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先日見せてもらった「鳩と烏の欄間」は凄いお宝でした [知識・情報]

またまた「関心のあるところに情報が集まる」を身をもって体験しました。

図書館に寄って、何気なく本のタイトルを眺めていたら、「波の伊八」という文字が目に入りました。気にしていなかったら見過ごすところですが、先日、波の伊八作の欄間を見せてもらったばかりですから関心が継続していたということです。

本のタイトルは、「名工波の伊八、そして北斎 ―伊八五代の生涯―」です。新しい本で今年(2015年)5月に初版が発行されています。
伊八五代というのは、伊八の名前が五代(初代(1751~1824)から五代(1890~1954(昭和29年)))に渡っておりそれぞれの生涯に触れているということです。

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《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》

著者がはじめにに書かれているのですが、なんで「北斎、そして波の伊八」でないの?と思われるかもしれません。
実は、北斎の作品の中でも特に有名な「神奈川沖浪裏」に影響を与えたのが初代波の伊八の欄間彫刻「波に宝珠」なのです。「神奈川沖浪裏」は初代伊八の没後に発表されています。
だから波の伊八が先で北斎が後です。

さらに、北斎の「神奈川沖浪裏」の擦り絵がヨーロッパにも伝わり、ゴッホなどの画家に大きな影響を与えたり、ドビュッシーの交響詩「海」の着想に影響を与えたと言われています。

つまり、初代波の伊八 ⇒ 葛飾北斎 ⇒ ゴッホ、ドビュッシー等 という流れになります。

伊八の作品で一般に紹介されているものは大半が寺院などに所蔵されているものです。でも先日見せていただいたのは個人宅に秘蔵されているものですからまさか載っていないだろうと思いつつぱらぱらとページをめくっていたら、30ページに見たような置物の写真がありました。

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みかんとお聞きしていたのは橘でした。この本によると作者は三代伊八(武志伊八郎信美)でした。
橘はこの家の家紋を彫らせたもので、このような皮を剥いた作品は他に類がなくここだけの特注品とのことです。

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《reizan撮影》

鳩と烏の欄間彫刻は、右側の烏の方から順に、「反哺の図」「三枝の図」(1867年(慶応3年、大政奉還の年)作)と紹介されています。意味は前にreizanが書いた通りです。
reizanが見た時には気づきませんでしたが、「反哺与三枝図朝夕観之戒自己」という漢文が彫られているそうです。
「反哺与の図と三枝の図、朝夕これを見て自己を戒めなさい」ぐらいの意味でしょうか。

著者は「信美(三代)の作品中、個人所蔵の欄間二面が傑作であろう。」と記されています。そんな貴重なものを直接見せていただいたことが奇跡のように思えます。

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《反哺の図(部分)》

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《三枝の図(部分)》

御当家は昔三代に亘り名主を務めた家柄で、醤油業もしていたそうです。
当時の御当主が学のある儒学者で書家でもあったことから、このような教訓的な図柄を依頼されたものと推察されています。

書院欄間の鯉の図は、「子母鯉魚優游の図」と紹介されています。漢文は「亦将為子孫教戒別刻子母鯉魚優游図以祝代々之繁栄」です。
子孫教戒のために彫らせたもので、子孫の繁栄を願う御当主の気持ちが伝わってきます。これには三代目武志伊八郎信美の銘が彫られているそうです。

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子母鯉魚優游の図(左部分)

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子母鯉魚優游の図(右部分)》 


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