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5セント [音楽理論]
「5セント」といってもアメリカの通貨のことではありません。ここでいうセントは音楽関係の言葉です。
セントは音程を表す対数単位で、半音の100分の1が1セントになります。関係式は次のようになります。
1オクターブ = 1,200セント
半音一つ = 100セント
周波数をみたときオクターブの半音ずつの音程は高音ほど大きくなりますが、セントの場合は等間隔になります。
つまりCからC#の間も、BからCの間もすべての半音の音程が100セントになります。
普通は歌うときも演奏するときも、基準となるA音の周波数をいくつにするか(以前はA=440Hz、最近はA=442Hzが多い)が決まれば、皆がそれに合わせて調律することで合唱・合奏ができます。だから普通はセントのことを気にする人はいませんし、気にする必要もありません。
ところが次のような場面ではセントが重要な意味を持ってきます。
reizanの体験ですが、「ままの川」という古曲を練習するのに宮城喜代子さんや宮城数江さんが演奏されているCDと合わせて練習しようとしたのですが、ピッチが合っていませんでした。
昔の録音では歌う人のキーに合わせて半音も違っていたりというのがありますが、このCDは半音違っているものではありませんでした。ほぼ同じだけど微妙にずれているという感じです。
reizanは絶対音感は持っていませんが、長年尺八をやっているうちに相対音感が鍛えられて、同じ音高か、音高がずれているかが分かるようになりました。
だからCDと尺八のピッチがずれていると気になって仕方ないし気持ち悪くなります。
なんだか釈然としないまま練習していたのですが、ふと、原因ではないか思えることに気づきました。
それはピッチの違いです。
reizanの愛用している1尺8寸管のピッチはA=442Hzですが、CDは古い録音なので昔流のやり方でA=440Hzで録音されているのではないかと思ったのです。
CDを再生しながらチューナーで測定したらA=440Hzの設定で針が中央に振れました。やっぱり思った通りでした。
この対策としては二つの方法があります。
- A=440Hzの尺八に持ち替える
- CD音源のピッチをA=442Hzに上げる
その方法は、
- CDのデータをパソコンに取り込む
- データをmp3に変換する
- フリーソフトの「s8Tunes」でデータの音程をセント単位で変更する
この場合に100セント上げれば半音高くなってしまいます。実際の音程差は極わずかですから1セントから数セントぐらいまでの間に正解があるのだろうと考えました。
そこでreizanがとった方法は、チューナーをA=442Hzに設定して、音源を1セントずつ上げながらチューナーの針が中央に振れるセント数を探りました。
その結果、5セント上げればほぼ気にならないところまで音程が合うことが分かりました。(Aの2Hzの差が本当に5セントで良いのかどうか実際のところはわかりません。)
その結果を踏まえて、「s8Tunes」で音程を5セント上げたデータをつくりパソコンに保存しました。
これでいつでも気持ち良く合奏練習ができます。
「s8Tunes」というソフトは、たつあきさんという尺八愛好家の方が開発したソフトだそうです。最初のsがsyakuhachiのsで、8は尺八の八だと聞いたことがあります。
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