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琴古流尺八宗家の直筆譜を見せていただきました [尺八の勉強]

知り合いの琴古流尺八の先生から、荒木古童派宗家が書かれた直筆譜を見せていただきました。reizanは都山流尺八ですので記譜法が全く異なるのですが、現物を見せていただいたら体が震えるぐらいの感動を覚えました。

今は出版された尺八音譜を購入していますが、昔は師匠の音譜を書写していたものだそうです。

宗家の直筆譜というのは、直弟子の師匠方が書写した大元の音譜ですから、その師匠のお弟子さんは目にすることも出来なかったものです。それが目の前にあるのですから興奮してしまいます。

最初に見せていただいたのは、二世荒木古童の直筆譜です。ブログ掲載のお許しをいただいた上で写真を撮らせていただきました。

二世直筆譜.jpg
《二世荒木古童 直筆譜》

署名がないのになんで分かったかというと、所縁のあるお宅で発見されたことと、二世の真筆ということがはっきりしている音譜と比較して音符の文字が酷似していることで判明したそうです。

二世真筆譜コピー.jpg
《二世荒木古童 真筆譜のコピー》

二つを並べてみましょう。

二世譜比較.png
《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》

reizanがロ、ツ、レ、チ、リを一文字ずつ比較してみましたがそっくりです。

この譜を見せていただいてすぐに気づいたことがあります。それは、音価を示す中央の線や表拍と裏拍の頭を示すゴマ点がないことです。

そのことをお尋ねしたら、二世古童が手付していた頃はゴマ点は存在していなかったそうです。reizanは琴古流を創始した黒沢琴古のころからゴマ譜と思っていたので意外でした。

現在の譜の書き方とは違うのにこの譜で吹けたそうです。それはこれが「六段之調」の音譜だからです。
曲名を聞いたらreizanも唱譜できました。
よく知っている曲ですから、逆に二世古童の書き方のルールを読みとることもできたそうです。

この譜に感心していたら、これも見せましょうと三世荒木古童の直筆譜も出してくださいました。曲は同じ「六段之調」です。

三世直筆譜.jpg
《三世荒木古童 直筆譜》

三世古童の譜になると現在の書き方と同じです。ただ普通見ているのと違うのは細線とゴマ点が朱書きされていることです。
出版されているものは黒一色で見にくいのですが、これだったらわかりやすいと思いました。

reizanがしきりに感心していたら、なんと四世荒木古童の直筆譜まで出してきてくださいました。これも「六段之調」です。

 四世直筆譜.jpg
《四世荒木古童 直筆譜》

四世古童は早逝されたそうですが、音符の文字もなんとなく繊細な感じがします。

尺八に関心のない方はreizanがなぜ身が震えるほど感動したかお判りにならないと思いますが、実は二世荒木古童という方が現在の琴古流の基礎を作ったといって過言でないほどすごい方だったのです。
琴古流各派のビッグネームの系譜を遡っていくとすべてが二世荒木古童につながっているのです。

琴古流尺八の系譜.png
《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》

この系譜を調べていてわかったのですが、右端に掲載されている二世の弟子の上原六四朗(虚洞)という人が中央の細線とゴマ点の現在の琴古譜の書き方を考案したそうです。
だから二世古童の譜にゴマ点がなく三世古童からはあるのです。

なお、荒木古童に関してすごいニュースがあります。
昨年(2015年)12月に、「荒木古童の技」と題して、10枚組CD(35曲)+音譜2巻(30曲)+解説書で発売されました。
価格は10万円+税と高価ですが、荒木派の方や荒木古童の奏法を学びたい方にはお宝だと思います。

CDの演奏は名人の誉れ高い五世荒木古童の演奏で、音譜は三世荒木古童の直筆譜を画像処理して印刷した折本です。
それに二世荒木竹翁(五世荒木古童)が書きあげた荒木派の演奏技法解説(110頁)がついています。

荒木古童_0001.jpg
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荒木古童_0002.jpg
《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》


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