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難しいリズムをつかむ裏ワザ [尺八演奏]

三曲に縁のない人でも「春の海」という曲は元旦のテレビなどから耳に入ってくるのでご存知のことでしょう。この曲を作曲したのが宮城道雄という天才です。

彼が作曲した「水の変態」は大人でも演奏に手を焼く難曲の一つです。最初の歌の部分はゆっくりしていますが、その後から速い手も出てきて大変そうです。 14歳の時に作曲したということに驚きます。

さて、本題に入ります。
宮城道雄が作曲した箏・尺八の合奏曲に「初鶯」という曲があります。鴬が鳴きはじめるころというと時期的にはもう少し先ですが、新春に好んで演奏されます。

この曲の尺八の手の中に、「鴬の谷渡り」と言われる部分があります。全体に難しい曲ですが、特にこの部分はシンコペーションになっていてリズムが複雑でちょっとずれても箏と合わなくなってしまいます。

その部分の尺八パートを五線譜で書くと次のようになります。

初鶯_0001.jpg
《左クリックで拡大》


《PC自動演奏 4分音符=80》

小節の頭拍の音が前からのつづきになっているところが多くて拍がとりにくいです。慣れない人がこれを吹こうとしても難しいです。

でも次のように楽譜を書き換えると、ほとんどの人が吹けるはずです。

初鶯練習譜.jpg
《左クリックで拡大》


《PC自動演奏 4分音符=80》

どう違うかというと、音価を倍にしています。8分音符は4分音符、16分音符は8分音符に書き直しています。だから、元は6小節なのに倍の12小節になっています。

これのテンポを倍にして演奏すると元の譜と同じになります。(厳密にいうと強拍・弱拍の位置が変わってきますが、旋律を覚えるためだけと割り切れば有効だと思います。)


《PC自動演奏 4分音符=160》


古曲の「五段砧」にもシンコペーションが出てきます。この曲は随所に出てくるので一層大変です。
今月15日に開催される某尺八社中の合奏研究会に誘われていますが、課題曲の中に、「初鶯」と「五段砧」と、別の意味で難しい「春の海」と「西行桜」が指定されています。腕試しの機会ですがこてんぱんに打ちのめされて帰ることになるかもしれません。

YouTubeに「鴬の谷渡り」の部分の演奏がありました。

http://www.youtube.com/watch?v=DW_9N2nPp6U 4:30のあたりから「鴬の谷渡り」

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尺八を吹くときの唇の隙間の作り方 [尺八演奏]

生涯大学校の芸能大会で尺八二重奏の共演をすることになっている民謡尺八のベテランの方と練習をしました。

今回は、よく鳴ると評判のreizan作の塩ビ管尺八を使うことになっているのですが、その方が吹くとあまり音が出ません。

そこで、出しやすい「チ」の音(A音)を吹いてもらいながら診断をしました。

002.JPG

上の写真は改善の途中で写したものです。最初は、上よりも横幅で1.4倍、縦向きには2倍ぐらいの大きな隙間を開けて吹いておられました。それは開けすぎです。音は出ますが音にならない息のロスの方が多くてお勧めできません。

そこで改善すべき内容を説明するわけですが、唇の微妙な力の掛け方を理解して実感してもらうのはなかなか難しいことです。
いくつかの言い方で説明した中で最終的に上手くいったのはこういう風に説明した時です。

  • 「唇は吹く形に似て構えるのではなく、ただ閉じるだけです。」
  • 「閉じた唇の状態をそのまま維持するつもりで息を送り出してください。少しでも自分から唇を開こうとしてはいけません。」
  • 「尺八を鳴らそうとして吹くような唇の形を作ろうとすると大きな隙間が空いてしまいます。」
  • 「唇を閉じたままで息を送り出すと耐え切れずに隙間ができます。その隙間ができるだけ小さくなるように唇の閉じ方をコントロールしてください。」
  • 「唇の隙間の目標は、幅1センチ以下でカッターナイフの刃の厚みぐらいの隙間です。」

そして、かなりのところまでたどり着いたのが下の写真です。

003.JPG

スリットの幅・厚みともに小さくなっているのがわかると思います。それとこの方の場合は唇の中央から右寄りのところに隙間ができています。これはご本人も気づいていなかったそうです。

診断を始めたときには唇の中央の位置で吹いておられたのですが、そもそもそれが間違いだったようです。
隙間のできない中央部で吹こうとするとそこに隙間を作らないといけませんので全体的に大きな隙間が空くようになります。それでは気の抜けたような音しか出ません。

この方の改善策としては、
・管頭を少し右にずらして隙間の前に唄口がいくようにしてもらいました。
・管尻を少し右に振ってもらって管頭が唇に正対するようにしました。
・管頭が若干右下がりにねじれていますのでこれを正してもらいました。

そのことによって、ご本人としては今までに竹の尺八でも出したことのない良い音が出てきたと感動されていました。

尺八を鳴らすコツを要約すると
  • 顎当たりから唄口までの寸法が自分の顎の形にフィットしていること。(これが一番大事)
  • 唇を閉じて息を出したときに唇のスリットができる位置を知る。 (必ずしも中央とは限りません。)
  • スリットのサイズができるだけ小さくなるように調整する。
  • そのスリットに唄口が正対するように尺八を構えて吹く。
というのが、reizanの理論です。

尺八のアンブシュアについては、こちらをご覧ください。




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ハッピー・バースデー・トゥ・ユー [尺八演奏]

先日、昔から知っている人のお子さんが2歳の誕生日を迎えられたので、お馴染みの「お誕生日の歌」を自作の塩ビ管尺八で吹いてインターネットで贈りました。



楽譜はネット上に公開されている五線譜を見て尺八譜に直して一発録りで録音しました。だから、演奏はこなれておりませんが、音色に関してはこれが塩ビ管かと思うぐらいいい感じだと思います。

自画自賛になってしまいますが、塩ビ管尺八の出来栄えに関してプロの尺八演奏家の方から高く評価されたのもわかるような気がします。

ウィキペディアで当たってみると原曲の楽譜が掲載されていました。 reizanの演奏は一尺八寸管の「レ」から吹き始めていますが、原曲に最初の音は一尺八寸管の「ロ」でした。

