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「琴と尺八」の原本を読みました(その2) [推薦図書]

「琴と尺八」を読んだ話の続きです。

尺八と箏の演奏上の役割分担についても、それとなく習ってきたことですがこうして書きものになっているとより明確になります。
宮城の新しい曲では尺八を主とした曲では尺八に旋律をとらせ箏は伴奏をするけれども、三曲では尺八はあくまでも伴奏で箏と三絃の飾りになっているものです。調和を破ってブーブーやるのは間違った考えです。尺八が主になった曲は三曲にはありません。

また、古い三曲では尺八が尺八が初めから終わりまで、吹き通しに吹いていますね。箏と三味線の曲を尺八がその通り吹いてゆくんだから、いいところだけ吹くといいと思いますがね。という宮城の意見は新鮮です。
「松竹梅」の尺八譜だとB5版で6ページもあり、途中でページめくりをする暇もありませんから6ページを横並べに並べます。(尺八の譜面台は蛇腹式になっていて横に1m以上広がります。)

琴と尺八_150.jpg
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箏の流派との関係も、いつも言われていることが書かれていて変わらないものだと思いました。
山田流は歌を聴かせることをメインにしていますから伴奏なしで歌い出す部分があったりします。そこに尺八の音が入ったりするものですから邪魔だと言われます。歌を生かすためには公刊譜どおりではいけないという部分もあるのです。

琴と尺八_154.jpg
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「春の海」を有名にしたバイオリニストのルネ・シュメー女子のことも書かれています。半音の音律が高いという指摘です。
三曲の半音は平均律のよりも低く演奏しますからピアノとは合いません。(ピアノと合奏するときは平均律で調弦します。)

本の中で指摘しているのはバイオリンが平均律で弾かれていたということでしょうか。文脈からはそう読みとれるのですが、ピアノが入らない場合、バイオリンは純正律にチューニングされますから半音は低くなっていて問題ないはずですが、半音の下がり具合が違うのかもしれません。(これは今後の研究課題です。)

琴と尺八_158.jpg
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フルートで日本式のメロディーを演奏すると、音階がはっきりしすぎて合わないという指摘も面白いと思いました。

琴と尺八_160.jpg
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再び、尺八とフルートとピアノの音律の違いに言及されています。余程気になるみたいです。
reizanも最近やっとその違いを聴き分けられるようになりましたから、その気持ちがよくわかります。

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奥付を見てみましたら、1951年3月に発行されています。reizanが2歳11月の時ですから記憶に残っていない頃のことです。

琴と尺八_0002.jpg
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消費税がないころですから定価通りの220円で買えたのだと思います。1回のバス代ぐらいですが今とは物価が違います。
1951年は新聞の月間購読料が220円の年ですから、かなり高価な本の部類に入るのだろうと思います。
古本屋さんの¥1,800-という書き込みがあります。この値段だったら自分で買って持っておきたい貴重な一冊ですが、ネット検索では見つかりませんでした。また見たくなったら広尾に行くことにします。


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