクリック、右上の交点に+を合わせてクリック、右下の交点に合わせてクリック。(以下同じことを繰り返す。)
  4. 線の最後は、交点に+を合わせたらダブルクリックする。
  5. 線の色を決める。
    波線7山 細い.png
  6. 線の太さを決める。
    波線7山.png
  7. 図形を保存する。(この図形を呼び出して、書式で自由に縦横のサイズが変えられますし、色も太さも変えられます。)


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縦譜の装飾音 [音楽の勉強]

五線譜で書かれた十七絃の曲を縦譜に書き直す作業をしています。元はピッコロとフルートの持ち替えとの合奏曲ですが、ピッコロの部分をオクターブ下げると1尺6寸管でカバーできるので、いつか十七絃を弾ける方と合奏ができればと思って頑張っています。

ところが途中で困ったことになりました。装飾音符が出てきたのです。

装飾音符.png

箏譜の解説書を2冊持っていますがどちらにも装飾音符の書き方は見つかりませんでした。
尺八の場合は次のように書くのですが、箏譜には通用しません。

装飾音符尺八.png

こういう時は知っていそうな人に教えてもらうのが早道です。箏の先生にお尋ねしたら即答で教えてくださいました。
知ってしまえば案外当たり前というか、一番理にかなっている方法でした。装飾される音の前の右隅(普通は余白になる部分)に書くのだそうです。

装飾音符十七絃.png
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枡の右下隅に書かれている「六」と「五」が装飾音符になります。装飾される音はそれぞれ「26」と「九3」です。

これがわかったので市販の譜に負けないぐらいの音譜ができそうです。ただ、全体で16ページにもなりますので完成までの期間は長くなりそうです。


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ヴェンゲーロフの言葉 [音楽の勉強]

世界的なバイオリニストのマキシム・ヴェンゲーロフさんが少年記者のインタビューに答えて、新聞紙上で興味深いことを語っておられました。

バイオリンを職業とするうえで一番大変なことを問われて、「どんな仕事も、うまくやるのは大変なこと。それこそ、1万時間は訓練が必要。」と答えています。

1年とか1か月とか1週間とか1日だったら実感がわくのですが、万単位の時間になるとイメージがわいてきません。

そういう時は取りあえず計算してみることです。1日1時間の練習だったら何年かかるでしょうか。

10,000時間 ÷ (1時間 × 365日) ≒ 27.4年

reizanの場合、68歳に27年を足すと95歳になります。100歳近くになっても尺八を吹いている先輩を知っていますが、肺活量の衰えは隠せません。

絶頂期というのは50代ぐらいまででしょうからreizanは端から対象外ですが、仮に75歳までに1万時間の練習をするとしたら、

10,000時間 ÷ (365日 × 7年) ≒ 3.9時間

毎日、約4時間尺八を吹けば75歳までに1万時間の練習ができますが、筋力も衰えているのでかなりハードです。筋を違えてしまうかもしれません。

尺八を始めた30歳の時から毎日1時間吹いていれば57歳のときに1万時間を達成していたのに、会社で中堅といわれる立場になった頃には忙しさに感けて週1回30分のレッスンの時だけが練習という失礼なこともありましたので、reizanの累計練習時間は少ないだろうと思います。

大学に入ってから尺八を始めたのに卒業したらプロの尺八演奏家になったという方がいらっしゃいますが、きっと毎日7時間ぐらいの練習はされていたのでしょう。 



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シャープさんフラットさん [音楽の勉強]

昔、NHKのテレビ番組に「シャープさんフラットさん」というのがありましたが、今日の話はそれではありません。単音の音高を言うときにシャープ系で言う人とフラット系で言う人がいるという話です。

reizanが五線譜の得意な洋楽系の方に、ある曲の出だしの音を「E♭」でしょうかとお尋ねしたら、「E♭ですけど単音のときは普通はD#と言ます。」というご指摘を受けました。

それ以来、シャープ・フラットが付く音は、フラットは使わずに「〇#」と表現してきました。
でも、しっくりこないんです。というかいつも違和感を感じていました。

それはなんでかなと思っていたのですが、ふと解答に行きつきました。
それは、指摘された方が五線譜(音高表記)で考えるのに対して、reizanが尺八譜(タブラチュア表記)で考えるからです。

尺八の標準音は「ロ、ツ、レ、チ、リ(都山流は「ハ」)」の五音です。1尺8寸管の尺八の場合、これは洋楽の全音「D、F、G、A、C」に一致します。

そして、これらの音のあいだの音が特殊音となります。尺八譜の場合、特殊音は原則として上の音を下げた形で表記されるのです。(例:リの半音下はリの中メリ、その半音下はリの大メリ)

フラット系.png

reizanはこれに慣れ親しんでいるものですからD#よりもE♭の方がわかりやすかったということです。

〇印の「チのカリ」や「ロのカリ」という音は元の音を半音上げるシャープ系ですが、一般的に絃と合奏するときは同じ音高が得られるフラット系の音で演奏します。

だから尺八吹きのreizanは自然にフラット系になってしまっていたのです。そのことを理解していれば洋楽系の方とシャープ系で会話をしても多分違和感を感じなくなると思います。

