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戦後の昭和詩を読む [推薦図書]

昭和史ではなくて、昭和の時代、それも太平洋戦争の終戦後に作られた詩歌を集めた本の話です。タイトルはそれをひと言で表わそうとしたのですが意味が通じましたでしょうか。

いろんな詩を読むと、ほんわかとした気分になるものや、荒々しい気分になるものなど、短い文章でひとの気持ちを左右する力があって凄いと思います。

詩人の方が出す詩集というのは、レコードでいうと30㎝のLPアルバムのようなものだと思います。いくつもの作品を収めて詩集のタイトルに沿うように作られています。でも、そのすべてが心の琴線を震わすというケースは稀で、大概は一つか二つの際立ったものが存在します。

そういう作品だけを集めてCDを作ると「昭和のベストヒット曲集」みたいなものになりますが、詩歌の場合も同じように、多くの人の心を揺さぶった作品だけを集めた詩集があります。

これも編者の好みが反映されますから、何故この詩が入っていないのということがあったりしますが、この本にはreizanの好きな戦後の詩がすべて収められていました。

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一冊のなかに思いを詰め込んだ詩集にかなうべくもありませんが、なんちゃって愛好者のreizanにはこの程度が向いています。

茨木のり子さんの「わたしが一番きれいだったとき」、「自分の感受性くらい」や、新川和江さんの「わたしを束ねないで」は当たり前のように入っていますし、なんと安藤寛子さんが曲をつけた三木卓さんの「系図」まで掲載されていました。

脚注や解説がついていて、「系図」の場合ですと、僕が生まれた時にめちゃくちゃ喜んだ母親が誰で、死ぬほど働いて死んでしまった父親が誰で、僕がいくつのときに亡くなったかとか、とにかく詩の背景が事細かに説明されています。

部屋を暖かくして、テレビを消して、詩を読みながら至福の時を過ごす自分を想像したら幸せな気分で一杯になります。

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宇治拾遺物語 [推薦図書]

NHKラジオ第二の「古典講読」という放送を聴いてから「宇治拾遺物語」にはまっています。

説話物語としては、今昔物語の「今は昔、」という語りだしが昔話の「昔々、ある処に」と同じようにキャッチな出だしで有名ですが、話の内容(語り口)は断然、「宇治拾遺物語」の方が洗練されていて面白いです。

ネット上で公開されている原文を見ながらラジオを聴いているのですが、興味がつのって図書館の本を手当たり次第に借りています。

最初に借りたのはこれです。理由は本が美しかったからです。

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502ページの大冊ですが、四つの本から抜粋されたものが掲載されていますので全部は網羅されていません。
それに内容は現代語訳だけですから、原文の持つリズムが感じられず物足りないです。

次に借りた新潮社の「新潮日本古典集成 宇治拾遺物語」はreizanの思いに叶うものでした。

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カバーが外されているため表紙は真っ黒で何の本かわかりません。まずは背表紙でタイトルを確認することになります。中表紙でもわかります。

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《中表紙》

この本は全編原文のままで、わかりにくいところだけ、脇に朱書きの注釈があります。原文のリズムを感じながら意味もすうっと入ってきますのでこの上ありません。

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《「76 仮名暦誂へたる事」より》

余談ですが、76話は新婚の奥さんが若い僧にかな書きの暦を書いてもらったところ、僧のいたずらで、大便をしてはいけない日というのが書かれていて、次の日もその次の日もさらにずっと大便をしてはいけない日と書かれていて、2、3日は堪えていたのだけれど、『おほかた堪ゆべきやうもなければ、左右の手して、尻をかかへて、「いかにせん、いかにせん」と、よぢりすぢりするほどに、物も覚えず、してありけるとか。』という可哀そうな話です。

ソフトカバー本で「宇治拾遺物語のたのしみ方」というのもありました。NHKラジオで「宇治拾遺物語」の解説を担当されている伊東玉美先生が書かれたものです。

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新潮社の「新潮日本古典集成 宇治拾遺物語」が一番良かったので中古本を買います。 


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頼んでいた本が届きました [推薦図書]

ネットで注文していた本が届きました。

1冊は「宇治拾遺物語」です。前に借りた図書館の本はカバーを取っているのかと思っていましたが、実際はパラフィン紙がかかっていて、箱入りでした。

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中身の雰囲気は図書館で借りた本で確認済みです。いつでも読めると思ったら幸せな気分になれます。

同じ日にもう1冊届きました。こちらも中古本です。

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英和図鑑というのもありましたが、きっと日本語の方に目が行ってしまうだろうと思って、英語表記のみのものを探しました。
図鑑のつもりで買ったのですが実際は図解辞書でした。FIREFLYには「ホタル」という意味がありますが、ここでの使われ方は良くわかりません。

内容は身の周りのいろんなもの(宇宙、地球、動物、植物、人体、食べ物、スポーツなど多岐に亘る)について、大括りの名称とともに細部の名称が英語で図に添えられています。
これは英語で何というのだろうと思ったときに使えるかなと思って買いました。

例はmeatのページです。部位ごとの図に名称が添えられています。

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自動車は左ハンドルです。ほとんどは日本と同じよび方ですが、アクセルだけは違っていました。

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35,000のテーマを取り上げていて、960ページもあります。何よりも大変なのは3.5kgもあって片手で持つには重すぎることです。

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イラストが写実的過ぎて、いわゆる図鑑のような見飽きない絵ではないところが残念です。


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まちづくりの参考事例 [推薦図書]

生涯大学校のグループ活動で「まちづくり」をテーマに取り上げたことから、グループ活動終了後もまちづくりに関する言葉が目にとまります。

そういうことから図書館に行ったときに2冊の本に興味を惹かれて借りました。

一冊は、岩手県紫波町で実際にあったまちづくりのレポートです。

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グループ活動中は島根県隠岐の海士町のまちづくりに関心が向いていましたが、紫波町のまちづくりも良さそうだと思いました。

公民連携のまちづくりの成功例です。
当初は公民ともに素人ばかりの集まりでしたが、最初に民の一人が東京の大学院に入学してまちづくりについて学ぶようになり、半年遅れで公の若者も同じ大学院で学ぶようになりました。
そして、民の一人がエージェントとして動き、公民連携のまちづくりが進んでいったのです。

日本では、自分だけで上手く進められそうにないときコンサルタントに頼ることが多いのですが、一般にコンサルタントというのは結果責任を持っていません。結果を出すために援助はしてくれるのですが結果を出す出さないは本人次第という関係です。

一方、エージェントは結果に責任をもっています。だから料金も成功報酬という呼び方をされることがあります。
日本の野球選手がメジャーリーグに移籍するときにエージェントを立てることがあります。これは交渉相手の言葉が英語だからということではありません。高い契約金を得るために交渉のベテランであるエージェントを頼むわけです。