また、このサイトでは音楽著作権に関して興味深い知識を得ることができました。
 
器楽曲の場合、作曲者が亡くなってから50年経過すると著作権は消滅すると承知しておりましたが、もう少し細かい規定があることがわかりました。

正確な保護期間は満50年ではなく、「亡くなった日から年末までの日数+50年」ということだそうです。

また、第二次世界大戦の敗戦国に関しては「戦争の期間を上記に加算する」のだそうです。戦争のために演奏機会が制限され作曲者が得るはずの著作権収入が得られていないはずだから保障するということではないかと思うのですが、敗戦国だけにその枷をはめると、単なる嫌がらせに見えてしまいます。

wikipedia ハッピー・バースデー・トゥ・ユー


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尺八は3オクターブ出せるらしい [尺八演奏]

尺八の演奏が難しい曲には、「テンポが速すぎて指の動きがついていけないケース」と「運指が難しいケース」と「その両方が合わさったケース」があります。

運指が難しいとき、違う運指(指孔の押さえ方)で同じ音程を得る方法があったりします。これを替え指といいます。reizanもある程度替え指の種類を知っていますが、それ以外にないものかとネット検索をしてみました。

目的のものには行き当たりませんでしたが、別の意味で参考になる資料を見つけました。

「泉州尺八工房」という尺八製管会社のサイトの「Fingerrings -shakuhachi」という資料です。

http://senshu-shakuhachi.com/download.html  Fingerrings -shakuhachi

これによると、一尺八寸管の場合4Dから7D#まで出せるようです。reizanが自信を持って出せるのは4Dから6Eですから1オクターブ近く違います。プロの尺八奏者は信じられないぐらいの高音を出せると聞いたことがありますがこのことだったのですね。高音の運指(ほとんどが替え指)も載っていますので練習してみたいと思います。

それにしても6F(大甲のツ)は、泉州尺八工房のオリジナル尺八か、7孔尺八なら出せるようですが、普通の一尺八寸管ではその手がないようで難しいです。
ある方は、ツの運指では大甲の音を出そうとすると半音高い6F#になるので、椅子に座った状態で管尻を腿に当てて管尻の穴を若干塞いで半音下げるとおっしゃっていましたが、reizanが試してみても無理でした。

どんな運指をしようが、チューナーの針が正しい音高を指せばそれが替え指になりますので、そのうちに誰かが新しい方法を見つけてくれるかもしれません。



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尺八パート譜を書きました [尺八演奏]

reizanが習っている尺八教室の発表会が7月29日に開催されます。

reizanが出演するのは、尺八全員で演奏する「尺八四重奏 若竹の賦」と「都山流尺八本曲 平和の山河」、それに個人曲は古曲の「新高砂」です。

「若竹の賦」は初めての曲です。楽譜を見たら四つのパートすべてが記載されていて、全部でB4版用紙6枚(B5版12ページ)もあってページめくりが大変そうです。

そこで、自分用にreizanが演奏する第一パートのみのパート譜を書きました。 B4版2枚(B5版4ページ)に収まりましたので譜めくりも楽です。 

自分のパートが休みの部分は他のパートを朱書きしました。合の手が朱書きされていると本物の尺八譜みたいでいい感じです。

赤枠で囲んだ43小節はすべての音が16分音符になっています。

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今回は都山流の演奏会ではないので新記譜法で書いてみました。古曲とはリズム感が違う最近の曲はこの記譜の方が見やすい気がします。


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「若竹の賦」と「平和の山河」の下合わせ [尺八演奏]

reizanが尺八を習っている先生の社中の発表会は、尺八全員参加のアンサンブルで始まって最後から3曲目にも尺八全員参加のアンサンブルがあります。最初が都山流本曲の「平和の山河」であとの方が長沢勝俊さん作曲の「若竹の賦」です。

「平和の山河」は何度も演奏していますので独奏を任されない限り楽勝です。

「若竹の賦」は初めての曲です。四部合奏になっていますが全パートが揃っての下合わせは今回が最初で最後です。
reizanたちは3人で第一パートを担当します。 

001.JPG

大勢が集まるので尺八ケースなど邪魔になると思い、下合わせには手づくりの塩ビ管尺八(赤色の方)を持って行きました。

2009_1019utaguti0005.JPG

音譜も手づくりの新表記です。なぜなら、オリジナルの音譜は12ページ6枚もあって譜めくりが大変だからです。 

004.JPG

これら二つの秘密兵器のお蔭でばっちり下合わせができました。7月29日(2012年)の本番が楽しみです。

 



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「尺八アンサンブル十哲」さん [尺八演奏]

尺八は独奏するか、または三曲など他の楽器と合奏することが多いのですが、「尺八アンサンブル十哲」さんは尺八だけのアンサンブルにこだわった数少ないグループの一つです。

前回までの演奏曲のリストを見たら、曲名に見覚えがあって初回から聴きに行っていたようです。もちろん、今回で第20回目になる定期演奏会(かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール)も聴きに行きました。

プログラム
  1. 童夢 (三宅一徳作曲)
  2. 3本の尺八の為の作品No.1 (前田憲男作曲)
  3. 旅情メドレー (山木幸三郎作曲)
  4. 連山 (沢井忠夫作曲)
  5. September Song (川村泰山作曲)
  6. ソネットⅠ,Ⅳ (三木稔作曲)
  7. インド仏跡での祈り ( 山木幸三郎作曲)

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《プログラムの表紙》

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《終曲「インド仏跡での祈り」 13名の合奏》

某有名国立大学の邦楽サークルのOB・OGの方たち10人でスタートしたグループです。今年で20年を迎えたということは古参のメンバーでもまだ40代半ばのはずです。そのぐらいの年齢は邦楽界では若手と呼ばれます。

今でもreizanの演奏技術ではこなせそうもない難しい曲を易々と演奏して聴かせてくれていますが、これからも毎年聴きたいグループです。

メンバーの中には邦楽合奏団の「邦楽アンサンブル21世紀」で活動している方もいらっしゃいます。10月20日(2012年)の午後、台東区のかっぱ橋道具街通り沿いにあるミレニアムホールでこの合奏団のコンサートが開催されます。
かっぱ橋で調理用具の買い物かたがた聴きに行ってみようかと思います。

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「春のメドレー」の尺八譜 [尺八演奏]

趣味の民謡尺八サークル用に編曲していた尺八三部合奏曲「春のメドレー」の尺八用縦譜ができましたのでアップします。

reizan以外のサークルメンバーの皆さんは琴古流の音符の方に慣れておられるので、取りあえず琴古譜にしてみました。

春のメドレー(琴古流)_0001 パノラマ写真.JPG
《琴古流新記譜法》
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都山譜ができたのでアップします。

春のメドレー(都山流)_0001 パノラマ写真.jpg
《都山流新記譜法》
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「荒城の月」による尺八音程練習譜 [尺八演奏]

