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尺八の裏吹き研究について [音楽理論]

「尺八の裏吹き」といっても怪しいことではありません。

reizanのやっている三曲(箏・三絃との合奏)の場面では使うことはありませんが、民謡の伴奏尺八ではお馴染みの手法です。

伴奏は歌い手の声の高さに合わせないといけませんが、キーの種類は12ですから単純には12本の長さの違う尺八を準備しなければなりません。そういうことは誰でもできるわけではありませんから少ない本数で多くのキーに対応しようというのが裏吹きの目的です。

どうするかというと、例えば一般的には使用する尺八の一番吹きやすいキー(D)で吹きますが、同じ尺八でキーを(A)に変えて(移調して)吹くという方法です。そうすると単純計算で半分の本数で対応することができます。

尺八を吹いている人のあいだでは、このようにロ調子(「ロ取り」とも云う)をチ調子(「チ取り」)にキーを変えて吹くことを裏吹きと呼んでいます。
ロ調子をレ調子(G)に変えたりハ調子(C)に変えたりすることもできるのですがこの場合は裏吹きとは呼ばないようです。

民謡尺八専門の人はなんにも見ずに簡単に裏吹きをされますが、reizanの場合は楽譜を見ながらでないと吹けませんからマジックを見せられているような気持ちになります。
D→A、D#・E♭→A#・B♭、E→B・・・と紙に書いていけばすべてを書き直せるのですが、それを頭の中で換算して移調しながら吹いていくというのは大変そうです。

そこで、簡単に裏吹きができる秘密の方法があるのではないかと思って、表吹きと裏吹きの関係を分析してみました。
本調子、二上り、三下りなどいろいろな曲に出てくる音のパターンを比較しながら、ロ調子に出てくる音を調べました。

そうすると案外簡単な原理だということがわかりました。
民謡も洋楽と同じく1オクターブの中には12の音高がありますが、一曲のなかでその音を全部使うわけではありません。基本的には5音だけです。

ということは、五つのパターンさえ覚えれば良いということになりますから慣れれば頭の中で変換しながら演奏することも可能なような気がしてきました。

今回の研究のまとめは次のとおりです。

裏吹きのコツ.jpg
《写真クリックで拡大、「←」クリックで戻る》 

民謡の大半は陽旋法ですから赤い線で囲んだ5種類の音で曲が出来ています。それ以外のものは陰旋法の曲だったりして違う音が使われていることがあります。
でも基本の五つだけを押さえておけば、それから半音下がった音とか1音下がった音の名前はすぐに出てきますからあえてほかを覚える必要はありません。

さらに言えば、元々ロ調子をチ調子に変えるのですから、ロ→チは改めて覚える必要もありません。
そうなると覚えるのは四種類です。

五つのパターンの共通点を探してみると、基本音階の下降順ツ・ロ・ハ・チ・レ・ツ・ロを三つずつ切り取って真ん中の音名を除いた組み合わせになっていることがわかります。ただし、チ→ツのツだけがメリ音(琴古流では中メリ)になります。

覚え方のコツは、最初に次の二つを徹底的に覚えます。
  1. ロ→チ
  2. チ→ツのメリ(琴古流ではツの中メリ)
残りはあと三つですが、特殊音符は出てきません。
  • ツ(ロ)ハ   ツ→ハ
  • ハ(チ)レ   ハ→レ
  • レ(ツ)ロ   レ→ロ
ここまでわかると、すっかりできるようになった気分です。分析してみると案外簡単なことでした。

なお、表吹きを裏吹きに直すということは5律下げることになりますから、乙のツがロの大メリとなりこれより下の音は出せません。元譜に乙のツ以下の符があったらオクターブ上げて吹くことを考えたほうが良さそうです。

 



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