まちづくりもコンサルタントに頼るよりエージェントを立てた方が良さそうです。

もう一冊は実際の事例ではなくて小説です。

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主人公が人生の休息で訪れた故郷は過疎・高齢化のため限界集落と言われる土地でした。村の人たちと交流するうちに集落の農業経営を担うことになりました。いわゆる地方再生物語です。

「日本に山積みする社会不安を一掃する逆転満塁ホームランの地域活性エンターテインメント」と紹介されています。
まだ読み始めたばかりですが、年末年始の読書はこれで決まりです。


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仕事ガイド [推薦図書]

reizanはすでに前期高齢者の仲間入りをしていますが、これからもチャンスがあれば働きたいという気持ちはあります。 といってもそれほど積極的ではなくて、ぜひ働いてほしいという要請があれば働こうかなと思うぐらいですからかなりいい加減です。 それでも勉強は怠りません。図書館に仕事ガイドの本があったので借りて読みました。
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対象は中学・高校生で、目指す仕事に就くための卒業後のルートが説明されています。 勤務経験者の目で見ると仕事はこれだけじゃないよという気持ちが湧いてきますが、紙面にするとこのぐらいになってしまうのでしょう。 仕事ごとに、どういうことをするのか、どうしたらその仕事に就けるのかといったことが書かれています。 本当にその仕事を理解できるかというと説明不足ですし、その道に進むための説明も詳しくはありません。 でも、世の中にこういう本もあって良いと思います。 reizanがとくに興味を持ったのは職業としての尺八ですが、その項目はありませんでした。 箏もありませんでしたが、なぜか三味線奏者だけがありました。
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該当のページを見てみると、三味線奏者だけを取り上げたのではなく、伝統芸能家というくくりの中に入っていました。どうも能・狂言や歌舞伎の伴奏音楽をイメージしているような感じです。 落語家、漫才師にまじって活動弁士というのがありました。
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活動弁士さんて、実際には何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。reizanの感覚では活動弁士さんの数は尺八演奏家の数よりも少ないのではないかと思います。この項目があるのが不思議でした。

ネットだと、「職業図鑑 職業一覧」とか「職業体験ネット 世の中の職業を調べよう!」というのがあります。紙の制約がない分情報量が多いようです。

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快老生活 [推薦図書]

reizanがまだ20代の頃、「知的生活の方法」という本が世の中に出てきて一世を風靡しました。もう40年も前のことですから細かい内容は覚えていませんが、当時影響を受けたことは覚えています。

その本の著者の渡辺昇一さん(渡辺淳一さんではありません。念のため。)が、昨年、86歳になられて今度は老人生活のHOW TO本を出版されました。タイトルは「 実践 快老生活 知的で幸福な生活へのレポート 」です。
老人という年齢に達した人にお薦めの本です。

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カイロウというと偕老同穴を思い出しますが、渡辺さんもあとがきでそのことに触れられています。
カイロウドウケツは海綿の仲間でガラス繊維の袋を作ります。その中に入り込んだ一対のドウケツエビの雌雄が一生外に出られずに添い遂げることから夫婦の鏡のように言われています。)

reizanが68歳ですから18歳も上の人生の先輩ですが、これに書かれていることがreizanの考えや行動に似ているから覗かれていたのではないかと思ったほどでした。(そんなことはないか。)

著者は、今が人生の中で一番穏やかで幸せな時間だというようなことを書かれておられますが、reizanもそう思います。勤務時代に比べたら本当にゆったりと過ごしています。

リタイアしてすぐに訓練校で6か月間建築配管を学び、続いて1年間建築大工の勉強をしました。
さらに、2年制の生涯大学校に入って通算5年も通っています。もちろん尺八も続けています。

リタイアした時に地域の老人クラブにも入りました。皆さんが良くしてくださいますので老人クラブの活動も楽しいです。

今の立場が一番気楽で楽しいと思います。老後の生活を楽しみたいと思って働いてきましたし、尺八の勉強をしてきましたらその通りになって幸せ者です。

最近の世の中は65歳まで働くのが当たり前で、なんだか70歳までとか75歳までとかいう声も聞こえてきますが、そんななかで60歳から健康な余生を楽しめているのは幸せなことだと思います。この時間が長く続くと嬉しいです。

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正しいパンツのたたみ方 [推薦図書]

ラジオで紹介された「正しいパンツのたたみ方」(南野忠晴著)という本が気になって図書館で借りました。

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「鬼のパンツは良いパンツ」というのは聞いたことがありましたが、「正しいパンツのたたみ方」というのは初めて聞く言葉です。
そもそもパンツのたたみ方に正しいとか間違いとかがあるのか考えたこともありませんでした。

著者は13年間務めた高校の英語の先生という立場を捨てて、改めて家庭科の教員免許を取り、高校家庭科の数少ない男性教員になった方です。

タイトルになっている「正しいパンツのたたみ方」については序章で詳しく説明されています。
同僚の男性教諭は奥さんとの共働きで家事も積極的にこなしているけど洗濯物が上手くたためずに悩んでいました。それは自分のパンツではなくて奥さんのパンツ(ショーツ)です。たたむたびに「また違ってる」と言われてつらい、どうしたらいいでしょうかという相談です。という話から本題に入っていきます。

英語の先生と家庭科の先生では、なんとなく英語の先生の方がステータスが高いような気がしますが、著者はなぜ家庭科の先生になったかという疑問にも明解に答えています。(内容は本を読んで確認してください。)

自分の暮らしを整える力を著者は「生活力」と呼んでいます。生活力をつけるための強い味方になってくれるのが家庭科だから勉強しましょうと誘ってくれます。

考えてみたらreizanのような年寄りに必要なのも家庭科ではないでしょうか。生涯大学校に入ったのも定年後の生活力アップを期待していたのだと思います。
最初に入った生涯大学校の「生活科」はまさに生活力を鍛えてくれるようなクラスでした。30名の定員に70名の応募があって抽選の結果、reizanは運よく入学できました。

その「生活科」を廃止して定員割れになるような学科を作り、その結果、実際に定員割れが続いているから必要とされなくなっているから行革で縮小の方向を目指すとされています。
わざと美味しくない料理を出して店を潰そうとしている料理店みたいです。飲食店はそんなことはしませんが、税金で働いている人たちは倒産の心配がないから、わざと皆が望んでいないようなカリキュラムで学校運営をして定員割れだから学校を潰しましょうと企んでいます。

これからは高齢者の比率が増してきますから生活力のある年寄りを育てることが大切だと思うのですが、行政の考えることはピントがずれているような気がします。

小学校で一番大切な学科は国語だと思います。読み書きそろばんと言いますが、なかでも国語がわからないと算数の問題の意味が理解できませんから、まずは国語がわかることが大切だと思うわけです。

それから歳を重ねて受験戦争に巻き込まれるようになると、受験のための主要科目が大切になってくるのでしょうが、この本を読んで生活力を育む家庭科も疎かにできないと思うようになりました。

