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外壁塗替えの不思議な新聞広告にはまったら奥が深かった [雑感]

新聞を読んでいたら不思議な広告が目にとまりました。

壁塗装_0001.jpg

塗装業の某社の有料モニター募集広告です。

要点を整理すると
  • 30年経っても光沢を80%以上保つ外壁塗替えのモニターを先着10棟限定で募集
  • 通常価格1平方メートルあたり9,400円を5,400円(42.6%引き)で施工
  • 20年間保証
がポイントだと思います。

まずもってわからないのがモニターの目的です。
モニターの壁塗替えをしても塗替えた当初は他社と差別化できるはずもありません。現物の場合は30年後に80%以上の光沢を保っているかどうかは30年後でないとわかりません。先行投資にしては気が長すぎます。業者さんとしてはPRの材料として施工したという事実のみが欲しいのかもしれません。

20年保証の意味もよくわかりません。30年たっても光沢を80%以上保てるというのに、保証期間が20年というのには何か含みがあるのでしょうか。(因みに、光沢の測定は光沢計(グロスチェッカ)でできます。)

そもそも耐用年数というのは実際にその年数を経過して実証されるものではありません。
短期間で年単位の劣化を確認するために、実際よりも劣悪な環境に晒して劣化を加速させる促進耐候性試験で行われるのが普通です。

サンシャインウエザーメーター.jpg
《写真クリックで拡大、「←」クリックで戻る》
 
上は、あるメーカーのハイドロコートという塗料(青色の線)の光沢保持率グラフです。サンシャインウエザーメーター試験という方法で加速試験を行っています。
試験時間の300時間(12.5日)が1年に相当します。グラフでは4,500時間(15年相当)まで90%以上の光沢を保持していますが折れ線はそこでプツンと切れてしまっています。それは、ここまでで試験時間が4,500時間=187.5日(約半年)かかっていて更なるデータを得ようとしたらもっと期間がかかるということです。おそらく、この商品が発売された時点ではこのデータだけでダントツの商品だとアピールできたのではないかと思います。

最近の研究開発ではリードタイムの短縮が求められ、促進耐候性試験が開発されています。
あるスーパーハイブリッド塗料の試験はその新しい方法で行われています。

ハイブリッド塗料.jpg
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青色の線がスーパーハイブリッド塗料です。このグラフでは何時間が1年に相当するのか、肝心のことが記載されていませんのでわかりませんが、80%以上の光沢保持率が30年以上ということであれば、1,000時間(41.7日)が30年相当になりますから、試験期間は約1か月半で済みます。(逆算すると試験期間の33.3時間が1年に相当するようです。)

フッ素樹脂塗料の光沢保持率が80%を切るのが15年ぐらいと言われていますので、そこに注目すると80%は600時間のところになります。ということは試験期間の40時間が1年に相当することになります。
上のグラフで青い線が80%の線と重なる1,000時間のところは、1,000÷40で25年相当になります。
塗料メーカーのサイトでは、「80%以上の光沢を30年以上保持」ではなく、「80%以上の光沢を25年~30年保持」となっていますからreizanの分析もそれほど外れていないと思います。

スーパーハイブリッドC.jpg
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それにしても、ちっちゃな新聞広告にはまって思いがけない勉強してしまいました。
なお、価格が高いのか安いのかはreizanの知識ではわかりませんでした。



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