SSブログ
ブロングランキング参加中
ブログ村テーマ ライフスタイルブログ
ブログ村テーマ 和楽器の友集まれ!
ブログ村テーマ 旬の食材で作る料理&レシピ・食べ物

スポンサードリンク

 

アマチュア製管工房訪問記 [番外]

最近知り合った方に尺八製管をされる素人の方がおられます。
作ったものを見せていただいたら本格的に勉強しておられることがわかりましたので、reizanの愛管の小修理をお願いしました。

そのことを知り合いの琴古流の先生にお話したら、ぜひ紹介していただきたいとおっしゃるので、アポを取って琴古流の先生とともに工房を訪ねました。

広い敷地に母屋があって、その脇に一坪強の工房建屋がありました。(ご本人の許可を得て内部の写真を撮らせていただきました。)

工房に入って正面の腰壁に掛けてあって目を引くのがこれです。

1503050002.JPG

尺八の内径を調整するための道具です。先端に紙やすりが巻きつけてあります。

尺八は真竹で作りますが、ただ節を抜いただけのものではありません。内部に砥の粉を塗って内径を狭め、その上に漆を塗っているのです。管頭部分では内径20mmぐらいですが、第一孔付近の一番細いところでは内径が14mmぐらいに調整します。つまり上の道具は、この内径調整に使うやすりです。

そのほかにも尺八を作るために欠かせない道工具と治具が完備されていて見ているだけでも楽しかったです。

この方が尺八製管を志すようになった理由も伺いました。

その前にreizanが塩ビ管尺八をつくるようになった理由からご説明します。それは文部科学省の学習指導要領が変わって、小・中学校で和楽器(何でも良い)を体験することになったのが切っ掛けです。
万一、協力要請を受けた時に対応できるようにしておくためには塩ビ管尺八を揃えておくのが一番安上がりで管理も簡単(割れない)だと思ったからです。その前に、訓練校で建築配管と建築大工の勉強をしていたのが大変役立ちました。

さて本題にもどってこの方が尺八製管をするようになったのは、定年後に尺八を習おうと思って都内の楽器店がやっている講習会に2回参加されたそうです。

それが1回目は都山流で2回目が琴古流だったため、ちんぷんかんぷんでさっぱりわからなくて(reizanもその店が主催する都山流の先生の単発の講習会に参加したことがありますが、初心者が習うための講習会ではなくて吹ける人がもっと上手になるように習うためのものですからもともと無理があったのだと思います。)、それで嫌になって、ネットで製管教室があることを知ってから1年間そちらに通い、今も勉強しているそうです。

工房の壁回りに作品が置かれていました。撮影したのはごく一部ですが、この方の趣味の歴史を知る上ではほとんど網羅されています。(左から、鎌倉彫、尺八、切り絵、仏像、陶器)

1503050006.JPG

 

最初はカスタムナイフを作って販売もされていたようですが、ナイフを使った事件が起きてから嫌になってそれは止められたそうです。

1503050003.JPG
《手元に残っている作品》

それから刃物の調整ができることを活かして「鎌倉彫」や「切り絵」に挑戦され、「仏像」まで彫っておられました。

また陶芸もやっておられて工房内には電動ろくろと焼成窯までありました。

尺八は太目のものが多かったので1本だけ試奏させてもらいました。
reizanが吹いた後で種明かしをしてくれたのですが、それは、reizanの塩ビ管尺八にインスパイアされて、内径を上から下まで2㎝にした塩ビ管タイプの尺八でした。reizanは塩ビ管尺八に慣れているので良く鳴りました。

それから、面白かったのは尺八の歌口の材料です。これなんだかわかりますか。

1503050007.JPG

reizanも分からなかったのですが鯨の歯だそうです。これを細く切りだして歌口のエッジの部分に加工しています。

尺八の歌口としては象牙や水牛の角が使われますが、象牙はご禁制品になりましたので、今は水牛や樹脂製が多いようです。
鯨も調査以外では取れなくなっていますので鯨製品も入手しにくいはずですから、絵を描いて工芸品として輸入されたものかと思いましたが、そこら辺の事情はご存じではありませんでした。

お暇するときに、「この工房も自分で建てました。」と仰るではありませんか。reizanが木工を勧めてもあまり乗って来られなかったのですが、ちゃんとやっておられました。
工房は掘立小屋ではなく、基礎をして土台を置いて本格的に作られていました。

この人はどこまで器用なのだろうと感心しました。

 



共通テーマ:趣味・カルチャー
スポンサードリンク

ブログランキングに参加しています。
更新の励みになりますので応援よろしくお願いします。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。