「正しいパンツのたたみ方」は岩波ジュニア新書として刊行されていますが、高齢者が読んでも十分に納得できるし、参考になる本だと思います。久しぶりに心を震わす本に出合いました。スペシャルおすすめ本です。


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道具づくし [推薦図書]

NHKラジオ第一で放送されている「すっぴん!」の内容の一部がストリーミング・サービスでパソコンで聴くことができます。

なかでも、金曜日の高橋源一郎さんの「源ちゃんのゲンダイ国語」が好きです。聴き逃したのをパソコンで聴いていたら、「道具づくし」という本が紹介されていました。
内容をかいつまんで紹介してくれるのですが、その内容が面白くてぜひ全部を読みたいと思って図書館で借りました。

『とぜんそう』(雅名を『つれづれぐさ』という)などは、学校で習った割りには現物を見たことがありません。
著者によると、このとぜんそうを乾燥したものの薫りに幻覚作用があり現在は栽培が禁止されているとのことです。だから見たことが無いんですね。(ウソです。)

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内容は思った以上の力作です。著者の別役実さんが真面目くさった顔で冗談を言っているのですが、一つひとつの例示がもっともらしくて信じてしまいそうになります。
今はほとんど見られなくなった道具(モノ)について詳細に説明してくれています。

久しぶりに頭の良い人の本を読んだような気がします。
友人知人が住んでいる地域の図書館にも蔵書しているか調べてみたら、33年も前に刊行された本なので蔵書率は五分五分でした。
でも、Amazonで「道具づくし」を検索したら、ハードカバーが1円から出ていますから図書館になければ買って読めると思います。

ただ、レビューを見ると下ネタが多すぎて途中で読むのを止めたという女性の意見もありますので賛否が分かれるところだろうと思います。
自分は、これだけ詳細にこじつけられるのは、きっと地頭が良い証拠だと思って著者を尊敬してしまいます。

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木工手道具の基礎と実践 [推薦図書]

図書館で借りた本で、これは自分で持っていたいなと思う本がありました。「木工手道具の基礎と実践」(誠文堂新光社刊)です。

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税別2,400円もしますがそれに見合うかそれ以上の内容が収められていて見ているだけで楽しくなり創作意欲が刺激されます。

この本で疑問点が一つ解決したのも嬉しいことです。
一昨日の記事でコリントゲームの完成を報告しましたが、そのときに四隅の始末について曖昧なことを書いていたのですが、本書によって次の写真の継ぎ方は「引き込み留め接ぎ」だということが分かりました。

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また、治具の作り方・使い方がたくさん取り上げられていますので精度の高い仕上げをする際に役立ちそうです。

例えば角材を切断するとき、普通は材を固定して墨にしたがって鋸を引くだけですが、精度を求められる場合はそれだけでなく肉厚の定規(大抵は木材で自作する)を墨の線に添え、それに沿うように鋸を引いて切ることがあります。そうするとより確実に垂直に鋸を入れられるようになります。

「初心者のための入門書」という副題がついていますが、ちょっとかじった人にも役立つ納得の一冊だと思います。

でも、木工をしない人や木工に興味のない人が見てもとっとも面白くないだろうと思います。
何をしようとしているのか、そうすることがどれだけ精度や効率に役立っているかが見通せない方にとってはゴミみたいな本だろうと思います。

わかる人だけが買う。そういうたぐいの本のなかでの優れものです。




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完膚なきまでに叩きのめすのは△ [推薦図書]

本当は、完膚なきまでに叩きのめすのは×といいたいのですが、それほどの人生経験もないのでタイトルは△にしました。

相手に重い責任がある場合、怒りにまかせて徹底的に糾弾して立ち上がれないほどの罰を与えないと気が済まないと考える人がいたりしますが、reizanは一歩手前で引くように心掛けています。

HSP気質ですから正悪がはっきりしないとスッキリしないのですが、そこがはっきりすればその先は深追いしないという主義です。なぜなら罰を与えるのはreizanの役割ではないからです。

歴史上も、完膚なきまでに叩きのめしたことがその後の悪い結果に繋がっている例があります。
この本を読んでそういうことを思い出しました。

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著者は、第一次と第二次の世界大戦を食糧難と移民送出という切り口から分析して現代に通じる示唆を示してくれています。

冒頭はドイツの例です。
不作の影響で食糧難に陥ったドイツは穀倉地帯の併合などで解決を図ろうとしますが、周りの国の包囲網はアメリカなどからの輸入を阻止し兵糧攻めをします。

そしてドイツは第一次世界大戦で敗戦するのですが、戦勝国側は賠償金などでドイツに対して完膚なきほどの制裁を決めます。その結果ドイツ国民は通常動物の飼料に使われるものやそれ以下の食べ物で飢えをしのぐことになります。その不満に便乗して台頭してきたのがヒトラーです。

その後、第二次世界大戦に突入しどういう結果になったかは多くの人の知るところです。

日本の場合は、第二次世界大戦に敗戦しましたが、終戦後しばらく食糧事情が悪かったということはあるものの、完膚なきまでに叩きのめされて立ち上がれないということはありませんでした。
というよりも保護的な措置もあって敗戦国としては異例の発展を遂げました。

日本の戦争に関しては、軍部の独走などが明らかになっていますが、根本的な問題は国民が生きていくための食糧が不足していたということです。今思えばその食糧確保のための戦略・手段が間違っていたということでしょうが、その前段階では食糧確保を困難にする外圧があったことも影響しているようです。

食糧に関して飽食の必要はありません。必要十分な量が常に確保されていれば他所から奪う必要もありません。
そのバランスが崩れた結果が戦争につながったケースが大半のようです。

最近、近隣の国が迷惑な行為をしておりますが話し合いで解決する気はないようです。いっそ戦争でもして完膚なきまでに叩きのめしたらと思う人もあるかもしれませんが、やるとすれば、その国の人とその国の姿勢に同調する人全員を抹殺しないとヒトラーみたいな人が出てくるかもしれません。

第二次大戦後の日本がおかしくならなかったのは、食糧援助と経済発展の支援が受けられたからではないでしょうか。あの時、日本が完膚なきまでに叩き潰されていたら今とは違った世の中になっていたと思います。
69歳の年金生活者が、尺八を趣味として、週1回生涯大学校で学べて悠々自適の生活を送れるのは、結構恵まれた社会だと思います。


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意外にラッキーな半生でした [推薦図書]

reizanは1948年(昭和23年)生まれの69歳です。団塊の世代の真ん中に当たります。
戦後復員してきた人が結婚したり、妻のもとに戻ったりして、雨後の筍のように子供が生まれたなかのひとりです。