ある尺八名人のブログを読んでいたら、尺八ボランティアの際の余興で、「荒城の月」の前半の8小節を、吹くたびに移調していくことが紹介されていました。

最初の演奏で第一音をチ(A音)で吹いたら、次はハ(C音)から、次は甲のロ(D音)から、次はツのメリ(E音)から、次はレ(G音)から吹きはじめると、付いて歌ってくれていた人が、最後には高い音程についていけず声が裏返ってしまって笑いを誘うというオチでした。

「荒城の月」のメロディは多くの人に知られているし、著作権も切れているから、音楽の勉強の素材として使われることの多い曲です。

reizanも「荒城の月」を使って、すべての音を尺八の特殊音符で吹くという音譜を書いたことがあります。(ここ

今回は尺八名人のブログに刺激を受けて、12音階すべての移調譜を作ってみました。縦一列8小節ずつ音程が変わっていきます。 右から左に見ていくとそれぞれの音が半音ずつ上がっているのがわかると思います。

音程練習譜(都山流).jpg
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音程練習譜(琴古流).jpg
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すべての行を吹いてみて確認しましたので多分間違いはないだろうと思います。替え指のある音については、前後の音との関係をみながら一番やりやすい運指を選びました。


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三曲の下合わせで音が外れていました [尺八演奏]

文化の日の三曲演奏会まであと一か月を切り下合わせにも熱が入ってきました。

この日は午後一番に公共施設で、各流派の職格者(指導資格者)全員で演奏する曲(山川園松作曲「抒情詩曲」)の下合わせがありました。

その後、絃方の先生のお宅に移動して、「四季の調」と「岡康砧」の下合わせをしました。

最初に「四季の調」から始めたのですが、一曲演奏する間ずっと居心地の悪い思いがしていました。演奏のあとで箏の先生にピッチを確認してもらったら尺八の音程が高いと言われました。



そう言われても、尺八の音程を下げることはできませんので箏の音程の方を少し上げてもらいました。下の写真はその時の調絃をしている様子です。

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箏の基準になる絃(大抵は第一絃)の音を、先生の箏だけ尺八と合わせてもらいます。箏対尺八で確認するのはこの一音だけです。あとはその音から順にハモリを利用しながら次々に音程を合わせて琴柱の位置を決めていきます。

基準になる調絃が終わったら、お弟子さんの箏を一面ずつ合わせていきます。先生が弾いた絃と同じ絃を弾きながら柱を動かして絃一本ずつ調絃します。その間に会話はありません。黙々と作業が続きます。次の人に順番が移るときも特に声がかかるわけではありません。自分が次の順番だと思う人がそのタイミングを察知して合わせていかないといけないのです。

この時の調絃の様子を録音しましたので興味のある方は聞いてみてください。上手な人は3回ずつで合わせていきます。先生と同時に1回目を弾いた時に自分の音がどのぐらい高いか低いかを判断し柱を動かします。運がよければ2回目を弾いた時に合っていることがありますが、大抵は更に微調整をして3回目にはぴったり合っているという具合になります。

これが、慣れていない人だと何回もやり直しをすることになります(そういう人のも録音されています)。箏の先生は合うまで同じ音を引き続けますが合ったらすぐに次の音に移ります。合わせる方もそれに追随していかないと違う絃を合わせることになりますからお弟子さんにも高い音感が要求されます。(と言っても最初から出来る人はいませんし、経験さえ積めばほとんどの人ができるようになります。)
最後の人は替手ですのでオクターブ低い調絃になっています。



次の音源は調絃後です。調絃前とは別の曲のような感じがしませんか。




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尺八を演奏する前の食べ物 [尺八演奏]

昔、邦楽雑誌の特集で、「演奏会の本番前は何を食べますか」という問いにプロの演奏家の方々がお答えになっているのを読んだことがあります。

その中で特に印象に残っているのが、琴古流尺八の人間国宝 二代目青木鈴慕さんが語っておられた「豚骨ラーメンがよい」ということです。豚骨ラーメンの油が唇の周りを潤す様子を想像しただけで納得できます。

実はreizanにもこだわりがあって、我孫子駅ホームの「唐揚げうどん」を食べると普段以上に尺八が良く鳴ってくれます。

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《我孫子駅の唐揚げそば》

あるとき、月に1回受けている尺八レッスンの前にお腹がすいたので我孫子駅ホームの立ち食いそばの店で名物の唐揚げそばを食べたら尺八の鳴りが思いのほか良かったのです。その後は毎回唐揚げそばを食べてからレッスンに臨んでいます。

リップクリームが流行りだした頃はこれをつけると良く鳴るという話が広まり随分使ったものですが、最近は使わなくなりました。それよりも適度な脂分を持った食べ物を食べたほうが良いというのが今の心境です。

唐揚げそばの唐揚げは握り拳二つ分ぐらいの大きさがありますが、油を含んだ衣がたっぷりですから否応なしに唇の周りに油を塗ったようになります。この状態が尺八を吹くときに良いようです。

でも、我孫子駅の唐揚げそばは他所にはありませんので、他所ではコンビニのレジのガラスケースに入っているフランクフルトソーセージで代用しています。

ところで、今回も唐揚げそばを食べようと食券販売機のところに行ったら、reizanの前に3名の女性が食券を買っていました。その食券をカウンターの中のおばちゃんに渡して丼に注いでもらうのですが、なんとその女性のうち二人(9号体型)が、2個唐揚げそばを頼んでいました。

以前、4個唐揚げそばを頼んだ男性にも驚きましたが、女性で2個は凄いです。
写真を撮らせていただこうかとも思ったのですが、怪しいおじさんと思われると恥ずかしいので止しました。


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大地讃頌 [尺八演奏]

よく知っている人の依頼で「大地讃頌」という曲の間奏部分を尺八で吹くことになりました。歌を歌うのは純正律でも平均律でもこなせるコーラスのベテラン(参照動画とは無関係)の皆さんですから緊張してしまいます。

RIMG1015.JPG


五線譜で調号は#が5つですから尺八の長さの候補としては1尺9寸管、1尺7寸管、1尺2寸管の三本です。
今回は尺八だけでなくコーラスと音程を合わせなければなりませんので移調はできません。音域の制約も考慮して管の長さを選ぶと全体を1オクターブ上げて1尺7寸管で吹くのが最適なようです。

間奏だけではつまらないので間奏以外はマイクから離れたところで吹きたいとお願いしましたが、最後の音が大甲のツとなります。それよりも高い音も出せるのですがツの大甲だけは誰も正確に吹けないという厄介な音です。

