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漢字が違う [三曲]
三省堂の国語辞典のなかでも代表的なのが「三省堂国語辞典」(愛称:三国)と「新明解国語辞典」(愛称:新明解)です。
「三国」は載っていない言葉がないというぐらい取り上げている言葉が多いのが特長です。他の辞書が時期尚早と躊躇するような現代語まで取り上げられています。用例採集の達人と云われた見坊先生の意志をついで現代人が普段使う言葉はほとんど漏れがありません。
もう一つの「新明解」は、笑える辞書という異名がつけられるぐらいユニークな語釈で有名です。
当初は見坊先生と山田先生が仲良く作っていたのですが、第4版で「見坊、事故あり」として見坊先生の名前が外されたところから二人が断絶したというエピソードが残されています。
reizanが持っている「新明解」は第3版ですから見坊先生と山田先生の名前があります。
(有名な金田一先生の名前もありますが、これは営業用のようです。)
「三国」は載っていない言葉がないというぐらい取り上げている言葉が多いのが特長です。他の辞書が時期尚早と躊躇するような現代語まで取り上げられています。用例採集の達人と云われた見坊先生の意志をついで現代人が普段使う言葉はほとんど漏れがありません。
もう一つの「新明解」は、笑える辞書という異名がつけられるぐらいユニークな語釈で有名です。
当初は見坊先生と山田先生が仲良く作っていたのですが、第4版で「見坊、事故あり」として見坊先生の名前が外されたところから二人が断絶したというエピソードが残されています。
reizanが持っている「新明解」は第3版ですから見坊先生と山田先生の名前があります。
(有名な金田一先生の名前もありますが、これは営業用のようです。)
「新明解」がなぜ笑えるのかというと、本来、客観的な記述が建前の国語辞典に主観的な語釈(といっても個人的な意見ではなく世の中の大半が「そうだ。そうだ。」と言いそうな内容)が盛り込まれているところが稀にあるからです。(これを探し出すのも楽しみの一つです。)
例えば、「善処」を見ると、
ぜんしょ[善処]ーする うまく処理すること。(政治家の用語としては、さし当たっては なんの処置もしないことの表現に用いられる)、という語釈になっています。「王様の耳はロバの耳」と言ってしまった子供のような素直さがあって好きです。
それでは「忖度」はどうかと見てみたら普通の語釈しかありませんでした。第3版が発行された昭和56年(1981年)ごろは上位者に対する忖度が善行と思われていたからでしょうか。
その「新明解」で漢字の使い方の間違いを見つけました。「こと」の漢字と語釈がマッチしていません。
例えば、「善処」を見ると、
ぜんしょ[善処]ーする うまく処理すること。(政治家の用語としては、さし当たっては なんの処置もしないことの表現に用いられる)、という語釈になっています。「王様の耳はロバの耳」と言ってしまった子供のような素直さがあって好きです。
それでは「忖度」はどうかと見てみたら普通の語釈しかありませんでした。第3版が発行された昭和56年(1981年)ごろは上位者に対する忖度が善行と思われていたからでしょうか。
その「新明解」で漢字の使い方の間違いを見つけました。「こと」の漢字と語釈がマッチしていません。
この語釈に対応する「こと」の漢字は、「箏」です。
「こと」には、「箏(そう)のこと」と「琴(きん)のこと」があります。
普通「こと」と言っているのは「箏(そう)のこと」のことです。柱(じ)で音程が調整できるようになっています。
「琴(きん)のこと」は、原則、柱を使わず勘所を押さえて音程を調整するか、音程調整された多数の絃が張ってある楽器で、前者には一絃琴や大正琴、後者にはビルマの竪琴(サウン・ガウ)などがあります。
三曲愛好者にとっては常識的なことですが、国語研究者の方には縁遠いことで間違えられたのでしょう。
「こと」には、「箏(そう)のこと」と「琴(きん)のこと」があります。
普通「こと」と言っているのは「箏(そう)のこと」のことです。柱(じ)で音程が調整できるようになっています。
「琴(きん)のこと」は、原則、柱を使わず勘所を押さえて音程を調整するか、音程調整された多数の絃が張ってある楽器で、前者には一絃琴や大正琴、後者にはビルマの竪琴(サウン・ガウ)などがあります。
三曲愛好者にとっては常識的なことですが、国語研究者の方には縁遠いことで間違えられたのでしょう。
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