学校の教室には50~60人が押し込められ、中学にあがるとそういうクラスが同学年で10組もあって、それはもう鬱陶しくなるような世界でした。

当時は割を食っているように思っていたのですが、振り返ってみると案外ラッキーだったのかもしれません。ほかの年でなく1948年に生まれたのが良かったようです。

前にも紹介させていただいた「歴史教科書の日米欧比較」(薄井 寛著、筑波書房刊。一読をお薦めしたい名著。)で、終戦直後の頃のことを読むと、GHQの占領政策は懲罰的な意味合いから敗戦国の日本に食糧援助はしないと決めたそうです。
『日本の苦境は日本国民自らの行為の直接の結果にして、連合国はその蒙りたる損害復旧の負担を引受けざるべし』

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支援しないだけでなく食糧輸入も禁止され、さらに冷害・台風による不作の追い打ちをかけられ、その結果、国中が終戦前のひもじい生活にも勝る飢餓状態に陥っていました。
「買い出し」という言葉は戦中のことかと思っていたら戦後のこの時期に盛んに行われていたようです。

終戦2か月後の東京では白米の最高闇値が公定価格の132倍にもなったそうです。(今だと5㎏2,400円のゆめぴりかが、316,800円ということになります。)
これでは暮らせないということで、米よこせデモや食糧メーデーが起こりました。

食糧危機をめぐる混乱が暴動や内乱、或いは日本の社会主義化に発展することを恐れたGHQがここで方針転換やむなしと判断しました。

そして、1946年2月に最初の食糧放出が始まり、その後、食糧の輸入も認められ、さらに、復員兵や引揚者が農業従事に復帰したことで米の収穫量も増え、reizanが生まれた1948年には国民の多くが食糧危機の最悪の事態を乗り越えたことを実感にしたようです。

だからひもじい思いをすることもなく育ち、経済成長の恩恵を受けながらぬくぬくと暮らしてきました。
世の中いろいろありますが、前半生は概してラッキーでした。
後半生のことは今真っ最中ですから客観的にみることができません。あの世とやらに逝ってから総括することになるでしょう。


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臨床心理士 [推薦図書]

特に難しい専門職の資格を総称して士師業と呼ぶことがあります。

士だと弁護士とか公認会計士など、師だと医師とか看護師などがあります。
民間資格ではありますが臨床心理士(日本臨床心理士資格認定協会)というのもあります。

reizanが臨床心理士の名称や仕事内容を知ったのは、千里眼シリーズ(松岡圭祐著)の「ヘーメラーの千里眼(上・下)」を読んだ時です。

主人公の岬美由紀(元自衛官で女性初の戦闘機パイロット)が退官後に取得した資格が臨床心理士でした。
小説は、やむを得ず再び戦闘機にならなければならなくなった美由紀の活躍を描いて手に汗握る展開で面白かったです。(その後、千里眼シリーズは全部読み終えました。)

著者自身が臨床心理士の資格者ですからその資格制度の解説にも詳しく触れています。弁護士とか医師は資格を取ってしまえば更新の必要はありませんが、臨床心理士は5年ごとの更新でその間に指定の研修を受けたり研究論文の公刊で15ポイントを稼がなければなりません。結構大変な資格だと思いました。

最近、2008年「このミステリーがすごい」大賞受賞作の「臨床真理」(柚木裕子著)を読んでいたら主人公の佐久間美帆が臨床心理士でした。

出版後9年も経っていると世の中が変化していて、このミステリーがすごいとは思いませんでしたが臨床心理士が出ていたので懐かしかったです。

ただ、一か所、単行本のなかで気になるところがありました。それは美帆と一緒に調査に協力する栗原との会話の中にありました。

最初は「あの子」といっているのに、

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突然、あの子が可奈に変わっています。

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いつ名前を知ったのか不思議です。ほんの2~3ページの間のことですがreizanが見落としているのかもしれません。最近視力が落ちていますので。


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ぼくは散歩と雑学がすき [推薦図書]

植草甚一さん「ぼくは散歩と雑学がすき」はreizanが若い頃バイブルみたいにしていた本です。その後、何回か転居した際に紛失してしまって今は手元にありません。

何十年も前に読んでいた本ですから具体的な内容はほとんど覚えていませんが、ジャズと雑学とミステリーが好きになったのはきっとこの本の影響だと思います。

文庫本は筑摩出版からですが、reizanが買った単行本は晶文社から出ていました。その頃の晶文社は今の幻冬舎みたいに尖がった出版社で大手出版社が出さないようなニッチ本を多く出していて若者に人気がありました。

晶文社は今もやっていて、また面白い本を出してくれました。仲野徹さんの「病理学講義」(1850円+税)です。

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タイトルだけ見ると医学生向けのテキストみたいですが、その通りです。内容の三分の二は専門的な話です。
ただ、雑談に脱線したりというのが三分の一を占めていているから素人でも読みやすいです。

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《「まえがき」より、画像クリックで拡大、←クリックで戻る》

その三分の一の部分があるからreizanのような素人が読んでも楽しめるし、本題の部分もわかりやすく書いてくれています。中学・高校生の頃に出会っていたら病理の道を目指していたかもしれません。(アタマがついて行かないから無理か)

この本を読んで既視感を覚えたのですが、なぜかと考えたら思い当たることがありました。それは哲学者の土屋賢二さんの本を読んだ時の感覚に似ています。

哲学にしても病理学にしても本当は難しいはずですが、平易な語り口でときどき冗談も交えて説明してくれると身近なこととして考えられるようになります。もともと両者はヒトの思考と身体に関係することですから自分自身と関連付けて考えれば親しみも湧いてきます。

数学が苦手なreizanがサイモン・シン著「フェルマーの最終定理」をワクワクしながら読んだときと似た感覚も感じました。

サブタイトルに「こわいもの知らずの」とあるのは、特に雑談の部分が斯界の先生方の目を恐れずに言いたい放題の内容だからです。

著者の冗談好きは奥付の著者略歴にも見て取れます。主婦の店ダイエーと同じ年に同じ地でうまれたことなど普通は書かないと思いますが、ここにも著者のユニークな点が現れています。

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《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》

本書の三分の二の真面目な部分を読んでいくと私たちのからだが微妙のバランスの上に成り立っていることがわかります。適度な刺激を与えつついたわりを持って大切にしていかなければいけないと思いました。
reizanにとっては久しぶりに当たりの本でした。


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音楽好きにはたまらない音楽本 [推薦図書]

あまり期待せずに読み始めたら第1章から面白くて興味深くて、音楽好きにはたまらないと思う本に出会いました。
「オーケストラ解体新書」(中央公論新社)のことです。

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読売日本交響楽団の事務局の方が書かれた本で、指揮者のこと、楽団員のこと、楽団運営のことなど、一般には知られていないけど聞くと興味が増すような話しが満載で1ページも無駄なページがありません。
五嶋みどりさんとの協演のくだりではこちらまで緊張してしまいました。本当に読み応えがあります。