ダメかなと思っていたら、泉州尺八工房さんが出している尺八運指表で7孔尺八のところを見たらツの大甲の運指が載っているではありませんか。5孔尺八では出せない音程も7孔なら出せるようです。

1尺7寸管の7孔は持ち合わせていなかったので、5孔の塩ビ管尺八を7孔に改造しました。試しに吹いてみたらツの大甲が出ました。まだ慣れていないので完璧ではありませんがツの大甲です。運指は管尻寄りの補助孔と第1孔と第4孔と第5孔を塞ぐとなっています。
録音した後で練習を重ねたらコツがわかってきました。第1孔の押さえは下側に0.1mmぐらいの隙間を作ってやると大甲になりやすいです。


《最後の音が、ツの大甲》

 
でも、「ハレの場で塩ビ管尺八はないだろう」、「塩ビ管だとなんの楽器を演奏しているのかわからない」 という圧倒的な意見に負けて本番は竹管で吹くことにしました。

そうなると音量の問題が出てきます。実は竹管の調整が終わっておらず塩ビ管尺八の方が音量が出るのです。


《塩ビ管尺八で間奏》


《5孔竹管で間奏》

即席で竹管の調整をすることにしました。参考にしたのは、いい感じでなってくれる1尺8寸管の管頭部です。
「顎あたり」から「唄口」までの寸法は既に調整済みですから、管頭の穴径の調整が中心になります。

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《1尺8寸管の管頭部》

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《1尺7寸管の管頭部》

竹の外径が違いますからそれで惑わされそうですが、縦方向の穴径はどちらも19.6mmで同じです。
横方向は8寸管が20.0mm、7寸管が20.7mmで0.7mmの差があります。

先ず最初に横幅の調整からやってみました。簡単にいろいろな調整できるように使うのは養生テープです。 いい感じになりました。

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《側面塞ぎ》

次に、参考までに手前を塞ぐこともやってみました。これもいい感じです。

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《手前塞ぎ》

図に乗って両方同時にやってみましたが、これは音が詰まったような感じになって×でした。聴いてもわかりにくいかもしれませんが、吹きづらかったです。

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《凹形塞ぎ》

これで一応の対策は出来ました。後は当日酔っ払って唇の調節ができなくなる失態に気をつけます。


 




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よく知っている人のパーティーで尺八を吹きました [尺八演奏]

よく知っている人とその相棒が主催するパーティーに参加しました。音楽関係者が多い会でした。
ゴスペルが得意な方や、コーラスの全国大会で優勝経験豊富な指揮者の方や、二期会(プロのオペラ団体)の主役級の男性歌手の方、それにアマチュアのコーラス愛好家の方など多数が参加されていました。

最初に、よく知っている人が作曲した曲を全員で合唱しました。参加者には事前に案内状と楽譜が送られていてよく練習しておくようにとの指示つきでした。宿題付きのパーティーは初めてです。

その後、食事のできる部屋に移動しましたがそこでも音楽会でした。
ゴスペル好きの方が、参加者以外の自分の仲間をその時のためだけ呼んでくれてゴスペル曲を2曲披露してくれました。

プロのオペラ歌手の男性は「time to say goodbye」を歌ってくれました。サラ・ブライトマンの歌唱で有名な曲ですが、ここで聴いた男性の歌も素晴らしかったです。感動しました。

その後、コーラス経験者が多いということで「大地讃頌」という曲を全員で歌うことになって、reizanはこれに尺八で参加しました。
指揮は指揮者の先生です。ピアノ伴奏もコーラスグループのピアニストの方です。reizanごときがご一緒させてもらって良いものかとヒヤヒヤでしたが、コーラスの皆さんは尺八との共演が初めてらしく面白がってくれましたので、よく知っている人からは間奏だけ吹いてと言われていたのですが、調子に乗ってしっかり全曲を吹かせていただきました。

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コーラスの皆さんは楽譜通りに歌いますので、その調に合わせるため尺八は1尺7寸管です。


一つだけ心残りは、最後の音がF#なのですが1尺7寸管尺八では大甲のツになり、5孔尺八では出せないためD#で終わらざるを得ず、尺八だけ盛り上がらなかったことです。

7孔に加工した1尺7寸の塩ビ管尺八だとD#も出せるのですが、周りのアドバイス通り、見た目では竹管にして正解でした。 羽織袴にはこの方が合うようです。

なおこの会では、よく知っている人のお友達でreizanのブログを見てくださっているK嬢にも初めてお目にかかることができ、直接お礼を言うことができて良かったです。

あと、料理の写真を一つだけ。

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《フォアグラソテー トリュフと茸のリゾット添え》 

フォアグラがどういうものかは知っていますが食べたのは初めてです。動物愛護の点からはかわいそうな作り方をするらしいですが、こんなに美味しいものをご禁制にするのは難しいかもしれないと思いました。

 



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詩吟の尺八伴奏者を調べていたら尺八譜と模範演奏に行き着きました [尺八演奏]

邦楽(洋楽に対する邦楽と区別するためこう呼ぶらしいです。)好きのreizanとしては、貴重な音源を聴き逃がさないために NHKのネットクラブのプレミアム会員登録をしています。

そして、「クラシック」「尺八」「箏」「三曲」「民謡」のキーワードを登録しています。この言葉に該当する番組があったら、ほぼ一週間前に機械の自動配信によるメールで番組情報を知らせてくれるというありがたい仕組みです。

珍しくこのキーワードで引っかかるはずのない詩吟の番組情報が送られてきました。多分、詩吟の伴奏楽器として箏が使われている曲があるためだと思います。

その情報を見ていたら、すべての曲の尺八伴奏に河野正明さんの名前が出ていました。三曲の方ではないので知らない名前です。

その名前をネットで検索してみたら面白いサイトに行き着きました。今は終了してしまっている「現代尺八奏法講座」の資料をそのまま公開しているサイトです。

河野正明さんの名前から行き着いたのはその中の「第9章終了練習曲集」です。曲名をクリックすると楽尺八譜が表示されます。その後のmp3の文字をクリックすると模範演奏が流れます。それぞれのジャンルで一流の方が演奏されているので聴き応えがあります。

楽譜の書き方は都山流だけでなく、琴古流や五線譜のものもあって勉強になります。

http://www.musicon.co.jp/kouza.htm 代尺八奏法講座」 終了練習曲集



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リズム練習の総仕上げ [尺八演奏]

趣味の民謡尺八サークルの初心者の方がリズムの取り方がわからないというので、reizanが講師になって週に一度、例会の始まる前に15分ほど勉強会をしてきましたが、それがもう一年近くなりました。

