ブログ村テーマ ライフスタイルブログ
ブログ村テーマ 和楽器の友集まれ!
ブログ村テーマ 旬の食材で作る料理&レシピ・食べ物
スポンサードリンク
琴古譜解読 [尺八演奏]
尺八の二大流派は、「都山流」と「琴古流」でreizanは都山流の勉強をしています。
二つの流派の一番大きな違いは記譜法が違います。どちらも縦書きのタブラチュア譜(音高ではなく運指が示されている)という点は同じで、音符も同じものが多いのですが、音価の表し方が全く違います。
都山流は流祖先生が五線譜を参考にして記譜法を考えられていますので、音符の右側に添えられた線の本数で音価がわかるようになっています。
一つの音符の横に一本の線があればその音符は四分音符です。
一本の線の中に二つの音符があれば、二つを合わせたのが四分音符ですから、音符一つは八分音符になります。
音符の横に二重線があればその音譜は十六分音符、三重線があれば三十二分音符となります。
運指を表わす音符はカタカナ書きで、基本的な5音は、都山流の場合はロ・ツ・レ・チ・ハ(1尺8寸管の場合、ハ長調のレ・ファ・ソ・ラ・ドにあたる)、琴古流はロ・ツ・レ・チ・リ(リのオクターブ上の音はヒ)と書きます。
都山流で八分音符を単独で表わす場合は音符の横の線に読点「、」のような点を書き加えます。結果はカタカナの「ト」のようになります。音符の「ロ」の横にこれを加えると「ロト」となります。
レの四分音符だと「レ|」(実際の縦線はもっと左寄り)です。尺八譜を知らない人が見るとハングルに見えるらしいです。
琴古流の記譜法は、音符の文字の中央に縦線を書いて音価を表わします。二重線の場合は十六分音符、一本線の場合は八分音符で、四分音符以上は縦線なしです。さらに、一般にゴマ点と呼ばれる黒点との組み合わせで音価が決まる場合もあります。
門外漢のreizanにとってはチンプンカンプンだったのですが、尺八サークルで琴古流の方と一緒に遊ぶうちに解読方法が少しわかってきました。
ゴマ点が右にあったら表拍、左にあったら裏拍ということは早いうちに覚えたのですが、曖昧な理解しかしていませんでした。正確には、右のゴマ点は表拍の頭の位置、左のゴマ点は裏拍の頭の位置を表わします。
表拍の頭の位置ではまだ前の音が続いているとか、休みが続いている場合は、表拍の頭の位置に空位を示す「〇」を書きます。裏拍の頭の位置ではまだ前の音が続いているとか、休みが続いている場合は、裏拍の頭の位置に空位を示す「△」を書きます。
〇は右、△は左です。記号のサイズはゴマ点と同じぐらいの大きさです。なお、右側の〇は記載省略されることが多いです。
こういうことがわかってから琴古譜を見直してみたら音価が読めるようになりました。次の譜の左側は表拍から始まっていて、右側は裏拍から始まっています。
左の方は最初のツの横にゴマ点がありますからここが表拍の頭で、十六分音符のツが二つ続いていることがわかります。
単純に中央の線の本数だけを見ていると音価を間違えるという例です。
同じ内容を都山譜で表わすと次のようになります。参考までに1尺8寸管で吹いた場合の五線譜もつけておきます。
それでは次にもう少しややこしい例題を出しましょう。これが読めたら大概の琴古譜の音価を読めると思います。
初めのロは甲音です。
正解は、この「リ」は十六分音符です。読み解いていきましょう。
最初のロは十六分音符ですから四分の一拍です。次のチは八分音符ですから半拍です。△で示された裏拍の頭の位置ではまだチの音が鳴っている最中ということになります。そしてチが鳴り終わったところが四分の三拍目の終わりの位置になります。ということはその次にあるリは当然十六分音符で音価は四分の一拍になります。
都山譜と五線譜で表わすと次のようになります。
もし「チ」に中央線が無くて、△の記号もなかったとしたら、チの音価は四分の三拍で、二重線のついた「り」は拍子外となります。
理屈はよくわかったのですが、では琴古譜を見ながら演奏できるかというとreizanには無理です。
reizanが書き直せるぐらいですから統一した尺八譜というのができれば喜ぶ人は多いと思うのですが、それぞれの流派に独自の手法があってなかなか難しいのが実情のようです。
ブログランキングに参加しています。
更新の励みになりますので応援よろしくお願いします。
にほんブログ村