第1章の大半は指揮者のことに割かれているのですが、ここで紹介されている指揮者の方の逸話を読むと、その方の指揮される演奏を聴いてみたくなります。(そのぐらい引きつけられる文章で書かれています。)

余談ですが、そのうちのお一人のユーリ・テミルカーノフさん指揮の演奏会が2018年早々に開催されるようです。

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テミルカーノフさんの手の動きにあやつられて素晴らしい音楽が生み出される様子がこの本に活写されているのですごく興味があります。ただ、夜の演奏会なので帰宅困難になるのが難点です。

reizanがやっている三曲(さんきょく=箏・三絃・尺八の合奏)は室内楽ですから指揮者を立てることはなく、お互いの阿吽の呼吸で演奏しますが、大合奏になると指揮が入ることがあります。

へたな指揮者の方ですとちょっと振っただけでガタガタの演奏になってしまい、演奏者が指揮についていかなくなります。そういう時はどうするかというと指揮はスタートの合図とみなし、あとは一番上手な方(クラシックのコンサートマスターみたいな存在)を覗いながら演奏します。

その様子は指揮者が演奏のテンポに合わせて振っている感じになります。あとで、会場に来ていた知り合いから「指揮を無視してましたね。」と指摘されたりします。そのぐらいわかりやすくバレバレになります。

テレビの「題名のない音楽会」で見た女性指揮者の田中祐子さんの指揮が素晴らしかったです。(YouTubeの演奏
彼女の指揮だったら絶対に従いますと思わせるぐらい説得力があって発音のタイミングがわかりやすいので音楽が本当に楽しくなりそうです。

横道に逸れてしまいましたが、この「オーケストラ解体新書」は異なる音楽ジャンルの人が読んでも面白いし、参考になると思います。久しぶりに出会った優れ本です。


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親子遊び [推薦図書]

邦楽以外でも小学校のボランティアをしている関係で子どもさんの遊びの情報はちょっと気になります。

先日、年少さんが折り紙で遊んでいるのを見ていたら、折り紙をくしゃくしゃに丸めていくつもを箱に詰めていました。

reizanの感覚では、折り紙というのは山折り谷折りを駆使して意味のある形を作り上げるものと思っていましたが意外でした。でも、よその子ですから、それは折り紙じゃないという言葉は腹に収めて置きました。

ご本人曰く、団子を箱に詰めているとのことでした。

そんなの有りかなと思っていたのですが、「頭がよくなる 子どもとの遊びかた」(小川大介著、大和書房刊)という本を見ていたら、それを肯定して、さらに学習に結びつけていく例がたくさん載っていました。

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丸めた紙の場合ですと、くしゃくしゃに丸めた紙を開き、折り目から「まる・さんかく・しかく」などの形を探しだして筆記具でなぞるという遊びが紹介されていました。

折り紙を無駄にすることなく、小さな子供さんにとってかなり高度な学習ができるすぐれたアイデアだと思いました。(図形をなぞる訓練ができていると、ひらがな等をなぞりながら覚えるときにポイントをつかみやすくなると思います。)

そんな親子遊びのアイデアが満載の本です。良書だと思いました。


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ミレニアム5 [推薦図書]

遅ればせながら「ミレニアム5」が出版されていることに気づきました。

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2017年12月25日の発行ですから1か月半以上も経って気づいたことになります。

NHKの番組ですとネットクラブが関心のある分野の情報をタイムリーに提供してくれるのですが出版関係ではそういうシステムを聞いたことがありません。

実際に有るものを探すのは容易いことですが、出版されるかどうかもわからないものに網を張っておくのは無理です。でも、天は見捨てていませんでした。関心を持っていると偶然を装って教えてくれるものですね。

「ミレニアム」というのはスウェーデンのスティーグ・ラーソンが書いた三部作の小説です。彼の構想は十部作のシリーズだったのですが、第四部を200ページほど書いたところで第一部の出版も待たずに亡くなってしまいました。

彼の死後に「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」が出版されると世界中で大ヒット。残る「ミレニアム2 火と戯れる女」、「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」もたてつづけに出版され、どれもが大ヒットしました。

しかし、続編を望んでも当の作家が亡くなっています。
そこで編み出されたのが他の作家によって続編を書くという手段です。普通、こういうのは読者に違和感を抱かせがっかりさせることが多いのですが、続編を書いたダヴィド・ラーゲルクランツは三部作をよく読みこんで、まったく違和感のない第四部「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」を書き、好評を博しました。

そして、この度の「ミレニアム5 復習の炎を吐く女」が出版されたという次第です。読む前からワクワクしていますが、読み始めたら徹夜になってしまいそうでちょっと怖いです。


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同じタイトル? [推薦図書]

『「リベラル」という病』と『リベラルという病』という本が出版されています。

同じタイトルかと思ったら、リベラルに「」が付いているのと付いていないところが違っていました。
著者も異なりますので中身も違います。

『「リベラル」という病』のほうは対称を国内にしぼって、いわゆるリベラルといわれる人たちの主張の矛盾を突いています。その切り口は論理的でわかりやすく納得してしまいそうです。
一方の主張だけ聴くのは良くありませんので、できたらこれに対抗する書も読んでみたいものです。

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『リベラルという病』の方は米国のリベラリズムの理想と現実を中心に据えながら、日本の歪なリベラリズムにも言及しています。

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昔は、御国の為などという人に騙されて酷い目にあった歴史がありますが、現代のリベラルというのも眉に唾をつけながら見ているぐらいが良いようです。

この二冊を読んでそんな風に思いました。


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この本のターゲットは誰 [推薦図書]

タイトルだけ見ると誰に向けて書かれた本なのかわからないものがあります。

図書館で、気になるタイトルの本があったので2冊借りました。

一つは、「老人の取扱説明書」(医師・医学博士平松類著、SB新書)です。老人にかかわる人向けの本かと思ったのですが、大活字本ですからそういうことでもなさそうです。

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「はじめに」のなかで本書の趣旨が詳しく説明されているのですが、裏表紙に書かれた文章でもその片鱗が覗えます。

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「・・・。これらを知ることで、周囲の人はイライラせずに冷静に対処できますし、高齢者本人は卑屈になることが減ります。」

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《目次。画像クリックで拡大、←クリックで戻る》
つまり、高齢者本人と周囲の人に向けて、高齢者の特性と対処法を解説した本です。
自分が高齢者になって普通に行動していると思っていたことが、案外、周囲から見ると変な行動だったのだと知らされました。結構良い本だと思いました。

もう一冊は、「いい人ランキング」(吉野万理子著、あすなろ書房)です。

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reizan自身がいい人を目指して人格形成や行動をしてきましたので、「いい人」という言葉に反応して借りました。

