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「春の海」の秘密 [三曲]

お正月のBGMで一番有名な邦楽曲は「春の海」ですが、この曲の秘密を暴露しちゃいます。といってもおぞましい話ではありませんので安心してお読みください。

誰もが、その出だしの箏だけの2小節と、続いて尺八が加わる2小節の旋律はご存じだと思います。

五線譜で書くとこうなります。

春の海の出だし.png
《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》
ピアノが弾ける方は弾いてみてください。きっと、あなたが知っている「春の海」にはならないと思います。

箏で楽譜通りに弾いている音源がありましたので聴いてみてください。
演奏しているのは宮城派の方ではなく、他の流派の方ですからご存じでないのも仕方のないことです。

実はこの曲の出だしの部分は、小節の最初と最後の音はゆっくりで、間に挟まれた部分は早く演奏します。

次のはそういう演奏をしている音源です。こちらの方が春の陽をあびて穏やかな瀬戸内海のイメージに近いのではないでしょうか。


尺八が加わる3・4小節目を見ていただくと、箏は1・2小節と同じことを繰り返しています。当然緩急の付け方も同じです。だから尺八も拍を等間隔に拍を刻むのでなく箏の緩急に合わせなければなりません。

その間合いは1・2小節の箏の独奏を聴いてつかみます。このことを知らないとお互いの間が合わなかったり、機械的なぎくしゃくした演奏になってしまいます。
「春の海」を最初に紹介した吉田晴風と宮城道雄のレコード演奏や、この曲を有名にしたルネ・シュメー(Vn)と宮城道雄の演奏では、作曲者はそれほど大きな緩急をつけていないのですが、現代人の感覚ではメリハリのきいた緩急が好まれるようです。

「春の海」にはもう一つ秘密があります。これも知らない人が多いと思います。
箏と尺八の合奏曲として有名な「春の海」ですが、ピアノやフルートなどいろんな楽器で演奏されています。しかしそれは多くの人が知っていることで秘密とは言えません。

ではどんな秘密があるかというと、実は「春の海」に歌詞があるのです。
藤原義江という歌手の方が独唱したいと希望され、それに応えて長田幹彦という人が詞を書いて声楽曲として発表され、レコードも出ました。この歌はYouTubeで聴くことができます。(ここ

また最近の話ですが、宮城道雄作曲の「春の海」に下司倫宇起さんが作詞され、安東みどりさんが編曲された独唱、二部合唱の楽譜が、2015年1月9日に出版されています。(ここ

余談ですが、北原白秋作詞、生駒道夫作曲の「春の海」は同名異曲です。(ここ


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