まだ完全にできるようにはなっていませんが基本はお教えしましたので、あとはご本人の日々の練習と慣れしかありません。
これ以上だらだら続けても意味がないのでここで一応のけじめをつけることにしました。

そこで、最後の教材として、ある有名な曲を尺八譜に直してお渡ししました。(琴古式新記譜法で書いています。)

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《写真クリックで拡大、「←」クリックで戻る》

あえて、タイトルや歌詞は入れていませんがリズムが正しく取れれば曲名はおのずとわかるはずです。

リズムも変化に富んでいますし特殊音符もいろいろ含まれていて、案外いい選曲だったと自賛しています。
誰もが知っている有名な曲だからリズムや音程が外れたら自分でわかるところも良い点です。


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尺八を吹く前の食べ物 [尺八演奏]

尺八を吹く前の食べ物として、これは良いと思ったのは「JR我孫子駅ホームの唐揚げそば」ですが、いつでも・どこでもという訳にいきません。

代わりのもので、どこでも手に入るものを探していましたが、それを「セブン・イレブン」で見つけました。

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「あらびきポークフランク(100円)」です。

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これを食べる時に、フランクフルトから染み出した油が唇に付いて、唇が適度に湿った状態で維持されますので、尺八を吹き易くさせてくれます。リップクリームを使う人もありますが、reizanはこちらの方が好きです。

どこの店舗でも同じだと思うのですが、この商品はレジの横のガラスケースの中で温められています。冷めると油がまずくなりますので店を出たら直ぐに食べたほうが良いようです。

http://www.sej.co.jp/sej/html/products/ff/hotsnack/ セブン・イレブン  ホットスナック

ただし、気になるのはカロリーです。同社サイトのデータによると197kcalとのことですからショートケーキを三分の二食べたぐらいのカロリーを摂取することになります。高コレステロール気味の方は自宅で調理したほうが良いかもしれません。

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袋入りのポークウインナーでも十分役割を果たしてくれます。フライパンに油を入れずにそのまま中火で3分間炒めるだけで表面に油が出てきます。一本は約60kcalとカロリーは三分の一ぐらいになりますし、価格も一本あたり20~30円で済み安上がりです。 


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尺八を吹くときの唇はリコーダーに似ている [尺八演奏]

尺八のアンブシュアを考えるときに大切なのは、「唇の前後位置」、「唇のすき間」、「尺八を当てる位置」、「尺八の角度」などですが、その中の「唇のすき間」について、ふと思いついて確認してみました。

思いついたことというのは、「リコーダーの息の吹き出し口と尺八を吹くときの唇のすき間は似ている」という命題です。

こうなったら写真を撮って比較するしかありません。

リコーダーはどこかに仕舞っていたはずと探してみたらすぐに出てきました。AULOS(アウロス=トヤマ楽器製造)のアルトリコーダーです。

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肝心の吹き出し口を見てみましょう。

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黒色のスリットがリコーダーの歌口の吹き出し口です。ここから出てきた息がその下の斜めになっている部分の先端のエッジに干渉して音が鳴ります。

では、尺八を吹くときの口はどうなっているかというとこんな感じです。

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リコーダーの息の吹き出し口とそっくりでした。これが音の鳴る唇の形です。
この唇のすき間は開けようとしてもできません。唇を閉じて「プウーーーーーー」と言うと必ず隙間ができます。そこで「ウーーーーーー」と言っている時に唇のすき間が小さくなるようにコントロールしてやると写真のようなすき間ができます。

つまり尺八を吹くときの唇のすき間は開ける意識ではなく、開いたものをいかに上手に閉めるかということにかかっています。実はこれが35年かかって見つけた尺八を吹くときのコツです。

(余談ですが、この写真は洗面所の鏡の前に立って、モニター画面を鏡に映しながら撮りました。)

リコーダーの場合は吹けば必ず音がなりますが、その構造上の制約から音色に変化をつけるのは難しいです。

一方、尺八の方は息を吹き出す角度や、息の出る位置と尺八のエッジとの位置の違いで鳴ったり鳴らなかったり、或いは音色が変わったりします。そこが尺八の難しいけど面白いところです。



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尺八アンブシュアの比較 [尺八演奏]

民謡尺八サークルのメンバーのなかにreizanの説明を割とよく受け入れてくれるヒゲのオジサンがいらっしゃいます。

尺八を始めてから2年ぐらいですが、最近、複式呼吸を体得されてから音が格段に良くなっています。
でも、練習日の吹きはじめは複式呼吸を忘れてヒュ~ヒュ~と情けない音を出していることがあります。

その時、reizanが「尺八を持たずに一気に全部の息を『プーッ』と吐いてみて、その勢いを意識しながらもう一度尺八を吹いてみてください。」とアドバイスをすると腹式呼吸のコツを思い出してくれてしっかりした音が出るようになります。

息の出し方だけでなくアンブシュアもアドバイスしていますが、これはなかなか難しいようです。

横から見たときに上下の唇の位置を揃える(そのためには上下の歯の位置を揃える。)、というアンブシュアのコツがあります。

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尺八がなければできますが、尺八を当てると難しくなるようです。

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唇の開け方もreizanに比べると息のロスが多そうです。唇の筋肉を締めないといけないのですが、どの部分を締めるかは言葉で説明のしようがありません。

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《reizan》

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《ヒゲのオジサン》

でも、これは35年と2年のキャリアの差ですから仕方ないですね。
自分の2年目頃を振り返ってみると口先だけで吹いていましたから、2年で複式呼吸を体得できたというのは羨ましい限りです。本格的に勉強するようになれば、案外、4、5年で実力が逆転しているかもしれません。

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予定稿が書けなかったので、尺八の甲乙ルールについて書きます [尺八演奏]

昨日、暴風雪の予報(実際はそれほどでもなかった)の影響で延期された生涯大学校の芸能大会が開催されました。

本日はその報告記事を投稿する予定だったのですが、昨日、家を出て最寄りのバス停に向かう途中の信号交差点で、青信号で横断歩道を渡っているときに、あと2メートルで渡りきるというところで対向の右折車にぶつけられてしまいました。
車はかなりのショートカットをしてきたので予想外の不意打ちでしたがスピードを出していなかったのでドンという音はしましたが、右手と右腰を軽く打った程度で済みました。