世の中の「いい人」を紹介するランキング本かと思っていたのですが、実際はティーン向けの小説でした。

折角ご縁があって手に取った本ですから読んでみました。これが面白かった。
中学生の青春ドラマです。NHK朝ドラの「半分、青い。」だって若者の物語ですが年寄りが見たって面白いです。
それと同じように中学生の日常を垣間見て面白かったです。

特にreizanの場合は学校ボランティアで、尺八体験指導や木工体験指導をして若い人たちと接することがありますので、今の若い人たちがどんなトレンドで生きているのか知るのは有意義だと思いました。


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生きるとか死ぬとか [推薦図書]

新聞の書評欄で気になる本が紹介されていました。

「生きるとか死ぬとか父親とか」(ジェーン・スー著、新潮社刊)のことです。

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20年前に母を亡くし、父は80歳、娘は40半ば。一時は絶縁寸前までいったけれど、いま父の人生を聞いておかなければ一生後悔する。父への愛憎と家族の裏表を描く普遍にして特別な物語。

なんとなく、2005年に出版された「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」(リリー・フランキー著)を彷彿とさせて読みたくなってしまいました。

「東京タワー」は、”泣き顔を見られたくなければ電車で読むのは危険”と評判になった泣ける本でした。
「生きるとか・・・」はどんなんでしょう。

期待が高まります。


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住宅設備トラブルの本 [推薦図書]

地元の図書館を覗いたら新刊書の棚に興味深い本がありました。タイトルの「住宅設備トラブル 全面解決」というタイトルに惹かれました。

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中身を見ずに借りて帰ったら、reizanの思っているのとちょっと違っていました。(タイトル通りの内容だったのでreizanの思い込み違いです。)

家を建てるときには、設計、施工、諸届などいろんな分野の人が関わってきますが、本書が対象にしているのは週宅設備です。大工さんや左官さんの仕事は対象外で、住宅設備の主なものとしては配管・配線や浴槽、洗面化粧台、システムキッチン、エアコンなど施行があります。

reizanはそれらの経年劣化などのトラブルをイメージしていたのですが、そういうのではなくて、いわゆる施工ミスによるトラブル事例や施工後のトラブル事例と解決方法が取り上げられています。

要するにエンドユーザー向けの本ではなくて、設備屋さん向けのトラブル対策マニュアル本みたいな本でした。
reizanは大工や建築配管の勉強をした経験があるので興味深く読みましたが、一般の方が対象ではないのでわかりにくいかもしれません。
それに値段もちょっと高めですから一般人が持つには不向きなような気がします。

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ところで、こういう本を公共図書館が購入して蔵書していることについてどう思われますか?
自分の仕事に関する本だから自分で買えってですか。でも世の中のたくさんの本の中からそれに出会えるチャンスはかなり低いと思います。

だからreizanは結構なことだと思います。だって、設備関係の仕事をしている方たちも税金を払っておられるし、図書館の利用者として当然の権利を持っておられるわけですから図書館に置いていても不思議ではありません。
その本が自分にとって必要なものだとわかったらそれから購入するという道も開けます。

その昔、企業が公民館などを使用することについて行政が壁を作っている時期がありました。企業は自前の施設か民間の施設を利用するのが当たり前という考え方です。

企業も税金を払っているのに、税金を使うのは一般住民の為だけという論理がまかり通っていたのです。最近ではそういう壁を取り払った施策が増えてきましたが、でも未だに、何故そういう風にしているのか意味不明なことが残っていたりします。そういうのを見ぬく力だけは無くしたくないものです。


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生きるとか死ぬとか父親とか [推薦図書]

ジェーン・スーさん(日本人です。)著、「生きるとか 死ぬとか 父親とか」を読みました。

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タイトルと書評から、リリー・フランキーさんの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」のようなものを想像していましたが、まんざらハズレではなかったです。

ジェーンさんとお父さん、そしてお母さんやお父さんの知人の方とのやり取りがエッセイ風に展開されています。一つひとつの話が味わい深くて面白かったです。「東京タワー・・・」に勝るとも劣らない好著だと思いました。

ジェーンさん別のところで、「代弁ではなく、言語化なんだと思います。モヤモヤして、どのように言葉にしていいか分からないことを言語化するのが、人より若干得意なんだろう、とは思っています」と語っておられますが、言語化の得意な人って羨ましいです。

「生きるとか・・・」を読んでいると、話の切りだし方、話しの組み立て方やまとめ方に随分配慮されていることが窺えます。

生涯大学校に通っているといろんな人の人生が垣間見えて面白いし、それを文章化できたらこれから高齢者になる人の生き方の参考になると思います。でも、reizanの場合は言語化が不得意ですからものになりません。


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論理ガールと天風先生 [推薦図書]

テレビに出演していたある経営者の方が座右の書として「運命を拓く」(中村天風著)を挙げておられました。reizanの知らない著者です。(運命を拓くは、2019年1月30日現在、Amazonのカスタマーレビューが179件で、☆4以上が86%、☆5だけでも70%を占めており、人気本のようです。)

この本の影響力や、著名な方がバイブルのように愛読されていることを聞いて、どんな本なのか読みたくなりました。

地元の図書館の蔵書を検索したらヒットしませんでした。東京に住んでいたときはいろんな区(住居近くでは文京区、北区。勤務先近くでは港区、中央区)の図書館を利用できたので興味を持った本が読めないということは無かったのですが、田舎の図書館ではそうはいきません。

しかたがないので、蔵書に有った「君に成功を贈る」(中村天風述)を借りました。同じときに借りたのが「論理ガール」(深沢真太郎著)です。

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論理ガールの方は、70歳のジイサンが電車の中で読んでいたら変態と間違えられそうな表紙ですが、内容は至極真面目です。

6つのテーマ(問題)を、高校二年生の帰国子女(論理ガール)と高校OBのホテルマンとのやり取りのなかで数学的に解いていきます。

ちょっと前に、人参の体積が同じ3つに切る方法が書かれた本を読みましたが、数学としては正しくても、料理をしたことがなさそうな人が書いたもので、実際に人参に適用するには無理がありました。

でも、この論理ガールは結構面白くて、実生活にも役立つ内容でした。

第一問で人間関係を取り上げています。結論は、たくさんの友達を持つよりも、少数でも良いから良い友達を持つことの重要性を説いています。
また、図形の円を使って、目指すべき自分と友達の関係にも触れています。

(第二問お金、第三問仕事、第四問遊び、第五問恋愛、第六問未来、も興味深い内容でした。)

一方、天風先生の方は、若い人に成功するための秘訣を説いています。

章立ては次のようになっています。
・幸福な人生をつくる
・強い命をつくる
・価値高く生きる
・思いどおりの人生に生きる
・敵も味方にする
・笑いの人生に生きる
・人生、極楽の秘訣