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アパチュア [音楽の勉強]

尺八はフルートを同じようにマウスピースを加えずに離れた位置から息を送るエアリード楽器です。

だから唇のすき間の作り方がとても重要です。
すき間が大きいとスイートスポットに息が当たりやすくなりますから音を出しやすくなりますが、ロスする息が多くてすぐに息が切れます。

だから必要最小限の息で鳴らすようにすき間を小さくします。小さくしていても息を出していると開き気味になりますので、そうならないように良いすき間の形のまま維持します。

これをやってみると初心者の方は唇がプルプル震えだします。それは唇まわりの筋力が鍛えられていないからです。
筋肉が鍛えられていれば一定の形でピタッと決まります。

では唇まわりの筋肉を鍛えるにはどうすれば良いかですが、キスをたくさんしても多分ダメです。ダンベルとかをぶら下げるわけにもいかないし、となると方法は一つだけです。毎日尺八を吹いて練習することです。これしかないと思います。

ところで、初心者の方の練習のときに、「唇のすき間」という言葉を頻発することがあるのですが、唇とすき間の合成語で8文字もあってまどろっこしく感じることがあります。

それが、フルートの本を読んでいて一発で言い表せる言葉があることを知りました。
「アパチュア(英)」(aperture)という言葉です。5文字の単語です。発音は「アパチャー」の後半を「チュア」というような感じにすれば近いと思います。

m_2010_0816utaguti0002.jpg
《アパチュア》

ちなみにイタリア語では同じ綴りを「アペルトゥーラ」と発音します。

英語のが短くて良いなと思いましたが、耳慣れない言葉ですので指導中に、いきなり「アパチュア」といっても瞬間的に意味が理解できない可能性も有ります。
折角良い言葉を見つけたのでなんとか活かせたらラッキーです。


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大正琴と遊ぶには [音楽の勉強]

生涯大学校で知り合いになった民謡尺八の名人(津軽三味線もお得意でどちらも暗譜で演奏される方)から相談を受けました。reizanの方が相談する側でないのがいささか不思議です。

相談の内容は、「知り合いの方が大正琴をやっていて、今度一緒に合奏しましょうと誘われているけど、合わせられるものだろうか。」というものでした。曲目は次の通りです。

P_20180223_124652.jpg

キーさえ合っていれば合奏できるのですが、大正琴がどのキーで演奏するかわかりませんのでちょっと勉強することにしました。

先ずは、大正琴の音域を調べてみました。音符はハ長調のドレミファソラシが1234567の数字で表わされているのでわかりやすいです。
音域は下1点のGから上1点のAまででした。また、ピアノの黒鍵に当たる部分はすべて#で表わし♭は使いません。

大正琴の音符と尺八の対応関係を表にしてみました。

大正琴→尺八.png
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大正琴の音域が約2オクターブで、尺八の音域が約2オクターブ半ですから尺八の方が音域が広いのですが、最低音の位置が違うので、完全にカバーしようと思ったら普通には使われていない(reizanも持っていない)1尺3寸管を使わなければなりません。

でも、大正琴で演奏されるのはほとんどが人がうたっている曲ですから、出だしを甲音にするか乙音にするかの使い分けでカバーできそうです。

福岡県民謡の「黒田節」で対応できるかどうか調べてみました。
五線譜で書くとこんな曲です。

黒田節.png
これは大正琴用の楽譜ではありませんからそのまま尺八譜にするのは危険です。調べてみたらやっぱり違っていました。大正琴譜の「黒田節」の出だしは「2」(=D)でした。

上の五線譜は「E」から始まっていますから移調しなければなりません。それに大正琴は「G」(=ハ長調のソ)から上しか出ませんから、約1オクターブ近く上に移調してやらなければなりません。

上の「D」から始まるように移調しました。♭一つだったのが♭三つになります。

黒田節移調(尺八1尺8寸).png
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この譜に大正琴の音符を割りつけてみました。

黒田節(大正琴譜).png
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次に、移調後の五線譜に尺八符を割りつけてみました。尺八の管長は1尺8寸です。

黒田節尺八.png
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これで大正琴と尺八が「黒田節」を合奏したら、同じキーで同じ旋律を演奏することができます。

民謡尺八の名人さんには、「黒田節」の例で変換要領をご説明して理解していただき、あとは、冒頭の「大正琴譜→尺八譜変換表」を使って、合奏相手の方の大正琴譜を尺八譜に変換していただくようにします。

全く同じメロディの斉奏ではすぐに飽きてくると思いますが、取りあえずはこういうところから入って、慣れたら大正琴譜を尺八譜に直し、尺八の伴奏をつけたり、大正琴に伴奏に回ってもらったりしても面白いと思います。


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