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利益率、原価率 [番外]

落英.jpg


黒川博行さんの「落英」という小節を読んでいてエッ!と思ったことがあります。気になったのは96ページの利益率という言葉の使い方です。内容は大阪府警の捜査員が薬物の販売ルートと価格の話をしている時の地の部分です。

商品の流れは、製造元→卸元→仲卸→小売→客となります。
卸元の仕入れ値が 2,700円。売値が10,000円。
仲卸の仕入れ値が10,000円。売値が30,000円。
小売の仕入れ値が30,000円。売値が70,000円。

最初と最後の値段を比べると約26倍にもなっていますがこれはご禁制品だからでしょう。

本の中ではそれぞれの値段を示したあとで、『末端へ行くほど利益率が高いのは、その分、逮捕の危険性が高いからだ。』と書かれています。
実際はどうでしょうか。計算してみますと、
卸元の仕入れ値が 2,700円。売値が10,000円。売上高利益率73%
仲卸の仕入れ値が10,000円。売値が30,000円。売上高利益率67%
小売の仕入れ値が30,000円。売値が70,000円。売上高利益率57%

末端に行くほど利益率は下がっています。利益が増えているのと利益率が高いは実際には違います。
では小売が得かというとそうとも言えません。取扱量が違いますから量に対して利益率が効いてくる卸元の方が大儲けをする仕組みになっています。

ここまで利益率という言葉を無意識につかってきましたが厳密にいうと、ここまでのは売上粗利益と言われるもので、経費などを除いた純利益が本当の儲けになります。

一般には、粗利益率よりも売上高原価率で表す例が多いようですのでそちらで見てみましょう。

卸元の仕入れ値が 2,700円。売値が10,000円。売上高原価率27%
仲卸の仕入れ値が10,000円。売値が30,000円。売上高原価率33%

小売の仕入れ値が30,000円。売値が70,000円。売上高原価率43%

飲食関係では、原価率が20%前後が相場で30%を越すと潰れる店が出てくると言われています。
大手メーカーの例ですと、希望小売価格の20%前後、中小メーカーでは希望小売価格の30~50%前後が原価率の相場でしょう。

大手メーカー、仲卸が二つ、小売が一つ、希望小売価格10,000円メーカー原価率20%の商品で、それぞれが売上高の30%の粗利益を取るとしたら、計算上は、

メーカー原価が2,000円。売値が2,857円。
仲卸1の仕入が2,857円。売値が4,081円。
仲卸2の仕入が4,081円。売値が5,830円。
小売店の仕入が5,830円。売値が8,328円。

となり、8,480円(希望小売価格の15%引き)ぐらいの値札を付けて売り出し、在庫処分の頃になると5,980円(希望小売価格の40%引き)ぐらいになるのではないでしょうか。それでも原価ベースでは損しません。

ここまで見てくると通過する店の数が少ないほど高い利益を取りやすいことがわかります。しかし、不動在庫を抱えてしまうリスクもありますから仲卸に供給や在庫のバッファ的な役割を持ってもらっている面もあります。そういうせめぎあいで市場が成り立っていると考えると面白いですね。



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