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尺八のアンブシュア考 [尺八演奏]

尺八演奏では同じ運指で低い音とそのオクターブ上の音を出せます。(その点はリコーダーと同じです。)
都山流では低い方を乙(おつ、琴古流では呂(りょ))、オクターブ高い方を甲(かん、琴古流も同じ)と呼びます。

尺八を吹く方のなかに、「乙と甲では吹く息の方向を微妙に変えている。」と仰る方がおられたのですが、浅学のreizanには意味が分かりませんでした。reizanの場合は乙でも甲でも息の方向は同じです。

アンブシュア.jpg

そんなこともやがて忘れてしまっていたのですが、生涯大学校の尺八クラブの練習の時にそのことを思い出す場面に出合いましたので記録しておきます。

尺八クラブの練習は月1回で13時から15時までが正規の練習時間です。そのあと16時30分までは補習と称して初心者の方が早く皆に追いつけるようにreizanが指導させていただいています。

アンブシュアの練習をした時のことです。ある初心者(といっても甲乙の吹き分けは出来ます。)の方に、乙音とそのオクターブ上の音を吹いていただきました。
乙音はちゃんと鳴るのですが、甲音に移るときに音が出ずにもたもたしました。

話は基本的なことに戻りますが、同じ運指で低い音とオクターブ上の音を吹き分けるためには息のスピードを変えなければなりません。息のスピードを倍ぐらい(イメージです。)に上げると低い音からオクターブ上の音に変わります。

甲音を出すためにスピードが必要ですから、その方は吹き出す息に勢いをつけて吹き始めます。
そうすると音高は正しいものの破裂したような耳ざわりな嫌な音が鳴ります。

そこで、reizanが勢いをつけずに乙から甲に切り替える吹き方をお見せして、要領を解説しました。
  • 同じ運指で乙から甲に移るためにはスピードが必要です。
  • でも勢いをつけて甲音に切り替えようとすると聞き苦しい嫌な音になりますから、ムラ息の指定がある場合以外はやってはいけません。
  • 息のスピードを上げる方法は、実はもう一つあります。それは唇の隙間を小さくすることです。そうすると同じ息の量でも唇から出るスピードは上がります。(ホースで散水するときに先をつまんでやると水の勢いが増すのと同じ理屈です。)
  • だから乙音を吹いたときの唇の隙間をもっと小さくするようにすればスムーズに甲音に切り替わります。
ということを理解していただいた上でやってみていただきました。
ところが、乙音はスムーズに鳴っていたのに唇の隙間を小さくすると音が鳴りません。reizanには原因がすぐにわかりました。これは唇の隙間を小さくしたときに息がスイートスポットから外れてしまったからです。

唇の隙間のサイズが違えば、隙間の大きい方が吐き出す息の幅や厚みが大きくなりますから、自然に息がスイートスポットを通ります。ところが息の幅や厚みが小さくなるとスイートスポットをかすりもせずに抜けていくということも有り得るわけです。
それを図示するとこうなります。楕円が唇の隙間で赤丸がスイートスポットです。
 
スイートスポット.png 

唇の隙間を小さくしたときにスイートスポットから外れるというのはこういうイメージです。スイートスポットから外れていれば音は鳴りません。

そこで、甲音を先に鳴らしていただき、尺八の角度を変えないように注意しながら、
次に乙音を吹いていただきそのままの体勢で唇の隙間を小さくして甲音に移っていただきました。そうしたら勢いをつけなくてもスムーズに乙音から甲音に切り替わりました。

そこで大変重要なことに気づきました。
それは尺八のアンブシュアは甲音から求めた方が良いということです。

しかし最初から甲音が吹ける人はほとんどいませんので、甲音が吹けるようになったところでアンブシュアの再確認をするというのが現実的かもしれません。


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