さらに、天風成功金言・至言100選というのまで付いています。

「幸福な人生をつくる」を読むと、冒頭に大きな文字で「他人に好かれる人になりなさい」と印刷されています。
有意義な幸福な人生を生きるのに一番先に必要なことはなんでしょうか。
学問?経験?すぐれた手腕?
何をおいてもかにをおいても一番先に必要なことは、「他人(ひと)に好かれる人間にならなければいけない」。これが人生の一番の根本基礎なんです、と書かれています。

二つの本の趣旨をまとめると、「他人に好かれる人を目指しつつ、良い友だちだけと付き合う」というのが良さそうです。

reizanは友達の数は少なくて、その友達は良い人ばかりですが、reizan自身が他人に好かれる人を目指しているかというと好き嫌いがはっきりしていて、天風先生の考える域外であたふたしています。

天風先生の本を読んで成長したいと思います。


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死に山 [推薦図書]

「死に山」という本が興味深いです。(内容が悲惨ですから面白いと言うのは適当でないような気がします。)
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1959年2月にソ連(現ロシア)のウラル山脈にあるディアトロフ峠(先住民は、ホラチャフリ峠=死の山と呼ぶ。)で遭難死亡した大学登山チームの9名が、なぜ死ぬことになったかを探るというノンフィクションです。

診断書的な死因ははっきりしていてほとんどが雪山での低体温症などでなくなっているのですが、現場の状況が異常であったためそこで何があったかが謎となっていました。

60年後、アメリカ人ドキュメンタリー映画作家の著者がその原因究明に挑んだ顛末が紹介されている本です。

遭難後の捜索で、まずテントが見つかりました。
そして1か月後から遺体が発見されていくのですが、その様子が異様でした。

・氷点下のなかでほとんどが防寒服を着けていなかった(なかには、明らかに外で脱ぎ捨てたものもあった)
・全員が靴を履いていなかった
・ある者は舌が引き抜かれていた
・ある者は強い打撲傷を負っていた
・着衣から高濃度の放射線が検出された
・ほとんどの遺体は皮膚が黒く変色していた
・髪が白くなった遺体もあった

当時の事故調査報告書は「未知の不可抗力による死亡」と結論づけました。結局、何もわからなかったということにしてしまったのです。当時のソ連は今以上に秘密主義が徹底していただろうということは容易に想像できます。

それを追調査し、その記録をドキュメンタリー風の読み物に仕立てたのが本書です。
最後は、ほぼこれが原因であろうというところまで行き着いていますので読後にもやもや感が残ることはありません。

ハードカバーで346ページもありますが、全体的に読み易く読み応えのある好著でした。

邦訳は2018年8月に出版され、12月にはフジテレビ系列の番組で取り上げられて事件の顛末が紹介されていたようです。あらすじだけを知りたい人はこちらを読むと良いと思います。


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値段と価値 [推薦図書]

「値段と価値」という本があります。米国在住のエコノミストの著書で邦訳本は2019年2月20日に出版されました。

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タイトルには惹かれなかったのですが、副題を見たら読みたくなりました。
副題は、「なぜ私たちは価値のないものに、高い値段を付けるのか?」です。

高い値段が付いていても買える人は平気でしょうけど、reizanの場合は価値のあるものを安い値段で買わないと生きていけません。だからこの副題に惹かれて読む気になりました。

でも最初に本文を見たときは「うえっ!」と思いました。とにかく文字量が多いです。1ページに47字×21行=987文字もあります。うっかりすると本を開いている指先で文字の一部が隠れてしまいそうです。
同サイズの本で読み易そうと思ったのは45字×17行でした。

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《ページの例》
それが227頁もありますから、原稿用紙にすると1,120枚の大作です。読む方も覚悟して読まないと潰されそうです。

と思いながら読み始めたら、これが面白くてどんどん読み進めていけます。最初の一文字を読む気になれたら後は内容が面白いから文字数の多さも忘れて読めます。

経済学者が書かれた本ですか、知らない学者が提唱した理論などが引き合いに出されるのですが、身近な例を挙げてその理論のありようを説明してくれたりするので門外漢でも読み易いです。(Amazonのカスタマーレビューは、ここ

ところで、この本の価値と値段の関係はどうかと考えてみたら、この内容、ボリウムで2,600円はお買い得だと思いました。


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九夏社 [推薦図書]

ある方から、伊藤武芳さんという方のことを教えていただきました。福岡県出身でreizanよりもずっと若い方のようです。

大手出版社で勤務されたあと今は独立して「九夏社」という出版社の社長兼編集長をされています。

社名の「九夏(きゅうか)」という言葉が珍しかったので調べてみたらちゃんと意味がありました。「九旬の夏、10日×9=夏の90日間」という意味と、「夏の最も暑いころ」の意味があります。

恐らく出版にかける熱い思いを「夏の最も暑いころ」にかけた命名ではないかと思います。
ちょっと尖った本を出すことで人気の「幻冬舎」の「幻冬」にも意味があって、「幻冬は厳冬に通じ、”冬に耐え強い芽を”、厳しい冬を生き抜いて大きく成長せよ」という思いを込めて作家の五木寛之さんが命名されたそうです。

伊藤武芳さんの名前で検索したらYahooニュースにインタビュー記事がありました。(ここ
九夏社の出版のテーマは、専門書ではないけど一般書として出すにはちょっと小難しい、けど面白い本とか、神経科学者が書いた芸術論など従来のジャンルから外れた本など、大手が敬遠しがちだけど面白い本を小回りの利く自分の会社で出すことだそうです。

「九夏社」のサイトを見たら3冊の本が紹介されていました。(ここ
『「イルカは特別な動物である」はどこまで本当か -動物の知能という難題』というタイトルの本が興味深いです。雑食性の人間が知能の高い動物を食べることについて書かれた本のようです。
我が国のようにイルカを食べる国がありますし、世界に目を向けると、犬を食べる国だって、猿を食べる国だってあります。

知能の高い動物を食べてはいけないとすれば、食べても良いものとの境目はどこにあるのでしょうか。

作・編曲家の安藤寛子さんの楽譜を出版している「Miela Harmonija(ミエラ ハルモニア=甘美な調和)」の山地孝佳さんもバルト三国のリトアニアでお一人で頑張っておられるようですし、伊藤武芳さんもお一人で頑張っておられます。大企業の庇護を離れて果敢に挑戦する方って尊敬します。


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全国の市場 [推薦図書]

旅に出て立ち寄りたいところは商店街です。そこに行けばその地に暮らす人たちの生活が垣間見えます。

若いころ30人ぐらいで沖縄に行ったときは、自由時間にひとりレコード店(今だとCDショップ)を目指しました。
土産物店で紅型やちんすこうを漁っても意味がないと思っていたからです。

レコード店に入るとそこは異空間でした。なんと陳列されている商品の半分ぐらいは沖縄の曲で知らない歌手が知らない曲を歌っています。

だからジャケ買いでシングルレコード2枚を買って帰りました。
そのうちの1枚が登川誠仁さんの「アッチャ メー 少、多幸山」「嘉手久節」だったのは、運が良かったのだと思います。

