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目的と手段 [推薦図書]

勤務時代に教えられたことで今も肝に銘じていることがあります。それは、「目的と手段を取り違えてはいけない」ということです。

手段が目的になっている間違いは世の中にあふれていますから、真の目的はなにかを見抜く目と感性が身についていれば半ば人生の成功者と言えるでしょう。あとは運と努力で残りの半分を埋めてやれば完璧です。

目的・手段に欠かせない「目標」も加えて、ここで言葉の定義を確認しておきましょう。

目的手段目標.png

例えば、震災ボランティアについて考えてみましょう。
コーディネーターから「あなたは瓦礫の片づけを手伝ってください。」と言われたとき、「瓦礫を片付ける」というのは真の目的ではありません。これはあくまでも手段です。

真の目的は、被災された方の生活復旧です。そのためにやらないといけないことはたくさんありますが、自分はその中の片づけを担っているのだという自覚を持てば、目的と手段を取り違えることはありません。

そして、目標は目的を達成したかどうかを測る指標です。例えば「敷地内の瓦礫をゼロにする」というようなのが目標です。
ボランティアの人はこの目標の達成を目指して働きます。
しかし、敷地内の瓦礫がゼロになっただけで生活復旧ができたとは言えません。

だから、一つの目的に対していくつかの目標が立てられ、その目標に向かって手段が講じられるという流れになります。

では、目的・目標・手段のなかでなにが一番大事かといえば、それは目的以外にありえません。

でも世の中には、この目的があいまいなまま進められていることが結構あります。そうすると一人ひとりが違った目的をイメージしながら取り組むため、何かを始めても先でぎくしゃくして上手くいかなくなってしまいます。本当にこういう例は世の中に多いです。

最近、「花も嵐も」という本を読んでとくにそう思うようになりました。
池田隼人という昔の首相の伝記です。

花も嵐も.jpg

1960年に首相に就任されていますから、reizanが小学6年生の時です。

就任の時に小学生でもわかる言葉で目標を示されました。それが「所得倍増」です。経済成長(手段)によって10年後に給料を今の倍にする、というものです。

日本は戦争に負けて日々の食糧にも事欠く状態から徐々に回復してはいましたが、給料が倍になるなど庶民には夢物語のようなことでした。
でもこの首相はその目標を約7年で達成させてしまいました。今の経済大国日本はこの人が作ったといっても過言でないくらいの政治家です。

あらためて考えてみますと
  • 「所得倍増」
  • 「アベノミクス」
前者は小学生でもやりたいことわかりますが、後者は大人にもよくわかりません。
安倍首相のやっていることの良し悪しではなく、キャッチフレーズの分かりやすさについての評価です。

「所得倍増」は目標と申しましたが、では目的はなんだったかのかというと、それは1963年の1月の通常国会の施政方針演説で示された「人つくり国つくり」だったようです。

「アベノミクス」は目的・目標・手段のうちの何かというと、これは手段の総称です。その手段で達成すべき目的は何かというと、それは首相官邸公式サイトによると「デフレ不況からの脱却」と「富の拡大」であり、「持続的な経済成長(経済の好循環)」を目指しているようです。

「所得倍増」のような分かりやすい最終到達目標が示されてなくて、「より良く」というような文脈になっているためわかりにくいのかもしれません。

「花も嵐も」のなかには吉田茂以降の政党のことも書かれています。鳩山一郎氏首相の誕生経緯や言動を読むと孫の首相と似ている点があって、そういう家系なのだと妙に納得してしまいました。
本書は池田隼人という人を知るだけでなく、戦後の政界の流れを知るうえで貴重な一冊だと思いました。

Amazonの中古本で、200円前後+送料で購入できます。団塊の世代にお薦めしたい人物伝です。

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