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平均律と三分損益法 [音楽理論]

reizanが所属している趣味の民謡尺八サークルで、以前に経験した出来事です。

箏の調絃が始まったので、「調絃の邪魔になるから尺八を吹くのはやめましょう。」と気を利かして声をかけたら、
他のメンバーから、「チューナーとクリップ式チューナーマイクを使ってるから大丈夫だよ。」と指摘されました。

確かにクリップ式チューナーマイクであれば、箏の龍角の部分を挟んでその振動音を拾いますから外部の音の影響を受けにくいのは知っていますが、まさかチューナーを使っているとは思っていなかったのでそのことに驚いてしまいました。

尺八が大勢の場合、宮音(基本になる音)を尺八音に合わせずに調子笛やチューナーでとることがありますが、全部の絃をチューナーで合わせる場面にその時初めて遭遇しました。

箏の調絃は中国発祥の三分損益法(日本では「順八逆六」と言い手順が若干異なりますが結果は同じ)という原理に基づいています。

箏のどれか一本の絃を例にしてみましょう。
絃の真ん中あたりに柱を立て、龍角(右端のフレット)から柱までの長さを測ります。
次に、龍角からその長さの三分の二の位置に柱を移動します。二つの長さの比は3:2です。そうすると柱を移動した後の音は元の長さで出した音の完全五度上の音になります。それも平均律ではなく純正律に近い完全五度です。

今度は元の長さに、その三分の一を足した長さの位置に柱を移動させます。二つの長さの比率は3:4です。
この時の音は元の長さの音の完全四度下の音になります。勿論、この音も平均律ではなく純正律に近い完全四度です。

これを繰り返して1オクターブの中に12の音を作るのが三分損益法です。この調絃で得られた音の組み合わせで協和音を鳴らすと、ほとんどうなりのないきれいなハーモニーが聞こえます。

最近も箏の方が、ロ一(基本の音が「D」)の平調子をすべてチューナーで合わせているのに遭遇して驚きました。
その時の曲は「花かげ」という曲です。次の音源は箏独奏ですから合奏の場合のうなり音は確認できませんが、実際に尺八で合わせると三分損益法で調絃した方がうなりがなくて気持ちが良いです。

また、耳の良い人であればメロディーが若干異なっていることに気づかれると思います。(テンポが異なるのは生演奏のためですので無視してください。)
普通の耳をお持ちの方のために、最初の2小節を例に説明させていただきます。

その部分の歌詞は、「じゅ・うー・ご・|お・き・・ん」です。このなかで赤色の部分の音が特に違っています。


《チューナー合わせ》


《三分損益法》


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