後にカチャーシーの曲だということを知りましたが、その時は安里屋ユンタのようなゆっくりした曲しか知らなかったのでとても新鮮でした。

その時の経験から旅に出るときは事前に現地の商店街情報を探るようにしています。

最近、そんなreizanのことを知っているような本が出版されていました。

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全国の商店街を地図と文章で紹介しています。

こういうのは先ず自分の知っているところを読んでどの程度の内容かを評価します。

京都を見たら、reizanが今年初めて訪ねた「京都三条会商店街」(懐かしい感じの商店街。三条名店街商店街とは別)や「伏見大手筋商店街」(京阪伏見桃山駅前)も載っていました。

次はreizanの育った北九州市です。小倉の地図を見たら「旦過市場」がありません。
魚町銀天街の付け足しのようにひと言ふれられているだけです。小倉に行ったら旦過市場を見ずして小倉の生活に触れたとは言えません。

まあ、旦過は市場で、商店街ではないから仕方ないかなと思っていたら、京都の錦市場は通称で「錦市場商店街」という名称があるらしいです。

旦過市場も「旦過市場商店街」だったら取り上げられたかもと思いますが後の祭りです。
でも、商店街の文字が付かない方が庶民の台所には相応しいような気がします。


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栴檀は双葉より芳し [推薦図書]

鈴木るりかさんのことを、新聞に載った「太陽はひとりぼっち」という新刊の広告で初めて知りました。
同じタイトルの有名な映画とは別物のようです。

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著者は小学4年のときから3年続けて小学館の主催する「12歳の文学賞」の大賞を受賞しておられることが紹介されていました。

さらに、中学2年のときに「さよなら、田中さん」(短編集)で作家デビューされていることも知りましたので、こちらから読んでみることにしました。

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収められているのは次の5編です。
・いつかどこかで(小学6年のときの大賞作)
・花も実もある
・Dランドは遠い(小学4年のときの大賞作)
・銀杏拾い
・さよなら、田中さん

「いつかどこかで」から読み始めたら、
『お父さんがいなくて淋しいか、と聞かれることがある。それは今までいた人が途中でいなくなったら淋しいのかもしれないが、最初からいないのだ。生まれてこのかた、そういうものだと思っているから答えに困る。』

冒頭から惹きつけられてしまいました。これが小学6年生の文章?
小学生の時分は男児の方が成長が遅いと言いますが、それにしても自分の小学6年のころを思うと雲泥の差です。

Wikipediaで「鈴木るりか」さんを検索すると、石田衣良さんの評価がありました。『人間の裏と表、社会の光と影を自分なりの目で見て、すくいあげて書いている。作家の目を持っている印象があった』、と書かれています。

読後の印象はまさにその通りです。小学6年生にして、人間の裏と表、社会の光と影がわかっているなんて、5歳のチコちゃんもそんな風だけど、るりかさんは本物の子供だけにもっと凄いです。


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MBA必読書 [推薦図書]

MBAとはMaster of Business Administrationの略で経営学修士と訳されますが、MBAはMBAのまま使われることが多いようです。直訳すると「ビジネスの管理運営に関するマスター(修士)」でしょうか。

reizanのように現役を引退した身には縁遠い言葉ですが、テレビでもときどき耳にするので無関心ではいられません。

そこで、安直ですがこんな本を読んでみました。

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内容は、経営学の名著といわれる50冊をダイジェストしたものです。本来はそれぞれが分厚い本だと思いますが、その内容を例を挙げてたったの数ページで紹介してくれているので読み易く、それぞれの著者の言いたいことをわかったような気にさせてくれます。

この本を経営学のバイブルにすることはできないと思いますが、年寄りが経営学の流れを読むには手頃な本だと思います。

この内容で1600円は高くないと思いました。

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妹背山婦女庭訓 [推薦図書]

NHKラジオ第一の「マイあさ・三宅民夫のマイあさ!」に作家の大島真寿美さんが出演されている回を聴きました。

話題は、直木賞を受賞された「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び(うず いもせやまおんなていきん たまむすび)」(「婦女庭訓」とは、婦女子の手本となるようなことを記した書物のこと)でした。(読むらじる版は、ここ)。

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妹背山婦女庭訓といえば、歌舞伎座で「山の段」を観たことがあります。平成11年10月のことで、太宰後室定高が先代の中村芝翫さん、大判事清澄が先代の松本幸四郎(現、白鸚)さんの出演でした。
この資料では、「仲をへだてる吉野川」から「死して思いは~流れ灌頂」までの部分です。

定高家と清澄家は、渡航を禁止された吉野川を挟んで対立しています。「山の段」は、蘇我入鹿から娘の雛鳥を側室にすることを要求されていた定高がこれまでの遺恨を捨て、相思相愛の清澄の息子久我之助と添わせる為、娘を殺して首を切り、吉野川を渡して二つの頭を並べて祝言をあげるというとんでもない物語です。(観ている分にはとても感動的で面白かったです。)

そのことがあったので、大島さんの「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」を読んでみることにしました。
主人公の近松半二は歌舞伎ではなく人形浄瑠璃の作家です。

史実として明らかになっていることがらの間を大島さんの想像で埋めて一つの物語としています。
「講釈師見てきたような嘘を言い」という警句がありますがまさにそんな感じです。大島さんが講釈師になって読者に有ること無いことを伝えている感じです。

全体が良くまとまっていて大変面白く読みました。読んでいるときの感じとしては、ジャンルは違うものの玉岡かおるさんの恋愛小説「銀のみち 一条(上・下)」を読んだ時のような心持でした。そういえば「銀のみち 一条」も著者がNHKラジオに出演されていたのを聴いて読んだ本でした。どちらも良書ですのでお薦めできます。
文楽「妹背山婦女庭訓」については、ここに解説がありました。


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リスベットが帰ってきた [推薦図書]

スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンが書きはじめて、その死後はダヴィッド・ラーゲルクランツが書き継いでいるミステリー小説「ミレニアム」の最新作が2019年12月に発行されていました。「ミレニアム6 死すべき女(上・下)です。

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まだお読みになっていない方はぜひ「ミレニアム1」からお読みください。最初はスウェーデン人の名前が英米のそれとは異なるため馴染みにくいですが、読み進むうちに慣れてくればストーリーの面白さに没頭できます。
一般的な小説での主人公としては狂言回し役のジャーナリストであるミカエル・ブルムクヴィストということになるのかもしれませんが、この小説でダントツの魅力を発揮しているのがリスベット・サランデルです。
そのリスベットが帰ってきたのですから読まないわけにはいきません。

今回も上巻の方は普通に読んでいけても、下巻に移ったら、きっと徹夜になるだろと思います。
今までに出会ったミステリー小説の中では上位5本の指にはいると思います。あるいは3本の指かもしれません。それぐらい面白い小説です。


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