もうすぐバスが来るので事故はなかったことで済まそうかと思ったのですが、相手の方がしきりに警察に届けたいとおっしゃっるのでそうすることにしました。

警察が来るまで30分。それから現調をして、最後の調書への署名捺印をする前に次のバスも行ってしまい、結局芸能大会には間に合いそうになかったので諦めました。 

それで代わりの稿ですが趣味の民謡尺八サークルの話です。
reizanは都山流を勉強していますが、他のサークルメンバーは全員が基本、琴古流です。と言っても本格的に琴古流を学んでいる人はいなくて使っている民謡楽譜の音符が琴古流で書かれているという程度ですから琴古流のゴマ譜を読めない人が多いです。

そのサークルで三曲の「六段之調」全曲をやるというので、reizanが琴古流の譜本から小節線で区切った譜に書き直してあげました。
その際、甲乙(かんおつ)表記については元の譜本どおりで扱うところはありませんからその通りに写したのですが、メンバーの一人からから甲乙がわからないと質問がありました。
(甲乙とは音の高低を表す符号で、同じ運指でも低い方の音が乙、そのオクターブ上の音が甲となります。甲乙の表記がないと正しく演奏できない音だけ最小限の表記をすることになっています。それが甲乙のルールです。)

三曲をやる場合は甲乙のルールをマスターしていないと吹けませんから知っていて当然なのですが、民謡尺八をやっている人には普段あまり出てこない音符も出てきますので甲乙の判断が難しいのかもしれません。

そこで、手持ちの資料をあれこれ調べて下記のようにまとめてみました。

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これでほぼ正しいと思います。
今回調べてみてわかったのですが、琴古流の尺八入門書はどれも(reizanの持っているものだけですが)甲乙のルールを完全に網羅していると思えるものはありませんでした。ネットで検索してもありませんでした。

都山流の場合は、甲乙のルールが明確になっているのでどんな場合も迷いません。琴古流でもそんなものができればと思ってチャレンジしてみました。

 



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詩吟の伴奏練習譜 [尺八演奏]

reizanが参加している趣味の民謡尺八サークルでは、次のシーズンに向けて選曲の最中ですが、メンバーの一人の提案で、全員が詩吟の伴奏をできるようになろうということが決まりました。

10人ほどのメンバー中に、譜面なしで詩吟の伴奏ができる人が一人と、吟詠のできる人が二人おられます。
逆に、詩吟というと尺八を持たずに他人のすることを見ているだけという初心者の人もおられます。

reizan自身は三曲の勉強しかしていませんから詩吟について詳しいわけではありませんが、伴奏者用の教本は3冊も持っています。
そこで、初心者の人たちも取りあえず尺八を持って吹いてみる、という気にさせるように計ってみました。

今までにも汎用的な詩吟伴奏の楽譜が配布され、CDの吟に合わせて練習するということをやっていましたが、初心者の人がそれを見ながら合わせようとすると音程が合わないところが出てきます。本は一つですが、流派や吟者によって微妙に違うところがあります。

伴奏者としては、吟よりもワンテンポ遅れて伴奏しますから吟者の発声を聞いてから尺八を鳴らせば良いわけですが、初心者に声の高さを聞き取りなさいというのも無理な話です。

そこでreizanが考えたのは、詩吟を視覚から捉えて尺八伴奏との関係を理解してもらうということです。

実は詩吟にも譜面があります。勿論、五線譜ではありませんし、尺八譜のように音高が明確なものでもありません。「何となくこんなかんじ」ということが示してある譜面です。

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《詩吟の譜面例》

reizanの工夫は、これに尺八譜を書き足しました。

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詩吟の伴奏は尺八譜の音価(音の長さ)の通りにいかないことが多々あります。でもそれは気にする必要はありません。

詩吟の伴奏はあくまでも後追いのですから、気持ちよく尺八の音を伸ばしていたら吟が先に進んでしまっという時は、何事もなかったように平気な顔で遅れて次に移れば良いわけです。

初心者の方に譜面の使い勝手について訊いてみたら、以前にもらったのはどこを行っているのかすらわからなかったが、今回のは吟を聞きながら、譜面のどの辺りをやっているというのがわかるので、見よう見まねでついていけるとのことでした。

reizanのねらい通りだったので嬉しかったです。

 



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琴古流尺八の運指表 [尺八演奏]

reizanは都山流尺八を学んできましたが、趣味の民謡尺八サークルで遊んでいる仲間の人たちは全員が琴古流です。

といっても正規の琴古流を修めた方はおられないため、新規にチャレンジする曲を都山流のreizanが琴古流尺八譜に書き換えることがあります。

その際に役立っているのが琴古流尺八の入門書(独習書)ですが、手持ちの数冊を見ると、運指に関して大半は同じことが書かれていますが、一部に違いがあったりします。

そこで、全ての本が同じことを書いている音符と違う説明をしている音符を仕分けして、ほぼこれが正解だろうと思われる内容で一覧表にまとめてみました。

琴古流音符解説1.jpg
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琴古流音符解説2.jpg
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この表を作っていてわかったことは、
  • ロ・ツ・レ・チ・リ(ヒ)のうち、チだけに「大メリ」がない。
  • 二四五のハは、甲・乙で音律が異なる。
  • 「メリ」「カリ」「大メリ」の記号を付記する位置は琴古流の中でも各派で異っている。
  • 「ウ」は乙音しかないが、「一三のウ」「ニのウ」「三のウ」という甲音がある。
  • 省略形の「ハ」については元が色々有り、reizanの解明が不十分なこと
です。

甲の「ロ」を含む壱越の運指は五種類もありますが、同じ音律でも音色が違います。
だから、例えば「レの大メリ」の音符があったら運指の簡単な「ツ」と同律ですが、作曲者は「レの大メリ」の音色が欲しいわけですから「ツ」で吹いてはいけません。

なお、作表にあたって指孔を半開するのか微開するのかわからない部分は、reizanの推定で書いておりますので間違いがあるかもしれません。
そういう点で完成品ではありませんので使用される際にはご注意ください。チューナーで確認されたほうが良いと思います。


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都山流尺八の運指表 [尺八演奏]

先日、必要に迫られて琴古流尺八の運指表を作りましたが、考えてみたら同じ要領で都山流尺八の運指表もできるはずと思ってチャレンジしてみました。

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都山流音符一覧表2.jpg
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この表を作っていたら今まで曖昧に覚えていたところを見つけました。個人的には棚からぼた餅みたいな展開になってラッキーでした。

一覧表ですから自分がわかっている細かいところは省略しています。正確なところは都山流尺八楽会発行の「都山流尺八音符解説」をご覧になったほうが良いと思います。


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小節線のない尺八譜 [尺八演奏]

