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指孔の直径 [尺八改造]

管楽器の場合、指孔を開閉するのに二つの方法があります。一つはフルートのようにキーを使うものです。そしてもう一つが尺八のように指で直接開閉するものです。

キーを使うと普通では届かないような位置の孔まで開閉できて便利ですがその分構造が複雑になります。その点尺八は真竹の節を抜いて表に四つ、裏に一つの孔をあけているだけですから構造は至ってシンプルです。

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ところで、伝統芸能の稽古を始める時期について「6歳の6月6日から始めると上達する」というのがあります。ピアノやヴァイオリンの場合はもっと早くて3歳ぐらいから始められているようです。

尺八の場合はそういう人はいません。尺八演奏家の藤原道山さんは小学4年のころから稽古されていたと聞きますが例外中の例外です。

プロの尺八演奏家のなかには大学に入ってクラブやサークルで始めましたという方が何人もいらっしゃいます。
数年或いは10数年でプロになってしまえるのですから、案外効率の良い楽器といえます。

なぜ稽古を始める年齢が遅いかというと、それは指孔を完全に塞げるようにならないと演奏できないからです。

指孔の間隔は長管ほど広く、単管ほど狭くなります。1尺8寸管よりも1尺6寸管の方が指孔の間隔が短くなるということです。

reizanは1尺4寸管から2尺1寸管まで(1尺5寸管だけ塩ビ管)持っていますが、2尺1寸管は表の孔を直線上に配置すると第1孔が塞げないため少しずらしています。

短ければ指孔に届きやすいのですが、行き過ぎると指同士が干渉して操作できなくなるため短管は1尺3寸管が限度と言われています。

reizanがアドバイスしている方の中に手のサイズが小学生並みの高齢者の方がいらっしゃいます。指の長さが短いreizanよりもさらに中指で1㎝ぐらい短いからかなり厳しい状況です。

さらに指の可動範囲が狭くて、特に第3孔の下にすき間ができやすく、そうなると甲高い異音が出てまともな音程で鳴らすことができません。

苦肉の策として第3孔の孔位置をずらして練習していただいていましたが、だんだん慣れてきて最初の位置でもいけそうになったので孔位置を元に戻していただきました。

しかし完全に塞ぐ動作はちょっと無理をしている状態なので、気を抜くとすぐに第3孔の下にすき間が出来てしまいます。

また、孔位置をずらすのもどうかなと思ったのでずっと考えていました。そして閃いたのが孔の径を小さくするということです。

尺八の標準的な指孔径は10ミリです。指孔径が大きくなるほど音の抜けが良く鳴りますから、音量重視の人は穴径を11ミリにすることがあります。

ということは、逆に孔径を小さくずれば音の抜けは悪くなるけど孔の下の方が塞がれます。
10ミリを9ミリにした場合、下の方が1ミリ塞がれます。(孔の中心を変えなければ周囲の0.5ミリが塞がれる計算になりますが、それでは音程が変わってしまうから孔の頂点の位置は変えません。)

その理屈をご説明して、ご本人が納得の上で孔径を変えていただきました。(下の孔)

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こういうことが簡単にできるのは、生涯大学校で尺八の製管をしているアマチュアの方に出会ったからです。孔をあけるだけだったらreizanでもできますが、きれいに孔を塞ぐところが凄いと思います。


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