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三味線の調絃って、どうやるの [音楽理論]

三味線は、「本調子」(ほんちょうし)、「二上り」(にあがり)、「三下り」(さんさがり)などの調絃の指示にしたがってチャッチャと調絃されます。いつも不思議だなと思いながら見ていたのですが、三味線を弾く方にやり方を聞いてみてようやくわかりました。

「本調子」、「二上り」、「三下り」という言葉は聞いたことがあっても意味が分からない方が多いと思いますので説明させていただきます。
三味線の絃は3本で、太い一の糸(構えたとき、顔に近いほう)が基準になります。

例題として、一の糸を「D」にとることにします。(実際には「C」にあわせたり、「G」にあわせたり、「A」にあわせたりすることもあります。)

  • 「本調子」は、「D・G・D」に調絃します。律差は「5・7」です。ほかの調子のベースになるので、本調子といいます。
  • 「二上り」は、本調子の二の糸を2律あげて「D・A・D」に調絃します。二の糸が1音あがっているから、二上りです。律差は「7・5」です。
  • 「三下り」は、本調子の三の糸を2律下げて「D・G・C」に調絃します。三の糸が1音下がっているから、三下りです。律差は「5・5」です。
では、「本調子」の調絃をしてみましょう。
(絃を押さえる勘処は、開放絃を0として、順に「1・2・・3・4・5・6・7・8・9・・0・1・2・3・・4・5・・・」と呼びます。)

一の糸を、調子笛やチューナーで「D」に合わせます。
一の糸の4の勘処(3と4の間に#があるので実際は5番目)が「G」ですからここを押さえながら、二の糸の開放絃と交互に弾きながら二の糸の音程を合わせます。

素人考えでは、4の勘処を押さえる時に位置がずれていたら音程が違ってしまうのではないかと思ったのですが、ちゃんと対策がしてありました。

三味線の棹(ネックの部分)は一本に見えますが実は3本の木をつないでいるのです。そして糸巻き寄りの継ぎ目が4の勘処と一致するように作られています。これだったら間違えようがありません。
013.JPG
《つなぎ目》

016.JPG
《外した状態》

なお、このときに二の糸の開放絃を弾いてチューナーで測っても「G」とは一致しません。表示は「G」と出ますが針は中央からほんの少し低いほうにはずれます。ということは三分損益法(ピタゴラス律)の調絃です。
三本の絃を一本ずつチューナーで調絃するようなことはしません。それでは平均律になってしまいます。

三の糸は、二の糸の6の勘処(3と4の間に#があるので実際は7番目)が「D」になりますのでこれと合わせます。
最後に、一の糸と三の糸がオクターブで響き合うかどうかを確認します。

そこでふと思ったのがギターの調弦のことです。ギターの一般的な調弦は低いほうから「E・A・D・G・B・E」に合わせます。最初の一本だけ調子笛やチューナーで決めますが、後は次々に音高が確定した弦を使って次の弦をあわせます。

そうするとギターもピタゴラス律?いいえ、そんなことはありません。ギターのフレットが平均律で配置されているのでフレットを基準にすると自然に平均律になってしまうのです。

では、ノン・フッレットの弦楽器ではどうかとバイオリンについて調べてみました。そこで分かったのはバイオリンの場合はピタゴラス律で調律しているということです。オーケストラの楽器は、弦楽器はもちろん、木管も金管もピタゴラス律での演奏ができるのだそうです。平均律の音しか出せないピアノと合奏するピアノ協奏曲のときは平均律に合わせます。

バイオリン関連サイトに面白いことが書いてありました。辛口ですが真実に迫る見解だと思います。

『ヴァイオリンを弾いているときというのはどんな人でも常に音程を外しながら弾いているもので、良い音程で弾くというのはどれだけ自分の音程を把握し、いかに その外し幅を小さくするか、ということにかかっています。つまり外した音を正確に聞き分ける耳と、安定した フィンガリングを行う左手の両方が備わって初めて良い音程が得られるのです。ちなみに手に対して耳が鋭いと 自分の音程は常に酷いものに聞こえ苦痛ですが、音程が向上する良い状態ともいえます。』



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