琴古流尺八の運指表を作って、次に、都山流尺八の運指表を作ったら、これは尺八譜の浄書に使えそうだということに気づきました。

7月の「八重衣」合奏練習に向けてこの曲を吹けるようにならなければなりませんが、テンポが上がると音譜がよく見えません。音符(運指名)は見えるのですが音価(音の長さ)が見えにくいです。

都山流音譜では、音譜の右側の傍線で音価(音の長さ)を表しています。
  • 傍線の無い音符は2分音符。その下に長い線が引いてあれば全音符。
  • 傍線内に一つしかない音符は4分音符。傍線に点が付いて「ト」の場合は8分音符。
  • 1本の傍線内に二つの音符があるときは一つの音符が8分音符。長い1本の傍線内に四つの音符があるときも一つが8分音符。
  • 傍線が二重線になっている音符は16分音符。
  • 傍線が三重線になっている音符は32分音符。
  • 音譜の下に短い線(半加符号)が引いてあれば、線の前の音の音価を半分延ばす。
    (付点4分音符、付点8分音符など。元の音符の1.5倍の音価になる。)
  • 更に、半加符号の下にもう一つ半加符号(少し短い)がある場合は、前の半加符号の音価の半分延ばす。
    (元の音符の1.75倍の音価になる。)
  • 「、」は半拍休み。「。」は1拍休み。等々
これを瞬時に見極めて演奏しなければならないので大変です。手の込んだ曲になると途中でどこを演奏しているのかわからなくなることがあります。
ひとの演奏を聴きながら音譜を見ている分には速くてもついて行けるのですが、自分が演奏する段になるとたちまち難しくなります。

そこで、自分の見やすい音譜に書き換えて練習しようというのがreizanの目論見です。
ポイントは二つです。一つは、小節線を無くして小節線を跨ぐタイをなくします。そして、もう一つは見にくいフレージングを見やすく書き換えます。

試しにちょっとだけやってみました。これを吹いてみたらすごく吹きやすかったです。

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《小節線のない尺八譜》

最初は一音ずつ書き込んでいましたが、一行に見栄えよく割り振るためには一行ずつ次の手順で進めたほうが良いことがわかりました。
  1. 音価の傍線を最初に割り振る。
  2. 甲・乙記号を入れる。
  3. 奏法記号を入れる。
  4. 音符(運指名)を入れる。
この順番が、修正が少なく、ミスが起こりにくく、効率が良いです。

上の部分で半日かかりました。相当頑張ったら一日1ページはいきそうです。
「八重衣」の公刊譜は全8ページですので最低でも8日かかります。

本来の目的は音譜作りではなく合奏できるようになることです。だから小節線のない音譜は今月中には作り上げて、あとは練習に打ち込みたいと思います。


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「雨降りお月」の尺八譜を作ってみました [尺八演奏]

Excelで尺八譜を作れるようになって、「八重衣」の小節線なし譜を作っていますが8ページのうち4ページまで進みました。
実際の作業時間から計算すると、仕事として作るのだったら2、3日でできそうですが、気が向いた時に少しずつ進めているのでもう少しかかりそうです。

ちょっと息抜きで、「雨降りお月」の尺八譜を作ってみました。

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《新記譜法による琴古譜》

「雨降りお月さん」というタイトルで覚えている人が多いと思いますが、現在知られている曲は敬称がなくて、単に「雨降りお月」です。

1番の歌詞は思い出し歌いで最後まで歌える方が多いと思いますが、2番はどうでしょう?
結構メロディが難しいですよ。reizanは尺八譜を見れば吹けますが歌えません。

「雨降りお月」という曲は、1番と2番のメロディーが違うことで有名です。
普通の唱歌は1番のメロディー譜だけを書いてあとはリピート記号で済むのですが、この曲はそうはいきません。
尺八譜に馴染みにない方も1番と2番を比較しながら見ていただくと、出だしから違っていることに気づかれると思います。

なぜこんな難しいことになっているかというと、実は、1番と2番は別の詩だったのです。1番は「雨降りお月さん」、2番は「雲の蔭」。二つはアクセントの違っているところがありましたので、作曲家の中山晋平さんが別々のメロディーをつけたということです。

唱歌集を選ぶときに、この「雨降りお月」は良い判断材料になります。メロディーは1番だけで、五線譜以外に2番までの歌詞を載せているのは△です。
reizanが見つけた例では、1番だけの五線譜の音符の下に1番と2番の歌詞が印刷されているものがありました。これは明らかに間違いですから×です。

文化庁編「親子で歌いつごう日本の歌百選」(2,000円+税)には2番のメロディーまで全部載っています。でもこの本は絶版になったみたいでAmazonの中古本が4,499円~9,800円もします。

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尺八本曲講習会に参加しました [尺八演奏]

所属している尺八流派本部からの講師派遣本曲講習会が開催されたので参加しました。
尺八本曲というのは尺八流派を流派たらしめるものとして定められている尺八だけで演奏する曲です。

今回の講習曲は、「本曲 朝風」と「本曲 木枯」の2曲でした。どちらも四分の四拍子で、朝風の独奏部が32小節、木枯らしが全曲で36小節と、どちらも短い曲ですが朝10時から午後4時まで、途中1時間の休憩をはさんで5時間にも及びました。

楽譜にはこのように書かれているけれど実際の演奏はこうしてくださいというのが多くて本当に神経が疲れます。
講師の模範演奏、説明、そのあと全員で演奏するのですがreizanは言われたとおりのことができなくて本当に嫌になります。
(でも、尺八を続けていく上で所属流派の本曲を避けて通るわけにはいきません。)

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《講師の先生とその前に陣取ったreizanの音譜》

ところで、この会場に来る前に珍しい催しに出くわしました。
素人の蕎麦打ち大会です。

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先日、素人の蕎麦を食べたばかりなのでちょっと気になって会場の中を覗いてみました。

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皆さんの緊張感が伝わってくるようでした。みんな頑張っているんですね。

初めて入った施設です。ロビーが吹き抜けになっていて天井に巨大なオブジェがありました。スズメバチの巣に似ていると思うのはreizanだけでしょうか。

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Excelでつくる尺八譜(縦譜) [尺八演奏]

箏の先生が、重複して持っているからと尺八や箏の音譜をたくさんくださいました。
その中に、昭和25年初版発行の大日本家庭音楽会の「箏曲楽譜 学校音楽琴編曲集」がありました。

これを編曲した趣旨は箏曲を発展させるためには学校音楽と家庭音楽の連絡を計らなければならない。箏をもって小学校の器楽教育に同調して進むのが能率的との判断に拠るもののようです。

