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「五線譜の調号の数から、オリジナルキーで吹ける最適尺八を選ぶ早見表」をつくりました。 [音楽理論]
五線譜から尺八譜への変換方法については以前に報告しましたが、実際に変換作業をするときに面倒なのが最適な尺八の長さを見つけることです。
今までのやり方は、チェック表を使って五線譜上に出てくる音を全部調べて、できるだけ半音(尺八の特殊音譜)が少なくて吹きやすい長さを探していました。
しかし、この作業がつらくて変換作業が進みませんでした。最近見つけた「河童」さんのブログに、「唄い出しのピアノのキーから、対応する尺八を選ぶ早見表」というのが紹介されていたので、それに触発されて同じ趣旨の表をreizan自身が使いやすいように作ってみました。
長調でも短調でも対応する尺八の長さは同じ結果になりましたが、主音は異なります。
《左クリックで拡大》
尺八で吹いてみたい五線譜があったら、
- 「#」または「♭」の数をかぞえ
- 「歌いだしの音」と「最後の音」の高さを確認して、上の表を見ます。
例えば、♭が五つで、出だしがA#だったら、短調のほうに該当する箇所があります。その下に書いてあるのが、オリジナルキーで吹いたときに、吹きやすい尺八の長さです。
しかし、実際の曲には例外もあります。そのときは歌の最後の音と調号の数を手がかりにしてみてください。
実際にやってみましょう。例題は「80日間世界一周」のフルートのパート譜です。
#が五つで、出だしが「B」です。上の表をみたら、長調のほうにありました。1尺9寸管が良いようです。1尺9寸管はD♭・C#管だから、変換器の「D♭・C#」を「ロ」に合わせてつかいます。
では、終りはどうかと見てみたら、面白いことに途中で転調されていました。ですから、二段階で考えないといけません。
転調の前は「B」で終わっていますので前半は1尺9寸管でOKです。
転調後は、#が四つで、出だしが「E」となります。尺八の持ち替えが必要かと、上の表を見てみたらラッキーなことにこちらも1尺9寸管でOKです。
念のために終りの部分を見てみたら「E」で終わっています。
ここまで確認できたら、あとは自信を持って変換作業をします。
なお、参考までに不都合な変換の例を示します。
この曲を1尺8寸管でキーを変えずに演奏しようとしたら、音階を構成する七つの音が、曲の前半は全部が半音の運指になり、後半は六つの音が半音になります。このようにして作られた音譜は最悪で、ただ演奏者いじめをしているようなものです。
でも、藤原道山さんの「UTA」というCDに収録されている「紅葉」は、欲しい音色を得るためにほとんどの音符が半音だと、ある講習会でご本人が仰っていました。
この表を作るために全部の音階についてチェックをしました。その一例が下の表です。
2011-02-21 05:51
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