第一編(メロディ)と第二編(伴奏)の二冊に分かれていて、お弟子さんや生徒さんが箏でメロディを弾き、先生が箏の伴奏を付けるという構成になっています。

メロディ譜と伴奏譜が対応している曲は次のとおりです。
  • むすんでひらいて
  • 蝶々
  • くつがなる
  • 夕やけこやけ
  • 霞か雲か
  • 故郷の人々
  • ほたる
  • 證誠寺の狸囃子
  • 荒城の月
  • すずめのおやど
  • 雲と風(カッコウ)
  • かかし
  • ぼんおどり
  • 池の鯉
  • 秋の山(故郷の空)
  • 思い出
  • 気のいいがちょう
  • 螢の光
  • ふるさと
  • 羽衣
  • 月の砂漠
  • 歌をわすれたカナリヤ
  • 夕べのかね
  • ローレライ
  • シューベルトの子守歌


ということは、メロディの部分を尺八に替えれば箏の伴奏と合奏ができるはずです。小学校の音楽支援活動や施設訪問の際に使えそうです。

それで、箏譜から尺八譜への書き換えをしています。使用しているのはExcel 2010です。

尺八譜.jpg
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画面には二つのファイルを並べて表示しています。左が作成する音譜で、右が音符などのパーツです。パーツはすべて図形です。

右側のパーツをコピーして左側のファイルの任意のセルに貼り付け、カーソル移動キーを使って位置を微調整します。

四分音符と十六分音符では小節内の混み具合が違いますがその調整は簡単です。
左ページの赤丸で囲んだ部分を見てください。「ツ」の十六分音符です。その前の小節に八分音符の「ツ」がありますが同じ大きさではありません。

この場合は、サイズを変更したい音符にカーソルを当て左クリックすると画面中央上部に「図ツール 書式」という見出しが現れます。
「書式」の文字にカーソルを当て左クリックすると、写真のように図の書式を調整するためのメニューが現れます。
このメニューの右上、赤丸で囲んだ部分で図のサイズを調整することができます。高さと幅の両方で調整できますのでこの例の場合は高さを調整しています。

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「ファイル」-「印刷」を選択するとプレビュー画面が現れますので、ここで枠切れや文字列の乱れ、全体のバランスなどをチェックすることができます。

このようにしてExcelできれいな尺八譜が作れます。その素になるパーツの作り方については人それぞれのやり方があるはずですのでここでは触れないことにしておきたいと思います。

 



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琴古流尺八の音符には方言があるみたいです [尺八演奏]

国会図書館のサイト内に「近代デジタルライブラリー」というサービスがあります。

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これは国会図書館の所蔵する資料で著作権の切れたものを無料で閲覧・印刷させてくれるサービスです。(図書だけでなく貴重音源もあります。)

「近代デジタルライブラリー」で遊んでいたら、明治43年12月に発行された「尺八独習初歩」という資料に行きあたりました。

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この中に興味深い部分がありました。

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それは「ハ」の運指に関する部分です。その部分だけアップしてみます。

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右端の、ハのなかに漢数字の一を書く音符は初めて見ました。運指の図を見ると「四のハ」と呼ばれている運指で、現代の指導書では次の音符で表されています。

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ここで使われている「ハの中に四」の音符は、明治時代には「四五のハ」を表すものでした。

琴古流音譜を勉強していると時々こういうのに出くわします。
琴古流というのは琴古系各派を総称して呼ぶときの名称ですから琴古流というひとつの流派があるわけではありません。
だから各派で微妙に異なる音符があったりします。門外漢が琴古流を勉強するときにそういうのが出てくると方言に出会ったような気がします。



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尺八用の縦譜を作って遊びました [尺八演奏]

毎日が日曜日の年金生活ですがいつも何となく用事があって、完全にフリーな日は久しぶりでした。

そこで、民謡尺八の縦譜を作って遊びました。曲目は「花笠音頭」と「佐渡おけさ」です。

今度、民謡尺八サークルで老人施設に慰問に行くことになっているのですが、この2曲だけ琴古流の人たちと音符が違うところがあったので、皆さんに合わせるように書き直しました。

この音譜は自分だけが使うものですから都山流の書き方で書いています。(タイの線は右側に書いたほうが良いのですが、囃子ことばがあるため左側にしています。)

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佐渡おけさ.jpg
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「荒城の月」の尺八譜を作ってみました [尺八演奏]

「荒城の月」という曲は尺八の初心者からベテランまで多くの人に演奏される人気曲です。

reizanが所属している趣味の民謡尺八サークルでも「レ取り」(レ調子)の音譜は皆が持っているのですが、今度は「ロ取り」(ロ調子)でやりましょうということになりました。

この際、ついでに他の音で取ったものも加えて「荒城の月」の尺八譜を作りました。
最後の譜は二重奏にしています。

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琴古譜の本来は小節線がなく、間拍子をゴマ粒のような点で表す「ゴマ譜」という書き方をするものですが、メンバーの中にゴマ譜が読めない人が増えたものですから、傍線一つが一拍という田嶋直士さんが提唱されている書き方に習いました。

荒城の月 琴古.jpg
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尺八アンサンブル演奏会の案内状を頂戴しました [尺八演奏]

毎年、定期演奏会を拝聴させていただいている「尺八アンサンブル十哲」さんから定期演奏会の案内ハガキが届きました。
入場料無料の上に案内状まで頂戴して有難いことです。

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《写真クリックで拡大、「←」クリックで戻る》


reizanがやっている三曲の場合は尺八以外に箏や三絃が加わっての合奏になります。尺八だけの演奏となると本曲ということになりますが、都山流本曲の二重奏曲や三重奏曲を除くと大半の本曲は単旋律です。

しかし、十哲さんの演奏会には箏・三絃は出演しません。唄もありません。名前通りに尺八だけの合奏曲を聴かせてくださいます。

毎回聴かせていただいてきて夏の終わりの定例行事になっていたのですが、今回の9月8日は所属している尺八流派の三曲合奏講習会の日と重なってしまいました。

講習曲目が宮城道雄の「虫の武蔵野」と「初鴬」です。特に「初鴬」の曲の途中の鴬の谷渡りと言われている部分は合わせにくくて過去に分析を試みました。(その記事はここ
しかし実際に合わせたことはありません。だから心残りですが今回は三曲講習会の方を優先させていただきます。

尺八アンサンブル十哲の皆さん。折角案内を頂戴したのに行けなくてごめんなさい。

 



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